2007年5月23日水曜日

梨木神社と廬山寺に行く

今日は、京都に行く用事があり、少し時間がとれたので、久しぶりに京都神社仏閣巡りを敢行したのでした。

ただし、相方さんは時間がとれなかったので、久しぶりに、オレ単独で。
なんだかんだで、新規開拓って3月以来です。
せっかくいい気候になってきたの、全然行けてないんですよね~。

行ってきたのは、御所のすぐ東にある梨木神社と廬山寺。

まずは、梨木神社から。



御所に寄り添うようにひっそりと建っている神社なんですが、萩と紅葉が生い茂っていて、なかなか趣のある神社ですわ。
最初の鳥居からかなり長く参道が続いていて、なんだかウナギの寝床のような神社というか、京風にいうと、町家風な神社(笑)
エラいこと趣があるし、御所横にあるので古い神社なのかなと思ったら、そうでもなくて、創建は明治18年とのことです。
明治維新の功労者として知られる、三条実万.実美父子を祀る神社でして、三条家の旧邸を…、と、まあ縁起はgoogleで検索すればなんぼでも出てくるのでそれは省略するとして、この神社の見どころは、水!です。




ここの井戸水がね、美味いんですよ~。
柔らかくて甘くてね、いいかんじで冷えてるんですが、角も棘もない、まろやかな水ですわ。
この水は、「染井(そめのい)の名水」と呼ばれていて、京都の三名水のひとつなんですが、ほかの醒ヶ井の水と県井の水は枯れてしまってますから、京都に現存する唯一の名水ということになります。
今日みたいな暑い日に飲むと、美味さ倍増☆ 今日行って、よかったです。

しばらく眺めていると、ペットボトルやらポリタンクやらを持参して、この水を汲んでいく人があとを絶ちません。
無料、なんですよ。
無料で、汲んでかえっていいんです。
井戸の傍には、「水汲みは1回につき5リットルまでに」と書かれた立て看板があるんですが、5リットルって太っ腹ですよね。1リットルのペットボトルが5本だもんね。きっと、料亭なんかも使ってると思うんですが、歩いてきてる人が多いところを見ると、近所の人が普段使いに利用してるんだと思います。
歩いていける場所に、こんな名水がタダで手に入るって、すごく贅沢ですね。





で、この染井の水を堪能して、次は廬山寺に。

廬山寺。正式名称を、慮山天台講寺準門跡といいます。
ということは、天台宗のお寺さんで、門跡だから、皇族の誰かが出家して住職を務めるお寺さんということになるのですが、準って、なんでしょうね? 謎です。

謎ですが、わかっていることは、このお寺さんはもともとが紫式部の邸宅であり、源氏物語のほとんどがここで執筆された、ということです。
源氏物語ファンは、一度は訪れなければならないお寺さんですな。まあ、オレは特に源氏物語ファンというわけではありませんが。。。
それはさておき、ということはですな、ここは世界最古の小説が生まれた場所ということになりますね。


山門をくぐるとすぐに本殿があるのですが、本殿の屋根の角度が、いいかんじです。平安期の寺社建築によく見られる、急勾配のカーブが威厳を醸し出していて、本殿前両サイドに笹がしつらえられているのが、なかなか端正です。
境内は大きすぎず小さすぎずで、オレの好きなサイズなのも、気に入りました。

境内は土ではなく砂利が敷きつめられているんですが、本殿を右にまわると、砂利面に唐突に松が植えられていて、なんだかモダンです。
威厳もあるし、端正だし、雅やかですらあるんですが、このお寺さんのたたずまいは、ひとことでいえば、モダンですね。
本殿の玄関口から中をのぞくと、モダンな雰囲気は一層濃くなります。
余計なものが削がれ、洗練され、デザイン化され、モダンを醸し出しています。




そういう予感は導入部からゾクゾクするくらいにあったのですが、本殿を抜けて庭に出ると、その予感は確信に変わりました。
なんとね、重森三玲を思わせるモダンな庭ですよ。
河に見立てた白砂のなかに点在する、苔でしつらえられた中州というか島。。
曲線が大胆に使われていて、非常にモダンかつ、女性的、かつ、雅やかです。ハッとするような驚きがありますよ、この庭には。
苔の島に植わっているのは、桔梗です。この庭、夏に訪れたら、桔梗の紫がぼんぼりのように咲き誇って、とっても雅な趣きになるんだと思います。そのさまを想像すると、この庭全体が、平鉢に生けた生け花のように思えます。生け花というか、一幅の絵というか…。
夏、そのさまを見に、もっかい来たい庭ですね。
ちなみに、この庭は、「源氏庭」と呼ばれ、源氏物語に出てくる朝顔が、今でいうところの桔梗なので、この庭には桔梗が植えられているのだとか。



さらに、観光コースからは外れているので、うるさいおしゃべりに邪魔されることなく、庭を独り占めしてきましたですよ。小1時間ばかり、横になってうたた寝しながら庭を観賞しておりました。
これがあるから、お寺さん巡りは、やめられませんな☆

さて、本堂に目を転じると、さすがに紫式部が源氏物語を執筆したその場所だけあって、源氏物語絵巻の現物が展示してありましたよ。国宝です。
国宝ですが、物々しく展示してあるのではなく、本堂のなかの部屋に、ガラスケースに入れて飾ってあります。フラッシュ焚かないなら撮影してもよろし、と、太っ腹な許可もいただき、ポチッと撮影してきました。
ただ、どの巻の絵巻だったか、メモした紙をなくしてしまって…。
なんだったかな?(笑)

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