2006年2月26日日曜日

ワンダーランド鶴橋





本日、彼女と、大阪が世界に誇るコリアン・タウン、鶴橋に行ってきましたですよ。
オレが住んでるところと鶴橋は目と鼻の先なんですが、彼女も好きな街に違いない!とはわかっていても、なぜかあまり行く機会もなく、いっつも通過ばっかり。で、本日、特に行くところもなかったので、じゃあ鶴橋を散策しよう!と、相成った次第。

オレ自身がめちゃめちゃ久しぶりに行ったので、もう、ほとんど覚えてないんですね。初めて来たのに近い感覚。
JRの改札出た瞬間から、なんか違う街です。
イヤ、JRの駅構内ですら、すでに違う。駅の、改札の中に、おばちゃん専門のブティックがあるし…。ブックオフの店内には自動改札があるし…。いきなり、?の連続です。う〜ん、鶴橋、やっぱ、ワンダーランド!

駅を出た瞬間からキムチと焼肉の匂いがしないでもないような気になるのは、出た瞬間から焼肉街と商店街が連なってるから。
特に、商店街は、エラいことになってますわ。
もう、迷路。かつて、香港の九龍城で数週間過ごしたことがありますが、あれに負けず劣らずの、迷路。商店街のくせに、縦横に道がありすぎるんです。しかも、ちっこい店が狭い道の両サイドにびっしり。

タコ焼き屋があって、韓国の冠婚葬祭用のなんやようわからん儀式用の器を売ってる店があって、キムチを売ってる店があって、豚足を売ってる店があって、それらを店内で食べさせてくれる店があって、唐辛子味噌を売ってる店、それの粉末を売ってる店、牛のモツを売ってる店、チマチョゴリを売ってる店、ナムルを売ってる店、靴屋、宝石を売ってる店、魚売ってる店、魚の干物をつくって売ってる店…。
とにかくですな、この区画は衣類、この区画は食品、といった区別がなくて、チマチョゴリ屋の横に総菜屋があって、その横はブティックで、その向かいは唐辛子屋で…、ってかんじで、ごった煮なのですよ。アーケードというかトタン屋根というか、天井からは、1班通り、2班通り、と、よそ者にはまったく意味がわからん区分けらしきものを表示した札が下がってるんですけどね。

ほいで、ブティックというか、服屋がやたらと多い。もしかしたら、商店街の7割ぐらいが衣料品関係か?というくらいです。優に、百軒超えます。
ブティックといっても、いろいろありまして。
オバァしか着んような、デーハーで安っぽい柄のがうやうやしくディスプレイされてる店もあれば、「コピーではありません!」と張り紙されたエルメスのケリーバッグ約400,000円を売る店もあり、微妙に、オシャレなんかオサレなんか、よくわからんのですよ。
その他、ヤクザのオッサンが着てるようなトラサルディなタッチのジャージ上下を売ってる店もあれば、ババシャツの専門店、防寒着専門の店、もちろんチマチョゴリ専門店もたくさんあります。チマチョゴリのお店は、日本の着物専門店みたいに、お客を座らせて、さまざまなチマチョゴリを広げられるように、店の奥半分が上げ段の床になってます。
あと、布団専門店、タオル専門店なんてのもありましたな。

ま、そんなワンダーランドを散策したあと、とりあえずは小腹も減ってきたので、入ったのが、チヂミを売ってる店。売ってるんですけど、無理矢理なスペースを確保して、店内と店の軒下で食べられるようにもしてる店。
注文したのは、ニラチヂミの唐辛子抜きと、春雨の炒め物と、キムチの盛り合わせと、韓国のり巻き。
でも、注文するまでがひと苦労ですわ。
まず、席とか、用意してくれるんかしてくれへんのかさっぱりわからんで、とりあえず、わからんまま着席。
狭いわりには店のオバァはたくさんいてるんですが、みんなてんてこ舞いになってるほど忙しいみたいで、注文、聞いてくれへんのですよ。お茶も出んし。
で、とりあえず、なんとかかんとか、お茶(コーン茶でしたわ!)をもらって、注文するんですが、いきなり日本語が通じない! よく耳を澄ませてみれば、日本語がどっからも聞こえてこんのですよ。オール、ハングル。
ま、でも、こっちは注文するじゃないですか。そしたら、それが通ってるかどうか、よくわからんという始末で。しかも、みんな忙しそうにしてるから、復唱するとかせんとか、そういうタイミングすらない。
でも、注文したし、通ってるやろう、ということで、待ってたら、べつのオバァが、注文しました?って聞いてくる。
したよ、と、答える。
そしたら、またまたべつのオバァがやってきて、あやしげな日本語で、やっぱり、注文しました?って聞くから、したよ、とまた答えたんです。したら、今度は、なにを注文したか?と。ニラチヂミと韓国海苔巻きと春雨の炒め物とキムチの盛り合わせ、と、答えると、チヂミは唐辛子入ってるやつか抜いてるやつか?とか、春雨は300円のか500円のか、とか。もう、どないなってるねん!ってかんじです。イヤ、おもろすぎて、怒る気にはまったくならんのですけどね。だって、みんなてんてこ舞いやし。
ほいで、このオバァが、厨房、というか、店の軒先で客の見えるところでつくってるんですけど、そこに向かってデカい声で、「なんちゃらスミダ、かんちゃらスミダ、海苔巻き1本スミダ、ほんちゃらスミダ、春雨300円スミダ〜」と。
今からかい!と思う以前にですね、ハングルで喋ってんのに、なんでメニューのところだけ日本語なんや!と。もう、爆笑。
そのあとですな、またまたべつのオバァがやって来ます。で、またまた、注文しました?と。した。なにを?
えーっと、ニラチヂミと韓国海苔巻きと春雨の炒め物とキムチの盛り合わせ…。またまたそう告げると、オバァ、厨房に向かって進行具合を聞いてます。で、もうちょっと待ってくださいね♪って。いや、遅い!とか文句言うてへんやん、オレ。
ほんまにね、なにがなんだかわけがわからんのですよ。それに加えて、酔っぱらいがオバァに絡むから、余計にややこしくて…。

そんなこんなで出てきた皿、はっきりいって、絶品でしたな。
韓国海苔巻きは、ゴマ油が塗ってあるのにもかかわらず、非常にアッサリしてます。春雨の炒め物は、味の組み立てがちょっとわからんほど複雑で美味。モツの細切れやら野菜の細切れなんかと一緒に炒めてあるんですけどね。キムチの盛り合わせは、大根と白菜と胡瓜と、水菜! 水菜のキムチなんて初めてですが、シャキシャキしてて、辛いけれど、非常に爽やかなお味で。大根もすごく浅漬けやったんですが、にもかかわらず、ちゃんと芯まで味が染みてて、ナイス。
この4皿で、〆て1,150円。勘定してるオバァは、オレに、何度、合計額を聞いてきたことか。計算だけして、べつの客の注文聞いて、そのあとでオレの出した金を受け取ったときには、もう、合計額を忘れてる。釣り銭出すときにも、合計額を忘れてる。どんなんやねん!!

というかんじ。
イヤ、鶴橋、ちょっと病みつきになりそうですわ。天満市場よりもすごいです。
ほんま、ワンダーランドでした。


で、鶴橋といえば、コリアン繋がりで、やっぱ、これかなぁ…。




朴保(パク・ポー) / 『いつの日にかきっと 〜スピリチュアル・ラブソング』

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