2006年1月26日木曜日

夜開く飯屋





家の近所に、メシ屋があります。
このメシ屋は、昼間は営業してません。
夜、
確かめたわけではないのだけれども、11時くらいにその店のまえを通るときは営業しておらず、12時以降に通ると営業していることが多いような印象があるので、おそらく、日付が変わるあたりの時間に暖簾をかけるんでしょうな。
朝は…、
10時には閉まってる。9時以前に店のまえを通ったときには、まだ開いていたような気がします。だから、たぶん、そのあたりの時間が閉店時間です。

要するに、そういう時間に営業しているお店なのだけれども、酒がメインというわけではなく、メシ屋です。入ったことはないけれども、外から覗くお店のたたずまいや雰囲気から察するに、あれは間違いなくメシ屋です。

このメシ屋の隣は天満市場といって、大阪中の飲食店関係者が食材を仕入れにくる市場なので、朝が早いです。
なので、考えられるお客は、市場の関係者、物流の関係者、タクシーの運ちゃん。近所では工事もしているので、工事関係者もいます。それらしい作業着を着たおっさんやにいちゃんたちが、大口を開けてゴハンを頬張っている姿を目撃したこともありますから。

営業している時間に、お店のまえを通ると、いつもいっぱい。
他に開いている店などないので、たぶん、シェア90%くらいは確保してるんじゃないですかね。

オレは元来、メシ屋が大好きで、贔屓にしてるメシ屋もたくさんあったんですが、この10年で、ことごとくつぶれちゃいました。
で、メシ屋までがチェーン化、フランチャイズ化しちゃってさ、○○食堂ばっかりじゃないですか。

メシ屋は、チョイスする皿の組み合わせで高くも安くもなるので、食べたいものをいかに安くするか、に、醍醐味があります。
それがね、○○食堂だと、どう組み合わせても安くならんのですよ。豚汁の具も少ないし、大メシをさらにてんこ盛りにしてくれるようなサービスはないし、お店のおばちゃんとの会話も、当然なし…。

べつにメシ屋にかぎった話ではないけれど、チェーン化、フランチャイズ化すると、お客に対する愛情みたいなのが、一気に失われてしまいますね。

ボチボチ月末で、仕事が徹夜続きになってきました。
ので、
夜、近いうちに、このメシ屋の暖簾をくぐってきます。


で、
夜のメシ屋といえば、SIONを思い出してしまいます。
なんとなくね、イメージがピッタリ。
デビューしたのは、80年代だったかなあ。
ボブ・ディランとローリング・ストーンズを足して2で割った男、なんていうわかりやすい形容がなされていました。
彼は、夜の妖しさや寂しさを歌うけれど、自分を卑下することもなく、誰かを鼓舞することもなく、淡々と歌ってました。
彼は、高性能のシオン・カメラを内蔵しているので、風景を描写するだけで、本質を射抜く力を持っていたのですよ。

日本では数少ない吟遊詩人ですね。

吟遊詩人が、夜のメシ屋でメシ食ってる…。
見てみたい絵ではあります。





シオン&森重樹一 / 『ルナティックムーンライト』

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