
生涯最初のフジロック体験がお登紀さんのステージというのは、たぶん世界でもオレだけのような気がせんでもないのですが、これはこれで、なかなか渋いキャリアになったような気もします。
本当は、ヒロト&マーシーが新たにはじめたクロマニヨンズ、ハワイイアンをはじめて以降はそのご尊顔を拝していないサンディーさん、大阪でブイブイ言わしてるブラック・ボトムス、ちょっと気になるサケロック、オーバーグラウンド・アコースティック・アンダーグラウンド、それとぜひぜひ見たかったスマッシュ社長日高さんのオープニングの掛け声…、いろいろと見たいものがあったんですが、ぜーんぶ、車がぶっ壊れたおかげで、パー。
でも、仕方ないですよね。それがフェスだし、それが旅ですから。
人生、そんなに焦らんでも、願ってればチャンスはまた巡ってきます。
でも、お登紀さん、人気ありましたよ。ヘブンという、オレ好みの渋めなマニアックどころが登場するステージに彼女も登場したのですが、人もたくさん集まってたし、「ときこーっ!」って野太い声援が飛んでたし、彼女が普段からやってる「ほろ酔いコンサート」では絶対に見られない光景でしたね(笑)
映画『紅の豚』の主題歌にもなった『さくらんぼの実る頃』ではじまり、ジョン・レノンのカバー『パワー・トゥ・ザ・ピープル』と、じつにお登紀さんらしいラインナップでした。あと、シャンソンのプロテストソング『シャントゥーヌ』もやってた! ほとんどの人が知らなかったみたいだけれども、これは、『インターナショナル』と並んで、フランスでは、そっち方面の人にはメチャクチャ人気がある曲。こういうのを歌う人って、今の日本じゃ、お登紀さんだけでしょうね。
最初、お登紀さんと野外フェスって、頭のなかで上手く結びつかなかったんですが、考えてみれば、彼女はずっと青空の人でしたよね。60年代のデモも闘争も反戦集会も反戦ライブも、全部、青空の下で行なわれてきたものだろうし、ダンナさんとはじめたのは実験農場でした。青空は、彼女の主戦場ですな。
だからか、とてもとても、爽やかなステージでした。
レッチリ目当てにきた人は、お登紀さんのステージは素通りだっただろうけれども、かなり素敵なステージでしたよ。
残念なのは、2時半にはじまったステージも、4曲程度聴いたところで、オレたちは退出せねばならんかったことですわ。車をね、引き取りにいかねばならんのですよ。
このヘブンのステージから、会場を出て、バス停まで歩いて40分。そっからバスに乗って30分。これを逃すと、修理工場が閉まってしまうんです。
ほいでまた、オレとatricotさんがですな、車を引き取りに修理工場へ向かうわけですよ。
じつは、この時点で、少しカチンと来てたんですけどね。
だってね、
atricotさんは、前日からぶっ通して12時間、車を運転してるんですよ。んで、運転しないオレを除いて残る2人、マーリン&マイクは、大丈夫か?いつでも代わるで?と、声はかけてくれてるんですわ。
車の修理の件は、誰のせいでもないし、車の持ち主はatricot家だとしても、4人で来てるのだから4人で処理すればいいじゃないですか。もちろん、修理屋との交渉や、お金の調達、レンタカー屋さんを調べたりなんてことは、オレがやりますわ。交渉事が絡んでくるから、オレがやるのが一番でしょう。でもね、車を引き取りにいくのは、誰でも出来る。オレは運転しないから、せめてついていくけれども、引き取って運転して帰ってくるだけなら、マイク&マーリンでも出来る。ましてや、前日からオールで運転してるatricotさんを気遣うようなことを言うのなら、引き取りくらいやったら行くよ、くらいのことはあってもいいはずです。
でもね、ないんですよ。口では心配してるふうなことを言うけれども、この人たちは、実際に身体を動かすことは、ないんですわ。面倒くさいのか、他人事なのか、ライブが見たいのか知りませんけれども、口ばっかりで、身体は動かん。まあ、この時点で、そういう人たちなんやな、と、オレのなかではハンコが押されたんですけどね。
ただ、車を引き取って帰ってきても、広大な駐車場のどこに停められるかわからないので、一度、集合する必要があります。荷物を出して、前線に基地をつくらないとダメだし。
んで、5時半には帰ってくる予定なので、どこにいてる?と、聞くと、わからん!と(笑)
わからんじゃなくて、わかる場所にいてんとあかんやろ、4人のために車を引き取りにいくのに、それも、あなたたちが行ってもいいところをオレとatricotさんが行くのに、到着時間にどこにいてるのかわからんほど遊ぶつもりなんかいな、この人たちは(笑)
ちょっとアホらしくなったので、修理工場を出るときに電話するから、集合場所を決めておけ、と言い残して、オレとatricotさんは修理工場に向かったわけです。
もちろん、見たいライブは目白押しですけど。。。第一、フジロックが開幕して4時間以上経ってますけど、まだ加藤登紀子を4曲聴いただけですわ。
あ、おもろい話を忘れてました!
atricotさんのお父上が彼女の口座に修理代として5万円を取り急ぎ振り込んでくれたんですが、彼女、コンビニのATMでいそいそとそれを引き出しにいったはいいものの、「お取り扱い出来ません」てメッセージが画面に出て、オレんところに、泣きそうな顔してやってきました。口座に5万円入ってるのに出されへん!って。半分、パニックになってます!
