2006年1月13日金曜日

木下大サーカスに行ってきました





彼女が、読売新聞からタダ券を2枚もらってきてくれたので、行ってきました。
「スーパーミラクルイリュージョン木下大サーカス」ですよ。
サーカスなんて、何年ぶり? つか、何十年ぶり? (笑)

京都の梅小路公園。蒸気機関車の置いてあるところですね。

結構大きな公園に、どでかいテント発見。
そうそう、サーカスはやっぱ、テントですよね。
その旅芸人スタイル。好きなんです。

開演30分前に、吹きっさらしのテントの前に並んで、…平日にもかかわらず、結構、行列出来てます。圧倒的に、家族連れが多し。
そんで、出店が出てんです。それも、プロのテキ屋の出店じゃなくて、サーカス団が自前で出してる出店。ポップコーンとかポテトチップスとか売ってます。
オレと彼女は、直前にスタバに寄って、キャラメルマキアートとドーナツを仕入れてきたんですが、やっぱ、チョイスを間違いました。ポップコーンにしとけばよかった。そのほうが、サーカスっぽい…。

待つこと数分。
なかに入ってみると、1000人くらいは収納出来そうな、どでかいテント。
タダ券の自由席は、席もへったくれもなくて、長椅子です。で、前後左右、子連れファミリー。普段は、ガキが騒ぐだけで激怒するオレですが、こういう場所ではガキは騒ぐもの。背中を蹴られたって文句言いません。

アレグリアとかを観てしまうと木下大サーカスのセットのチャチさが目について仕方がないんですが、そこがまたノスタルジアを誘います。
だってね、本日、入場者が10万人を突破したとかで (カウントの起点がさっぱりわかんないんですがね) 、キリ番の人が壇上に呼ばれて景品贈呈があったんですけど、それが、スズキのスクーター。しかも、オッサンが出てきて普通のカメラで記念撮影つき。なんかね、景品も微妙なら、演出も微妙。ちょっと微笑ましい。

ステージは空中アクロバットとか鉄棒とか、体操競技系のパフォーマンスで前半ははじまるんですが、これがね、やっぱりアレグリアを観てしまったオレの目から見なくても、ちと、しょぼい。鉄棒なんか、最後に2回転ジャンプとかするんだけど、着地のところで転ばないように、介添えする人がいてるし…。

マジック (スーパーイリュージョン?) では、タネも仕掛けもありそうなでっかい箱が登場して、箱に入れたマネキンが、箱を開けてみたら、あらま、本物のダンサーに、とか、箱に閉じ込めたオネーチャンをギロチンで滅多切りにしたのに、箱を開けてみたら、あらま、ピンピンしてる、とか。いや、タネは知らないけど、でも、あの箱には、絶対にタネも仕掛けもあるって!
でも、マジック…、いや、スーパーイリュージョンは、アレグリアではやらんですもんね。

プログラムは結構充実してて、20種類くらいはあったかも。ただね、プログラムとプログラムのあいだのセットの入れ替え等の段取りがね、悪いんです。照明落としてガチャガチャやってるんですが、その時間、長過ぎ。で、そのたびごとにピエロが出てきてなんかやるんですよ、しょーもないことを。最初のうちは苦笑いしてたけど、なんどもなんども見せられると眠くなっちゃう。

イヤ、けなしてばっかですけど、でも、基本的には、微笑ましいんです。
アレグリアみたいではないし、カネのかかった外タレのライブともいかないけれど、手づくりの延長というか、小資本 (おそらく) でも、頑張ってここまで出来ます、みたいなノリで、ちょっとね、勇気がもらえそうなかんじなのですよ。

後半、猛獣ショーですよ。ライオンだトラだチータだと、怖そうなのがいっぱい出てくるんですが、それを操る猛獣つかいは、鞭持ってますから。鞭持って、火の輪をくぐらせたり、芸をさせるんです。いいんですかね? 動物愛護団体に訴えられますよ。いや、オレは好きですけど。ちなみに、このプログラムは題して「NEWミラクル世界猛獣ショー」。どのあたりが、NEWなんだか…。

そうそう、キリンとシマウマも出てきました。迫力ありました。迫力ありましたけど、なんの芸もしない。ステージをぐるぐるまわるだけ。ピエロが子供に餌をわたして、キリンがそれを食う、って、それだけ。いや、迫力あったからいいんですけどね。動物園でも、あんなに間近でキリンとかシマウマとか、見れないですから。

最後は空中ブランコ。お約束の空中ブランコ。目隠しで空中ブランコやったりして、すごかったですよ。でも、これもアレグリアを見てしまったあとには、…やっぱ、キツいもんが。

なんだかんだで2時間。途中、ダレたところもあり、眠気にも誘われ、ガキにも背中を蹴られ、尻も痛くなり…、でも、観てよかったです。さすがに自前でチケットを買って観る気にはならんけど、タダなら観てよかった。ちなみに、自前だと、自由席前売りで大人2500円、子供1500円ですから。これ、一番安い席ですから。映画より高いですから。

でもね、サーカスって、フリークスというか、村八分的な匂いがしてて、好きなんですよ。
だってね、アレグリアのライブもすごいし、今年に来日するローリングストーンズやU2のライブも、それはそれはすごいゼニがかかってて、すごいことになってますよ。かたや、木下大サーカスは、オーロラビジョンもなければ、照明はスポットライトだけですよ。
エンターテイメントなんてきれいな言葉になっちゃってるけど、所詮は、河原者じゃないですか。町に住むことは許されなかった人たちですよ。その精神がね、木下大サーカスには息づいているような気がしたんです。河原者のプライド、みたいなのがね、オレの魂を揺さぶりましたね。

観てよかったですよ。
カネ出してまでは要らんけど… (笑)

そういえば、昨日の夜、DVDで、「ラッチョドローム」を観たのでした。
こちらは、今公開中の映画「愛よりも強い旅」の監督トニー・ガトリフが製作したジプシーのドキュメンタリー映画。ハンガリー、ポーランド、エジプト、スロヴァキア、フランス、スペインと流れていくジプシーの音絵巻です。
昨日と今日、奇しくも、東西の旅芸人に触れたのでした。



Taraf de haidouks / 『Cantec de dragoste ca la Roata』

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