2007年1月7日日曜日

創造力の肝

教育委員会の会合に顔を出したら、いきなり変な目で見られました(笑)
スーツを着てない時点で、アウトだったみたい(笑)
でも、スーツはオレの戦闘服じゃないので、そういう場所では着れません。

翻って、初めて取引する広告代理店の社長さんと会ったのですが、「ルイスさんはまともですね」と、言われてしまう始末(笑)
まあ、オレはアーティストじゃないですからね。商業クリエイターですからね。

モノをつくったり表現したりしている人間は、変わっていることもひとつの個性と見なされ、一般の人と多少感覚が違っていても許されることがあります。
ほら、あの人はアーティストだから…、の、ひとことで、社会人として多少常識の枠からはみ出した面があったとしても、このひとことで納得してしまうことがあります。
横山やすしとか志ん生とか、そういう愛されかたをした人ですね。

これは、とある絵描きさんから聞いた話なのですが…、
絵を描く人には変わった人が多いのだけれども、それには理由があるのだとか。

まず、時間軸と空間軸のなかで創造されるものは、みな、論理的な構造を持っています。
たとえば、言葉は「あ」だけでは意味を成しません。「ありがとう」「あなた」と連ねることで、初めて意味を持ちます。そこから出発して、文字、言葉、文章、文脈と連なり、連続性のもとに書かれます。
音楽も、「ド」の音だけでは意味を持ちません。「ドレミ」「ドミソ」と音が連ならなくては、音楽になりません。
映像も、ひとつひとつのコマが連なることで意味を持ちます。

つまり、文学も音楽も映像も、時間の経過のうえで成り立っているものは、すべて論理的な構造を持っているということ。

それに比べて、絵は、作品が表現するものが、見た瞬間にわかります瞬時に世界を表現出来る力があります。時間の経過を伴わないぶん、論理的なものよりも感覚に直に訴えてきます。

だから、絵描きは、考えかたや行動においても、感覚的なものが突出する面が強いのだ、と。

ほんまかいな、と思わないこともないんですが、まあ、そういう面も多少はあるんでしょうね。

少なくとも、オレは、こと仕事の面においては、かなり論理的に進めます。
文章を書く仕事、デザインをする仕事…、かなり論理的にやりますね。

よく、モノをつくるうえで大切なのは感性だ、なんて言葉を耳にします。
こういうのは、オレにとってはかなり眉唾なモノ言いです。
そもそも、感性って、なんですかね?

感覚的なものがゼロとは言わないけれども、それ以上にはるかに大切なのは、その人のバックボーンになっている基盤なのだと思っています。
クリエイターは、いつも、自分で新しい発想で自分の力で創作している意識でやっているけれども、その実体は、自分の過去の経験や血肉化してきた知識、出会ってきたもの、手に入れてきたもの、考えてきたもの、それらの蓄積が基になって生まれてくるものです。そうした、自分のなかに培われてきたものがあるからこそ、創作活動が出来ます。

創作は感性だ、と言い切ってしまうのはカッコいいかも知れないけれども、そんなこと、ありえません(笑)

論理的な思考の基になるのは、自分のなかにある知識や体験などの集積で、それらを血肉化したものが、論理性の根本にあります。
んで、感性と呼ばれるものの95%くらいは、じつはこれではないのか、と、オレは思うのです。

ただね、なら論理的な思考を磨けば、素晴らしい作品が出来るのかというと、じつはそうでもない。
ここが、想像力の肝なんですが、
論理論理と言いまくったあとになんですが、じつは、モノヅクリにおける核心は、やはり、直感です。

こっちのほうに行ったらなにか面白そうなものが出来そうだ、というのは、直感が導く以外の、何者でもありません。
これも突き詰めていくと、じつは、自分の過去の体験が基になっていたりするのですが、モノをつくるということは、ここからここまでは論理で、ここからが感覚だ、と、割り切れるようなものではなくて、自分のなかにあるものをすべてひっくるめたカオスの状態のなかで向き合っていくことです。

論理や理性がなければ、人に受け入れられてもらえるようなものは、つくれません。すべてを頭で整理して考えようとしても、人の心を震わせるものは、やはり出来ないのですね。
秩序立てて考えられないところで、苦しんで、もがいて、必死の思いでなにかを生み出そうとする、その先の、自分でつくってやろう、こうしてやろうといった作為のようなものが意識から削ぎ落とされたときに、初めて、人の琴線に触れるような力を持ったものが生まれてきます。

一方で変わり者扱いされ、片方でまとも扱いされたことが発端で、長々とこんなことまで書いてしまいました。
でも、じつはまだ半分も書いてません。
続きは、明日か明後日にでも。。。。


今年最初のブラック・ミュージックは、これ聴いてます☆
素の部分が、かなりいいですな!

India.Arie / Brown Skin

0 件のコメント: