2005年11月18日金曜日

ティファニーで朝食を





某マイミクさん(日本の妙齢婦女子に大人気の韓国人俳優と同名の方といえば丸わかりか…)の日記で、ムーンリバーがどうたらこうたら、という話が出てきて、それで、思い出したように、さっき、CDをセットした。

ヘンリー・マンシーニが歌う、『ティファニーで朝食を』の主題歌ですな。

ラウンジ・ジャズ系の甘ったるい音など、オレの人生のどこにも居場所はないし、普段は聴くことなどないのだけれど、これだけは、べつ。

思い出がね、あるのですよ。

好きな曲であれ、好きではない曲であれ、その曲が自分の人生の某かのシーンとリンクしていれば、記憶の澱に残ってしまいますな。

20歳をちょこっと過ぎた頃、リュックを背負って、オレは、世界中を、あてもなく、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、ふらふらふらふらしてました。

そのときにね、
ハンガリー出身のジプシーで、普段はストリップ劇場で踊り子をやってる女性と、パリのバヤすぎるナイト・カフェで知り合ったのでした。

それから、ひと夏、オレは彼女の家で浴びるほど音楽を聴いて、筋肉痛になるほどダンスをしてました。

ロックンロールを聴き、ブラックミュージックを聴き、ファンクを聴き、レゲエを、スカを、ロックステディを聴き、アイリッシュを、オキナワ民謡を 聴き、サルサを、ルンバを、チャチャチャを、ボサノバを、サンバを、ブーガルーを、クンビアを、メレンゲを、フラメンコを、ミュゼットを、ライを、アフリ カンファンクを、ブルーズを、絶え間なく聴いて、ダンスしてました。

激しく議論もしたし、激しく愛を貪りあったりもしました。

なにかね、人間としての基本的な必須事項の大半は、このときに、彼女から教わったような気がするな。

青臭いばっかりのパンク小僧だったオレに、それ以外の世界を見せてくれたのは、彼女でした。

そういう時期に、
『ティファニーで朝食を』が、パリでリバイバル上映していて、2人で観にいったんですよ。
で、そのあとで、
ムーン・リバーのダンス・ステップをね、教えてもらいました。

まあ、
話の骨格はそんなもんですが、そういうことを、この曲を聴いたり映画を観たりすると、どうしても思い出してしまいますな。
もうはるかむかしの話だけれども、
どうしても、思い出してしまいますな。

今日は、ひょんなことからサム・クックの『ワンダフル・ワールド』を誰かがカバーしてるのを聴いてしまったりもして、
なんだか、
懐かしい気分になってみろよ!
と、誰かに言われてるような変な日でした。

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