2007年8月1日水曜日

ヘルベチカ・ノイエ


今日は、書体の話を。

オレたち、紙やwebのデザインをする人間にとって、切っても切れないものに、書体というものがあります。

今風にいうと、フォントというやつですな。

どんなものをつくるにしても、書体の種類を決め、大きさを決め、色を決め、文字と文字のあいだの間隔を決め、行と行のあいだの間隔を決めなければ、その文章が入るスペース全体の大きさを決めます。

まあ、日々そいつと闘っているのがオレたちの仕事なのですが、一番悩むのは、英文の書体を決めるときです。

書体にもいろんな種類があって、日本語だと明朝体だとかゴシック体だとか、聞いたことがある人も多いかと思います。最近だと、女性の筆遣いを思わせる金釘流なんてのが大流行りです。
その書体が持っている形から受ける印象が全然違うので、自分が好きな書体を使っていいってことでもなくて、固い内容のものだとやはり固い印象を与える書体、爽やかな印象を与える書体、ポップな印象を与える書体、柔らかい印象の…、と、それぞれの用途にあわせて、どの書体を使うかを選んでいくんですね。強調したいときは、太い書体を使うとか。

日本語の書体だと、オレの場合は、100種類くらい持っていて、そのなかから選んでます。100種類のなかから選ぶのだって、結構、悩むときがあります。

これがねえ、英文の書体ともなると、もう無限にありまして。
オレが持ってるだけでも700~800くらいの書体があります。そのなかから、ここで使うべき書体はなにか?ってのを、ピンポイントで選ぶのって、結構、骨の折れる作業ですわ。
はっきり言って、わからんときもある(笑)

それにもちろん、自分が好きな書体もあるわけで、なにを選んでいいのやらわからないときは、勢い、好きな書体を選んでしまうこともあります(笑)

好きなのは、断然、ヘルベチカ・ノイエという書体です。
写真の文字は、ヘルベチカ・ノイエの書体でつくった、「Helvetica - neue」。
こいつは、ご覧の通り、余計な装飾が一切ないシンプルな書体でして、そこがね、飽きが来なくて大好きなんですわ。

装飾が一切ない書体もたくさんありますが、このヘルベチカは、そういう書体の代表的な書体でして、はっきり言って主流になりすぎていて、今さら使っても面白くもなんともないんですが、でも、好きだから使っちゃいます。

ちなみに、ヘルベチカというのは、ラテン語で「スイスの」という意味でして、そこにドイツ語で新しいを意味する「ノイエ」がひっついています。
最初、スイスの活字鋳造所でつくられた書体が、後に、ドイツの会社から再発されて、そういう名前になったんだとか。

そして、そのヘルベチカも、今年が誕生50周年☆
なにから、ヘルベチカをめぐるドキュメンタリー映画も出来たとのことで、まもなく日本上陸だとか。
これは見たいですね。

一般の人にはあまり関係ないかもしれないけれども、各地で50周年を記念した展覧会やイベントが開催されるらしく、今、大急ぎでチェックしてます。いずれにしても、なかなかマニアックな催しではありますが(笑)

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