2007年1月4日木曜日

天神さんの牛


今年の初詣、相方さん他数人と、錦天満宮に行ってきました。

京都の台所、錦市場を東に行ったドン突き、新京極通と交わるところに、ひっそりと錦天満宮はあります。
相方さんがバイトしてるカフェのすぐ近くにあるので、しょっちゅう前を通ってるんですが、初詣にこのお宮は完全にノーマークでした。最初、激混み覚悟で八坂神社に行こうとしてましたからね。

夜中、フラフラ歩いていってみると、参拝客もまばら。でも、提灯に灯は入ってるし、かがり火は焚いてあるし、いいかんじです。

境内には水が沸いていましてね、あったかいんです。18℃くらいあるんだとか。京都は地下水脈が豊富なので、どこを掘っても井戸水が沸きますが、これだけ温かいと、温泉になるんじゃないですかね。なんにしても、冬の深夜にあったかい水の出る手水舎は、ありがたいです。京都の名水にも選ばれてるだけありますな。

ほいでここ、狛犬の代わりに、牛がいるんですわ。
画像左が、それ。
天満宮といえば菅原道真で、彼が丑年生まれだということはかすかに知っていたんですが、だからといって牛を祀っている天満宮って、あんまり聞かないし、なんで錦天満だけ?と思って、宮司さんに聞いてみたのでした。

そしたらば、オレの地元の大阪天満宮や福島天満宮には牛の石像はないけれども、全国の天満宮には、結構あるらしいですな。ほいで、その理由は、菅原道真が丑年生まれというのはもちろんとして、どーやらそれだけではないらしいのですよ。

まず、道真伝承というのがありまして…。
・道真が死去した際に喪の車を引く牛が急に動かなくなった場所を墓所とした。
・九州の筑紫で道真が荒牛を鎮めた。
・太宰府に下る途中で2度も牛に救われた。
このあたりの話が束ねられて、道真伝承となり、全国の天満宮に牛の石像が置かれるようになった、と。

要するに、神の使いである眷属です。
熊野大社のカラス、日吉大社のサル、八幡宮のハト、春日大社のシカ、松尾大社のカメ、愛宕神社のイノシシ、三峯神社のオオカミなんかとおなじですね。

このあたり、宮司さんが嬉々として語る語る! 退屈してたのか、宮司?(笑)
でも、それだけじゃ終わらんのですね。
なんか、一度奥に引っ込んで、新聞記事の切り抜きやら古い縁起本なんかを引っぱり出してきて、説明は続きます。

最近の研究ではどうやら、疫病退散の象徴として、土牛を祀ったのがはじまりではないか、と。続日本紀にそのように書かれた箇所があるらしいです。
そもそも、牛は日本の農業には欠かせない動物で、牛を信仰する土着の風習は日本各地にあったんだそうです。んで、疫病が流行るたびに土牛が祀られ、疫病退散の象徴になっていったんだとか。
宮司曰く、そうした土着の風習が、道真信仰によって強化され、天神さんで牛が祀られるようになったのではないか、と。
諸説いろいろありますが、ここの宮司さんは、この説を強く推しておられました。

んで、最後にひとこと。
大阪天満宮にも牛の石像がありますよ、と。
あれ? そうでしたっけ? 大阪天満宮はそれこそ地元だし、境内をしょっちゅう通ってるんですが、まるで記憶なし(笑)

元旦の夜、大阪に戻ってきて徹夜麻雀に出かける途中、お参りがてら確認しにいきました。
そしたら、境内の片隅に、でかでかと牛さんが鎮座してましたわ(笑)

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