2005年12月15日木曜日

会社とはなんぞや?





先月末、友人が会社を整理しました。倒産ではなく、廃業です。
業績が悪化し、赤字がかさみ、見通しも暗く、これ以上続けていっても好転することはなかろうということで、大怪我をするまえに会社を畳むことになったとのこと。
30人近くいた社員全員の再就職を世話し、退職金代わりに1ヶ月余分の給料を支給し、現在は残務処理をしているといいます。そして、昨日、彼自身の再就職先が決まりました。

畑がまったく違うので、なにもしてあげられなかったけれど、彼自身の再就職先が決まったと聞いて、オレは、自分のことのようにホッとしました。

まったくね、自分のことよりも、社員の生活を先に考えしまうような、もしかしたら商売に向いていないのかもしれないくらいに、誠実で、人がいい男なんですよ。そもそもね、この状況下で30人近くの人の再就職を世話するなんて、その労力たるや、並大抵のモノではないです。

「社員さんの食い扶持はなんとか確保したからさ。会社は潰しちゃったけどね、人は残ったんだよ。生き残ったんだ。だからさ、今度また、事業をはじめるときには、集まってくれるかもしれない。縁は切れてないから」

うんうん。その通りだ。

「会社は人が集まって、人が食べていくために共通の営利の目的を持ってつくるものだからさ、会社が人に奉仕すればいいんであって、人が会社に奉仕することはないんだよ。会社なんかのためにね、個人の生活が犠牲になっていいはずがないじゃない」

彼はね、ずーっと、そんなことを考えながら、会社を経営してきた人です。オレは、彼から会社の経営というものついてずいぶんといろんなことを学んだし、折に触れて、彼とは、そんな話ばっかりしてきました。

会社はね、人のために、そこで働くすべての人のためにあるもんです。会社が目的ではなくて、人がよりよい生活をするための、会社は手段です。
そんなふうには考えない会社や経営者はゴマンといますが、オレや彼は、そんなふうな話ばっかりをしてきました。

転勤に伴う引越、単身赴任…。
会社のために、住む場所を異動させられたり、家族がバラバラにされるなんてことは、あっていいはずはありません。
会社は、社員と社員の家族のために、存在します。
人があって、家族があっての、会社、でしょ?

彼は、人を守るために、会社を潰しました。

ときどきね、こんなことを考えます。
トヨタとニッサン。
双方の社員が、そっくりそのまま入れ替わったとします。
おなじように自動車をつくっていても、それぞれの会社の社風や、価値や、やりかたや、取引先との接しかたなどは、違うでしょう。
人がそっくり入れ替わると、当然、そうしたものも、とりあえずは入れ替わっていくでしょう。
でも、会社の看板はそのままです。当面は、お客さんも取引先も、そのままです。
さて、問題です。
全員がニッサンの社員になってしまったトヨタは、トヨタですか?
全員がトヨタの社員になってしまったニッサンは、ニッサンですか?


* * * *


面白いバンドがあります。
ひとつは、ファンカデリックというバンド。
もうひとつは、パーラメントというバンド。
どちらもジョージ・クリントンという男が総帥 (笑) をつとめており、ファンカデリックはロック寄り、パーラメントはファンク寄りという、若干の色分けはありますが、主要メンバーはどちらもほぼおなじだし、バンド間でメンバーの入れ替えや交流もあります。

だから、パーラメントのライブのファンカデリックが出てきて、パーラメントの曲を演奏しても、誰もわかりません (笑)

さらにはこのふたつのバンドを統合するかたちで、Pファンクオールスターズなるバンドまであります。どのバンドも、音に大きな差はないし、はっきり言ってひとつのバンド名でやっても問題はないと思うのですが、なぜか、わかれてます。しかも、3つのバンドそれぞれが、違うレコード会社から出ています。

死ぬほど契約にうるさいアメリカでこんな離れ業をやってのけるのだから、よほど有能な弁護士がついているはずですが、なんでこんなことをしているのか、さっぱりわかりません (笑) わかりませんが、たぶん、おもしろいからやってるんだと思います (笑)

バンドも会社も、いろいろあります。(←どんなまとめかたや!)




FUNKADELIC / 『One Nation Under A Groove』

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