2007年5月19日土曜日

寧楊さん、オバァになる

行ってきましたですよ、マイミクさんの寧楊さんが出演する、チームKGBの『お通夜ミュージカル 遺産☆相続&ファイアー ~八尾のスナック殺人事件』。

千日前のTORII HALL(そんなホールがあるなんて知らなかったけれども)でやるってことだから、相方さん連れて、若かりしころのオレが通いまくった天丼の店(←店名です)でお昼→オレの昼寝スポットのひとつでもある大阪で最古の喫茶店、丸福珈琲で食後のコーヒー→TORII HALLで芝居鑑賞って流れで。

まず、天丼の店

店名のまんま、メニューは天丼と赤出ししかないお店で、カウンターの6席しかイスに座り、黙ってれば天丼が出てき、赤出しと言えば、天丼と赤出しが出てくるだけのお店です。
オヤジさんとオバァとその息子さんの3人でやってはるお店で、注文が入ると、息子さんが丼にゴハンをよそい、オヤジさんがエビを2匹、カラッと揚げはじめます。揚がったら、オヤジさんが丼ゴハンのうえにエビ2匹と海苔の天ぷらを乗せ、息子さんがツユをかける。ツユをかけるとき、ジューって音がするのが、これまた食欲をそそるんですね。これにお新香がついて、600円。赤出しは50円。オバァは洗い専門。完全分業制の、流れるような仕事が堪能出来ますわ。

カウンター6席しかないから、空いた席から次々と座っていかなアカンわけで、カップルで仲よく並んで、なんて言ってられないんですが、オレと相方さんは2時くらいに行きましたから、6席ともガラガラ。
オレも久しぶりに食べたんですが、ちょい濃いめのシルが美味いし、天ぷらはカラッと揚がってるし、エビはプリッとしてるし、またゴハンが美味いし、意外と量も多いし、タンノーしましたですな。

昼飯どきやと、店の外に行列が出来てるんですが、所要時間10~15分やし、すぐに入れます。

そのあとは、丸福珈琲の本店へ。

ここ、大阪で一番古い喫茶店なんですが、オレの母方の亡くなったじいちゃんは丸福珈琲よりも古くから喫茶店をやっていて、丸福珈琲にコーヒーの味を教えたのはワシや、と、生前、よく言ってました。
たしかに、じいちゃんのコーヒーも丸福のコーヒーも、メチャクチャ濃いんですが、教えたんはワシや!とか言われてもなにがほんまなんかはオレにはわかる由もなく、しかもじいちゃんの喫茶店は今やからしょぼいカラオケ喫茶となり、丸福珈琲は、今や全国に11店舗を構える発展ぶりですからね。

店内にほのかにクラシックが流れ、接客もしっかりした、品のいい喫茶店なのですよ。
むかしの、船場のボンとかが、よく通ったんでしょうな。
ほいで、コーヒーがメチャクチャ濃いんです。角砂糖が2個ついてきますからね。
普段はブラック塔の相方さんも、さすがに砂糖&フレッシュを入れて飲んでましたが、そう、ここの珈琲は砂糖&フレッシュを入れて飲んで、初めて美味しく飲めるようにつくってあるんです。



えーっと、寧楊さんの舞台を見にいった話がメインなんで、前置きはこれくらいにして、そっちにいきます。このままやと、千日前ガイドになってしまいますな(笑)

『お通夜ミュージカル 遺産☆相続&ファイアー ~八尾のスナック殺人事件』はどんなお話かと言いますとですな、サイトのリードから抜粋すると、

Y・A・O。俺達の街、八尾。
場末のスナックで繰り広げられる爆笑ドロドロ愛憎推理劇!
『疲れた。生きていくのに疲れちゃったのよ。でも、アタシが死んでも悲しまないで。
お通夜の日も、店で飲んで唄って馬鹿騒ぎしてよね』
八尾にあるスナック・オムライス(メニューにオムライスはナシ)のママが遺書を残して自殺した。
お通夜にオムライスに集まる常連客たち。
悲しみながらも笑顔で酒をくみ交わす中、
一人の客のケータイに死んだはずのママからメールが入る。
『私は殺された』

と。

芝居のタイトル名にある通り、ミュージカル仕立てなんですが、全編、流行歌の替え歌になっとりまして(どーりで、よくカラオケボックスで稽古してたはずや!)ですな、その歌詞が抱腹絶倒なのですよ。
んで、自殺に見せかけて殺されたオムライスのママを殺した犯人は誰や?というサスペンスもので、寧楊さんの役どころは、ママのお母さん役(オバァ役?)。スナックの改装費諸々で我が子のママに2000万円を貸しており、肉親でもカネはべつ!とばかりに、ホステスの前借り分、常連客のツケから貸金を回収しようと、通夜の席に現れるんですわ。
なかなかオイシイ役をもらってます☆

オレは最初、このオバァが寧楊さんやとは、わからんかったんですよ。
それくらい、役にのめり込んでましたな。肉体的にもしんどい演技をしていたと思うし(ふくらはぎの筋肉をしっかり確認!)、肉体を使って演じることに歓びを感じている寧楊さんを見て、またひとつの作品をみんなでつくりあげていくことに歓びを感じている寧楊さん(パラパラ、ウェディング姿がgood!)を見て、いろいろあっただろうけれども、好きなことをやっててよかったやん!って思いましたわ。

寧楊さん…、その年齢までさ、好きなことをやってこられるって、すんごい幸せなことやと、オレは思いますよ☆
ほいで、好きなこと、やりたいことをやり続けている人って、オレはやっぱ、尊敬しますわ。

一応、演出らしきことをやってきた経験もあるので、芝居の寸評も書いておきましょうか。

結論からいうと、今回の芝居は、アウトです。

脚本はよく出来てると思いますが(あれだけの替え歌をつくるのは大変ですな!)、役者がね。下手な役者が多すぎます。
オレは、最近の小劇団の状況って全然知らないんだけれども、もしかして、出演者の半数以上が新人さんですか?
上手い人と下手な人の落差が大きくて、しかも下手な人のほうが多かったから、ちょっとしんどいところがありましたな。
そのなかで、寧楊さんのさすがの上手さが際立ったのは救いでしたが。
演じている寧楊さんをナマで見るのは初めてでしたが、やっぱ、上手いですな☆

練習してどうにかなる部分、練習してもどうにもならんやろと思わせる部分、いっぱいありました。

チアガールのチアー、みなさんの替え歌、もっと練習せんとあきまへん。あれではゼニはとれません。替え歌とチアーは、思いっきり上手くないと、しんどいですわ。
鯖クンは、とちりすぎました。
脚本は、最後の犯人がわかって以降、もいっかい練り直す必要がありますな。

練習してどうにかなるんかいな、と思うのは、下手な人たちの、間のとりかたです。
ちゃんとした間がとれていないから、芝居がダレます。

だから、鯖クンの前説が終わって、幕が開いてからのしばらくは、しんどかったですよ。
そこへオバァが登場して、あ、この人は上手いな!って、思ったもんです。
そのオバァが寧楊さんやとわかるのは、ずーっとあとになってからのことなんですがね(笑)

そう考えるとですな、あっちこっち巡業して(するのかしないのか知らないけど…)、芝居がこなれてきてから、もっかい見たいですな。
元気をもらえる芝居だけに、完成度を上げてもらって、もっぺん見たいなっ☆

0 件のコメント: