2006年1月8日日曜日

ある贋作作家の顛末





今朝の読売新聞に、贋作画家のインタビューが掲載されてました。

オランダ人のヘルート・ヤン・ヤンセンさん62歳♂。

餌食にしたのは、ピカソ、マティス、ダリ、クリムト、カンディンスキー、マグリット、ミロ、シャガール藤田嗣治…など、時代も流派も越えて多数。
手法も、石版に銅板、油絵に水彩など、オールジャンルで。

すごいな。

ちなみに彼は、大学で美術史は専攻したが、絵画テクニックについては、独学。もちろん、贋作づくりも独学。

画廊の経営が立ち行かなくなり、家賃も払えなくなり、窮した頭に浮かんだのが、贋作づくり。
カレル・アペルの水彩を3週間で偽作し、競売にかけたところ、著名な美術収集家が約20万円で落札したのが最初だとか。これが1976年。

次に、もう1枚。アペルのべつの水彩画を偽作して、77年、ロンドンで競売。オークション業者が作成した目録には、アペル本人が自作であると認めた認証書がついていたんですと!

そっからより大胆になって、いろんな画家の偽作に手を染め、儲け倒したとか。アトリエもフランス中西部の城に移し、13室あるサロンにそれぞれの画家の名を冠し、「ピカソの間」「マティスの間」「ミロの間」などとして、本人になりきって制作していたんですと! で、その成果、約3000点。まったく、バレず。

すごいな。

ところが、このオッサン、意外なところでケチがつく。
94年、シャガールのペン画を偽作してドイツの競売業者に持ち込んだところ、偽造した売買記録でフランス語の綴りを1字間違えたために、偽作が発覚した、と。
サルも木から落ちたわけです。

ところがところが、話はまだ続きます。
この、世紀の偽作画家を重く裁く方針だった当局のもくろみとは反対に、美術界から被害届がほとんど出されなかったために、立件されたのは2件の偽造のみ。判決、禁固2年の執行猶予5年。実質的に、無実みたいなもんです♪
偽作でボロ儲けした画商たちと、偽作となって価値が下落することを怖れた所有者たちらが、沈黙したんですな。

ラッキーというか、美術界も欺瞞に満ちているというか…。

さて、わがロック界は、コピー、カバー、オマージュ、サンプリング、パクリが日常茶飯事的に行なわれております。
初心者はコピーからはじめるし、オリジナルのアーティストに敬意を表してカバーやオマージュを捧げることもあれば、新たな解釈で新しい価値を与えるためにサンプリングが行なわれることもあり、もはや音符の組み合わせは限界を超えているために図らずもパクリになっている場合もあるわけです。

で、思い出すのが、シナモン。
名古屋在住の、レッド・ツェッペリン馬鹿!
オレが彼らを見続けていたのは、10代の頃。当時すでに40歳前後の人たちでしたから、今、60歳前後なのかな。まだ、現役なんだろうか? 最近は、とんと噂を耳にしませんが。
もうね、ツェッペリンを敬愛すること神のごとし、ですよ。
だって、それしかやらないんだもん。完コピ。ジミー・ペイジがバイオリンの弓でギターを奏でるところまで、真似するんだもん。
んで、それをレコードにまでしちゃうんだもん。
もう、ツェッペリンそっくり!
んなもん、レコードにしてどうする?
ツェッペリンのレコードをかけてはシナモンを思い出し、シナモンのレコードをかけてはツェッペリンを思い出し、最後は、どっちのレコードかけているのかさえ判然としなくなることが…。

そんなわけで久しぶりにシナモンが聴きたくなったのですが、レコードが見当たらないので、ツェッペリンで代用することにしました♪



Cinnamon / 『Cinnamon Ⅲ』

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