んで、オレが見にいったんですが、出されへんはずですわ。だって、口座に5万円と数十円しか入ってないのに、5万円引き出そうとしてるんやもん!手数料分が足らんから、そら、出されへんよ(笑) 入金前の自分の口座に数十円しか入っていなかったというのもどうかと思いますが、引き出し手数料をまったく頭に入れてないとは…。4万9千円やったら出せるから、出しておいで、って進言すると、ホッとした顔して、いそいそと出してはりましたわ(笑) あの調子やと、オレがおらんかったら1円も出されへんかったやろうな。atricotさん、感謝の気持ちを込めて、オレに半分寄越しなさい(笑)
閑話休題。。。
修理も無事に済み、車も引き上げ、こっからまた小1時間かけて、フジロック会場に向かって車を走らせたわけです。ほいで、マイク&マーリンに電話。集合場所は決まったかいな、と。
そしたら、ホワイトステージにいてる、と。
? こいつら、アホとちゃうやろか? ホワイトステージというのは、フジにあるステージのなかでも2番目に広いところで、何千人と人が集まってる場所です。そこで、どないして落ち合うんや?
あ・の・な、そんなところでどないして会うねん? ちゃんと会える場所を決めて、もっかい電話して来い!と、軽くイライラしながら、一旦電話を切りました。
たぶんね、ホワイトステージで見たいライブがあるんですよ。そこを離れたくないから、そこに来て探せ、と、こう言ってるんですわ。ったく、誰のために車を取りにいってるんだか。。。
それから、待てど暮らせど、電話がかかってきません。
痺れを切らしてこっちから電話したら、マイク&マーリンが持ってるドコモの携帯は、パンク状態です。オレのauは平気やったんですけど、ドコモはパンクしたみたいですね。
まあ、携帯が使えんのやったら、ホテルにでも行って、公衆電話使うとか、いろいろ方法はあります。
でも、連絡なし。こっちも、そうこうするうちに、会場近くの駐車場に到着ですわ。しゃーないから、駐車場の空いてるところに車を停めて、荷物を出して、会場に向かいましたよ。
駐車場からホワイトステージまで、歩いて30分強(笑) フジは、なんせ歩きますな。。オレ、5月に捻挫した右足首がまだ完治してないんですけどね(笑)
山道を、林のなかを、屋台の群れのなかを、縫って歩いていると、遠くから近くから、音楽が聞こえてくるんですよ。山んなかで、歩いてると、どっからともなく、音楽が、生音が聞こえてくる。。いいじゃないですか。大自然のなかでフェスを満喫するって、こういうことですよね。
でも、こっちは荷物持ってるし、これからマイク&マーリンを探して彷徨わなあかんのかと思うと、そんな余裕もありませんでしたわ。
んで、とりあえずホワイトステージに行ってみると、バリバリにダブのかかったかっちょいいレゲエをやっているのですよ! ああ、観たい観たい観たい! でも、マイク&マーリンを見つけんと、どないもならん!ってかんじで。。それにしても、こんな人混みのなかで、どうやって見つけ出すんや?
と、思いきや、いち早く、atricotさんが、マイク&マーリンを発見! 奇跡ですw
でもなでもなでもな、あいつら、踊ってるんですわ。。 ステージ見て、踊ってやがるんですよ!
ここで、オレ、ひっさしぶりにぶち切れましたね。一瞬でぶち切れましたわ。
手に持っていた緑茶のペットボトルで、2人の頭、どついてやりました。
おまえらなあ、電話して来いて言うたやろっ!
「したしたした! でも、ドコモがパンクしてて電話が通じへんかってん。。」
あのな、おまえらが行ってもいいところを、オレとatricotが車引き取りにいってるんやで。ほいで、荷物も持ってるんやで。遊びに行ってるんとちゃうんやからな、携帯がパンクしてるんやったら公衆電話使うとか、auやボーダフォンの携帯持ってる人に100円わたして借りるとか、なんぼでも方法があるやろ。ホワイトステージの入口で待ってるってやりかたもあるやろ。
ただただ、自分の携帯がパンクしたからって、それで諦めて踊ってたら、オレらに探せということかいな?
ワタクシ、あまりの剣幕で怒ったので、一応は、すいませんでしたって謝ってたけど、ふてくされた顔してましたわ。
オレはかまへんのよ。運転してない人やから、体力は残ってますわ。フジも初参加やから、そんなに思い入れもないですわ。でも、atricotさんは、違う。ずーっと運転してきてるし、毎年、フジで盆と正月を迎えてるような人やのに、事故処理ばっかりに追われて、ちっともライブ観れずですわ。。ほいで、方や、事故処理を押しつけて存分にライブ見まくって平気な人がいるて…。
ほいで、オレに怒られて、ふて腐れてるの。。
なんかね、アホらしくなってきましたよ、オレ。
とりあえず、荷物の置き場所決めて、車を停めた場所も教えて、こっからは会場内は別行動ですわ。こんな連中と一緒にいても、おもんない。
オレ、マイミクさんのIZUMIXさんと会場で落ち合う予定で、連絡もとってたけど、これから見たいライブやらのことも考えてたら、ちょっと会う時間がなくなってきました。
この3日間で、なんとか会えたらいいんだけど。。
それにしても、全然フジロックの日記になってませんな(笑)
大丈夫☆ 次日記こそ、フジロックに専念します☆
乞うご期待を☆