2006年10月30日月曜日

正論だけでは人は動かんのですよ


某コミュで立ってるあるトピック。
なんだかね、エラそーなオッサンが意見を言ってるんですわ。トピ主なんですけどね。
で、その意見は確かに、正論なんです。
でも、素直に賛同している人が、ほとんどいない(笑)反論というか、コメントがついて、トピ主さんがそれに再反論。はい、よくある流れです。

ちなみにそのトピ主さんの文章、長いんですわ。
いや、長いって話ならオレも他人のことは言えんわけですが、そのオレが見ても、あまりにも長い(笑)mixiで論文発表する気か?ってくらいに。。
優しい言葉で言えば、ネット向きの文章じゃないんです。優しくない言葉で言えば、読む気が失せるくらい読みにくい(苦笑)
いろんなモデル説明やら文化論なんかを引いて、あれやこれやと説明してるんですが、いちいち読もうという気が失せるほどの長さと文体なのですよ。

トピ主さんは「私は○○学の教授で本も出している」と豪語なさっているのですが、それを見て、これは学生が気の毒だわとか、その本は赤字にならない程度に売れてるのか?とか、要らぬ心配をしそうになります。
知識はあっても文章力がイマイチな文章、てやつの見本を目の当たりにしてですね、オレも、己が文章をかえりみちゃったわけですよ。もっと読んでもらえる文章を心がけないとね、なんて。息抜きでやってるmixiだとはいえ、一応、プロを公言しているので。

ま、それはそれとして。
そのトピックのおおもとの意見はね、まあ、正論なんですよ。
冷静になってみれば、いちいち反対はしません、という程度の話です。
トピの主題は、あるテーマについての反論と問題提起なんですが、残念ながら、その場で素直に賛同している人はほとんど見あたらんのです。
サイレント・マジョリティと化しているのかもしれないけれども、なんかそういう空気でもありません。
んで、その場にいる人間すら説得出来ない以上、この人の意見は大勢の賛同を得るのは大変だろうなぁと思ったわけです。
いや、まぎれもなく正論ではあるんですがね。でも、現にオレは説得されなかったな(笑)

こういうのを眺めていて、
正論というのは、人を説得する力は基本的にないんだなぁと感じますね。
むかし読んだ交渉に関する本で、
「論理的説得というのは、それ自体ではほとんど役に立たない。だが、功利や感情で説得した人を『納得させる』のに大いに力を発揮する。だから重要なのだ」
みたいなことが書いてあって、目から鱗が落ちたのを思い出しました。

ちなみに論理的説得がそれ自体効果が薄いのは、「論理はどんな立場のどんなことにも通すことが可能だから」とありました。
白を白というのも、白を黒というのも論理上では可能で、要するにやろうと思えば反論が無限に可能だから、説得力がないんですね。
論理は、迷っている人の背中を押すことは出来ても、反対している人を引き込むだけの力にはなりえないってことです。
まあ、ネット上で数かぎりなく繰り返される不毛な議論を見れば、それは明らかですが。

論理で説得される人って、少数派でしょ。
人は、納得したいものを納得するものだからね。論理は、それに逆らい、抗うだけの力を持ってないんです。だから、理屈っぽいオヤジは嫌われるんだよな。

トピ主の教授さんは、いつそれに気付くのかなぁ。
それともこれからも「オレの言ってることは正しいのに、それに賛同しない大衆は愚かものだ!」と怒りながら、正論を叫び続けるのかなぁ。

トピ主の教授さんに、もしお会いする機会があれば、1行レスの魔術師の文章を参考にしてみてはいかがですかと、ますます怒りをかきたてるようなことを言ってしまいそうな自分が、ちょっと怖いです(笑)
あ、1行レスの魔術師というのは、オレのマイミクさんの寧楊さんがじつはそうなのではないかな、と、オレは勝手に思ってます。短いけれども、切れ味の鋭い正宗のようなテキストを書かはるんですよ、これが。
口数少ないくせに、たまに口を突いて出てくるひとことが場の空気を決定づけてしまうような人って、いるでしょ。オレもあれをやりたいんですが、資質がないです(笑)

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