2005年12月6日火曜日

愛のプレゼンテーション





スピッツの『チェリー』だっけな。
愛してる、の響きだけで 強くなれる気がしたよ〜
って歌詞。

あの一節がね、好きなのですよ。
愛してる、ってことよりも、
その響きにどれだけのものを込められるかのほうが、はるかに大切なのだと、オレは思ったりもするのですね。

言いたいことは全部言った!
とか。
好きです、って、とりあえず言えた!
とか。

それで終わりなのか? と思ってしまいます。

コミュニケーションにおいて、
言いたいことを伝える、よりも、それがどうすれば伝わるのか、を、考えることのほうが、はるかに大切なのだと、オレは思っています。

内実は、大切です。同時に、方法論も、大切です。
でも、方法論は、軽視されがちですね。

マニュアル本には、いろんなことが書いてありますね。具体例が、たーくさん、書いてあります。
でも、そこには、特定の誰かを振り向かせるためのマニュアルが書かれているわけではありません。
不特定の、顔のない、名前のない、実在しない、とても不思議な人を振り向かせるための、不思議なことが書かれてますね。
あなたが振り向かせたい相手を想定して、指南が書かれてあるわけではないですね。

これが方法論なのだとすると、方法論は、軽視し蔑視していいな。

そうではなくて、
あの人を振り向かせるためには、自分が思っていることを、正確に、過不足なく、伝えるためには、どうすればいいのか。

これはもう、考えるしかありません。考えて、考えて、考え抜くしかありません。
大きな声で言えばいいのか、小さな声で囁けばいいのか、外なのか、暗い場所がいいのか、遠回しがいいのか、直接がいいのか、誰かに言ってもらうほうがいいのか…。
考えるしかありません。
で、
こういうのは、もちろんのこと、オーダーメイドなので、具体例をマニュアル化することは出来ません。

どう考えるのか。
考えられるようにするには、どうすればいいのか。
これは、じつは、かろうじてマニュアル化出来ます。
かろうじてマニュアル化出来るけれど、とんでもなく長くなるので、またいずれ書くことにします。


京都に、史上最凶&最強のロックンローラー、山口冨士夫という人がいます。内田裕也なんかメじゃないくらいの、ロックンローラーです。
伝説のバンド、村八分でギターを弾いていた人です。タンバリンズとかティアドロップスで、ギターを弾き、ボーカルをとっていた人です。
今は、ジャブ中&アル中で、めちゃくちゃになってますけどね。

その山口冨士夫は、かつて、「好きなんだ」という曲を演奏し、歌っていました。
歌詞は、
好きなんだ、
だけです。

好きなんだ、というフレーズだけが、さまざまな響きで、さまざまな表情で、100回くらい繰り返される曲です。
それでいてポップな名曲になり得ている、すごい曲です。
あの、いかつい山口冨士夫が歌うのだから、それだけでキュートになってしまっています。

どの「好きなんだ」が、おまえの心臓に突き刺さるのだ!という曲です。
今日、久しぶりに聴きました。
山口冨士夫は、内実の人に見えて、そのじつ、方法論の人です。




山口富士夫 / 『皆殺しのバラード』

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