2007年10月5日金曜日

グチ




久しぶりに相方さんの話。

ニットデザイナーの相方さんは毛糸屋さんに勤めているのですが、なかなか大変みたいですな。

新人店長さんのAさん、その下のBさん、そして相方さんと続くわけですが、Aさんが新人店長さんだということもあって、いっぱいいっぱいらしく、その余波をモロに被っているようです。

Aさん、なんでもかんでも自分で抱え込んでしまって、部下にも気を使って、それで疲れ切っちゃってるみたい。

まあ、誰かの下について仕事が出来るのと、人を使うのとでは、求められるスキルが違いますから、最初のうちは仕方がないでしょうね。

でね、それを見かねて、Bさんが、A店長にいろいろと進言するわけです。
Bさんも、A店長を慮ってのこと。
ところが、です。A店長もキャパいっぱいだから、Bさんの進言を素直に聞く余裕がないのか、あるいはBさんの言いかたがキツいのか、とにかくですな、おたがい、仲は悪くないらしいのですが、今は、ギクシャクしてるみたいである、と。

で、BさんからA店長に進言すると上手くいかないから、Bさんは、今度は相方さんに愚痴るわけです。
A店長は、ここがしんどそうだから、こうしたほうがいいと思うんだよね~、あなたはどう思う?
私の言いかたがまずいのかもしれないけれども、A店長は聞いてくれないから、あなたからそれとなく言ってくれない?
などなど。

一方で、A店長は、相方さんをつかまえて、最近のBさんはなにを考えているのかよくわからない…、みたいなことをね、言うらしいです。

相方さん、両方から愚痴られて、板挟みになってる模様。で、しんどい、と。

オレは以前、相方さんに、人にまつわるグチの話に絶対参加しちゃダメだよ!と、釘を刺しました。

相方さんは、わかった!って言ってたけど、やっぱりわかってないんだな。

いや、お店の運営をよくしようという話だから、その話はいいんじゃないの!と。

ダメですね。それは、全員が集まって、全員ですべきことで、いないところでする話では、ないのです。

あの人、仕事が出来ないくせにエラそーにばっかりしてる、むかつく!
あの人、上にばっかりいい顔して、下の人間の気持ちなんてなんとも思ってない、むかつく!

そればっかりがグチではないのですね。
Aさんのいないところで、Aさんがこうしてくれたらもっとスムーズに仕事が進むのに!なんてのもね、じつはグチなのですよ。

仕事は、徹底的に外を向いてするものであって、つまりお客さんのほうを向いてするものであって、内に向いて仕事をしては、絶対にイカンのです。それはすべて、グチです。ましてや、当人がいてないところで当人の評価にかかわる話をするのは、どこでどう話が曲がって当人に伝わるやもしれず、そんなことの処理に追われるのは、不毛です。

だから、全員が集まったところで、その話をやれ、と。
全員が集まった場所で話して初めて、その話は生きます。それ以外の場所でいくら話しても、その話は生きません。
仕事上では、生きない話は、すべてグチです。

だから、Aさんがこうしてくれたらもっとスムーズに仕事が進むのに!なんて話は、全員が集まる場所、その話が生きる場所でケンケンガクガクやって、それ以外の時間は、ちゃんと外を向いて、お客さんのほうを向いて、仕事をしなさい、と。

自分が建設的な提案をしている気になっているだけに、このことは、わりと陥りやすい罠です。
でもね、どれほど建設的であっても、その話が生きる場でなされていない以上は、それはグチの類いなんです。生きる場で、該当者が集まった場で持ち出して、その話は初めて生きます。そのとき初めて、それは、お客さんのためになります。

徹底的にお客さんのほうを向いて仕事をしなさい、それに徹しなさい、と、自分にも言い聞かせているし、相方さんにも、そう言ってます。
で、相方さんは、わかった!というんですが、やっぱり、そのことの意味を本当に理解するのは、なかなか難しいですね。
いちいち、これはお客さんのためになっているのか、ということを考えなければダメなのですが、そういう癖がついていないから、自分がやっていることの意義が、わからんまま仕事をしてしまってます。

そして相方さん、まだ歯向かう。

でも、AさんもBさんも、本当はそういうことを言う人じゃなくて、お客さんのことを考えて仕事をする人なんだよ、と。

仕事が問題なくスムーズに進んでいるときは、きっとそうなのでしょう。

でも、ひとたび問題が持ち上がったとき、その原因を、お客さんのためになっているのか/なっていないのか、の、基準で考えて対処するか、あるいは誰かに原因を持っていって解決出来ない場所であーだこーだ言うか、大抵はこのふたつにわかれるのですが、後者にコトが進んでしまうとね、問題は絶対に解決しません。といって、前者を選択出来る人というのは、じつは少なくてね。
エラそうな物言いをすると、前者を選択出来る人は、オレの見立てで、従業員のなかに2割いたら御の字です。
人は組織にいてると、それほどまでに人の話が好きです。そこに流れていきがちです。
だからこそね、そのことを肝に銘じて、常に、絶対に、なにがあっても、外を、お客さんのほうを向いて仕事をしろ!と、自分に言い聞かせ続けないとダメなのですよ。

相方さんは、組織のなかで仕事をする経験がまだ浅いので、これからですね。
今は、いい試練です。今回のことではほとほと疲れているようで、そのことが身にしみただけでも、いい教訓になっているはずです。


という話。
自戒を込めて。


あ、例によって、相方さんの宣伝です。
相方さんのサイトはこちら。(最近、更新してないっ)

相方さんの管理コミュ、「knit net cafe」

ニットに興味がある方は、ぜひ☆

私信)
黄河一号さん、コミュ入会ありがとうございます☆ 全然気づいてませんでした。
しかし、なぜにニットのコミュへ?(笑)

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