2006年7月12日水曜日

実印にはぽっちがない

今日、実印を押す機会があって、とある書類に押そうとしたんですけどね…。

そんとき、大先輩の社長さんが同席していたんですが…、
その社長さん曰く、
「実印は、彫りを見んと、どこが上かわからんやろ。なんでか知ってるか?」
…知りません。

たいていの印鑑は、持ち手のところにぽっちがあったり少しへこんだりしてあるところがあって、そこが天地の天だということがわかるようになってます。そこを上に持ってきて、捺印すればいいわけですね。

ところが、なるほど実印には、ぽっちもへこみもなんの目印もない。
んなこと、考えたこともないです。

「あのな、実印を押すというのは、重要な書類に捺印するときやろ。どんな印鑑でもそうやけどな、押すときには、ちょっと立ち止まって考えなあかんわけや。実印やったら、なおさらやな。
実印にぽっちがついてないんは、その、考える時間を与えてくれてるんや。彫りの面をじっと見てな、クルクルまわして、天地を揃えなあかん。その間、よう考えや、っちゅーこっちゃ」

な、なるほど☆

オレは、ローンの契約でもなんでも、裏面約款の隅から隅まで読んでからでないとハンコをつかない人間ですが、それはあたりまえ。そのうえで、さらに、捺印する直前にもっかい考えろ、と。

昨日、近江商人の話を書きましたが、勉強せなならんことは、いっぱいありますな。
商人道は、奥が深いです。

最近の実印は、ぽっちがついていたりするのもあるらしいですが、件の社長曰く、それはダメだそうです。

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