2006年10月28日土曜日

必須履修各科目逃れ問題

先日、マイミクさんの李奈さんが、日記で書かれていた題材なのですが、便乗して、こっちでもやっちゃうことにします。

あれです。
全国の進学校で、受験優先のために本来履修しなければならない世界史の授業を行わず、そのことが発覚して、卒業が危ぶまれるため、今から世界史の授業を詰め込みでやる、というやつです。
今現在、35都道府県282校ってことですが、こんなもんじゃないでしょ。もっと多いでしょ。というか、すべての進学校で行なわれていると思いますわ。

なんかなー、運が悪いとしかいいようがないですわ。
だって、こんなこと、25年前のオレの時代からやってましたよ。

それにさ、じゃ、ちゃんと履修しているはずの日本史だって、第2次大戦以降の現代史のところ、時間切れだかを理由に最後まで授業しないでしょ。
今回、世界史が槍玉に挙がってますが、そのまえに、生物・化学・物理の授業を、文系志望の学生に対してちゃんと必須分授業してるのか?と。

今から補習でやると言ってますが、その補習も、実際の現場では自習になって、受験勉強用の時間に当てられるんじゃないかと思いますよ。
現実に、文系私学志望のクラスだと、生物や化学の授業なんて、寝てるか、受験科目の勉強時間に、当の学生自身が宛てちゃってるだろうし、教師も黙認でしょ。

そもそもが、受験生、受験生の親、学校の3者の思惑が一致して、こーなってるわけで。
教育委員会とマスコミがうるさいから、ハイ、ちゃんとやります、って話でしょ。

現に、全国高校PTA連合会が、文科省に、「入試直前に新たな科目履修を強要するのは、学校や大人に対する不信を増大させるだけ。本年度は従前通りに卒業できるようにしてほしい」と要望書を出してます。
つまり、受験生、受験生の親、学校の3者、つまり当事者ですが、当事者は、誰1人として、履修すべきものを履修しなかったことの損害を訴えてるんじゃなくて、受験の邪魔をしないでくれ、と訴えてるわけで。

だから、マスコミと教育委員会が是正しろと糺していることと、当事者たちが訴えていることは、乖離しちゃってますね。

そのマスコミや教育委員会にしたところで、みんな高学歴なんだから、自分たちだっておなじようなことを学生時代にやってきてるわけで、それを棚に上げて、正義漢ヅラして糾弾って、よくやるわ!って思いますよ。あいつら、本当にツラの皮が厚いですね。

大体、受験生、受験生の親、学校にとって、希望大学合格に勝る正論なんて、ないでしょ。
みんな、本心では、体育や芸術の時間をなくしてくれって思ってますよ。

こうなってくると、なにも知らない学生たちが犠牲になってかわいそう、なんて論調が出てきます。
木曜の報道ステーション(すんません、あれしか見るのがないから、見てます。笑)でも、古館とその横に座ってる朝日の解説委員のオッサンが、そのようなことを言ってました。

これもねえ、受験生をなめ切った発言だと思いますわ。
今回の「履修見せかけ事件」は、生徒からの要望で実現した学校もあるし、受験生の大半は塾や予備校に行ってるだろうから、そこで、お前の学校はどう?オレんところはこんなかんじ、って、いくらでも情報交換して、自分の学校にたいして、より受験シフトのカリキュラムを要求してるだろうことは、容易に想像出来ます。それこそ、受験生同士、ブログやネットで情報交換してるでしょ。受験生が、なにも知らなかったってことはないと思いますよ。

だから、受験生が純朴で、大人の思惑にふりまわされた犠牲者だとは、オレは思いません。オレたちの時代とは比べものにならないほどの情報量を持って、オレたちの時代よりも数段レベルの高い戦略を持ってると思いますよ。

一応は、必須履修科目と受験科目に相違があることが原因、とされてるみたいですが、根本の原因はそんなことじゃないですよね。
なぜ、それを今履修しなければならないのか、そのことを生徒にきちんと説明出来る大人がいないってことでしょ。

それにね、受験戦争を勝ち抜いて、いい大学入って、いい会社就職して…って、それで幸福な人生が保証されるわけじゃないなんてことは、今や誰もがわかってることじゃないですか。
でも、受験生を持つ親は、それ以外の道を、自分のお子らに提示出来てないんでしょうね。
村上龍が、苦労して書いた『13歳のハローワーク』を読んだ人は、多いはずなのにね。
大企業は倒産、吸収合併、転職あたりまえ、終身雇用は終わり…、どんな企業も、社会も求めているのは、いかに有益なスキルを持った個人か、ということでしょ。そのスキルを習得する時間を(無目的に)受験勉強に費やしているというのは、あんまり要領のいいやりかたじゃないなあとも思います。

今回の騒動は、なんだかバカバカしい喜劇を見ているようです。


こいつは、京大出身(卒業したのかな?)だけど、ドロップアウトして、幸福な人生を送ったじゃないですか。12月2、3日、西部講堂で「soul of どんと」やるってさ。少年ナイフ、くるり、ふとがみとふなと、矢野顕子ほか、多数出演ですわ。行きたい。。。今年、七回忌ですな。合掌。



本日の1枚:
『BO & GUMBO』
BO GUMBOS / 泥んこ道をふたり


ファンにはたまらん、垂涎ものの映像ですぜ☆

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