2005年12月10日土曜日

根負け婚





中野悠 (♂ 53歳) &陽子 (♀36歳) に、第一子が誕生しました♪
おめでとうございます☆

いや〜、よくぞここまで辿り着いたよ。

話は12年前に遡ります。
当時、悠さんはフリーのコピーライターとして活躍していました。で、経理やら雑用やらを引き受けてもらうアシスタントを募集していて、そこにやって来たのが、陽子さんです。
これが、その後10年以上にわたって繰り広げられる抗争の、そもそものはじまりでしたね。

えーっとですね、当時41歳だった未婚のむさいオッサンがですね、当時24歳のこれからオンナとしての最盛期を迎えようかという陽子さんにですね、ひと目惚れしてしまったのですよ。
自分が雇った女性を口説くことにも問題がないこともないような気もするのですが、41歳がね、大学出たての右も左もわからん女性をね、口説くんですよ。それも、採用してスグに。
当然、断りますわなぁ。普通なら、即、転職を考えますわなぁ。
もちろん、陽子さんは、断りました。それはもう、キッパリと。毅然と。アッサリと。
でも、給料が結構よかったのと、当時は就職氷河期でもあったのと、断ったときの悠さんの落ち込みようがヒドかったので、ここで辞めちゃうのも悪いかな、と、優しい心を持った陽子さんは、思ったのでした。
この、優しい心がね、今にして思えばすべての原因。

だってね、悠さん、あきらめないんだもん。
また口説く。また断られる。またまた口説く。またまた断られる。またまたまた口説く。またまたまた断られる。…もう、果てしなく。それこそ、パレスチナとイスラエルのように。
でも、陽子さんも、辞めないのね。優しいから。

ほいで、陽子さんは、もてるんですよ。ベッピンさんだし素直だし優しいし。だから、それ相応の男からのオファーは、なんぼでもある。そんなんじゃなくても、ゴハンだとかお茶だとかのお誘いも、数多ある。
でもね、悠さんがね、ことごとく、潰すんですよ。妨害するんですよ。
仕事で、オレが悠さんの事務所に行くでしょ。ひとしきり仕事の話をして、ついでだから陽子さんとも、なにげない話をするでしょ。そしたらね、彼女に話しかけるんじゃない!って、怒るんですよ。ぜ〜んぶ、こんな調子。
で、陽子さんは、そんな悠さんを見て、クスクス笑ってるだけ。
さすがに陽子さんの携帯のチェックとかはしてなかったと思うけど、とにかく、近寄ってくる男がいれば、どんな種類の男であれ、必ず制止する。

ここらあたりのニュアンスを説明するのは難しいんですが、管理の厳しい、独占欲の強い彼氏とは、また違うんですよね。いや、そもそも彼氏でもないんですけどね。口説いては振られてるんだけれども、振る舞いは、彼女の身を心配する彼女のおとーさんなんですよ。それも、かなり子供っぽいおとーさん。だから、ちょっと憎めないんですよね。やってることはかなりヒドいけど、憎めない。だから、陽子さんも、クスクス笑ってるだけ。

でもね、悠さんがそんな調子だから、陽子さんに男なんて出来るわけないじゃない。近寄ってくる男が全部、悠さんに撃退されるんだから。

そうやってね、10年が過ぎたのですよ。
もうね、陽子さんは、青春を棒に振ったみたいなもんですよ。
もう、陽子さんは悠さんに責任とってもらうしかないですね。

で、根負けした陽子さんが、2年前、ついに悠さんと結婚…。
「根負け婚です! 私の青春を返せ! おかげで私はまだ生娘だ!」
の名言を吐いて、祝福と罵倒が入り交じるなか、2人は結婚してしまったのですよ。そんときの悠さんの嬉しそうな顔といったら…。

そんな夫妻に、第一子が授かりました。悠さん、53歳にして、第一子!
年いってからの子供が出来るととんでもない親バカになると言いますが、たぶん、そうなるでしょう。

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