2007年10月23日火曜日

汗をかく

素直に表に出していい話なのかどうかわからないので(きっと大丈夫だとは思うのですが、念のため)、仮名で話しますが、すこしまえに、こんなことがありました。

某マイミクさん、マダム・マーさん(仮名。笑)が、以下のような日記を書いたのでした。

娘さんが大学のグリークラブに所属していて、12月に開催される定期演奏会のパンフレットに載せる広告をとることになったのでした。これもいい経験だ、頑張れ、娘よ! という内容の日記。

広告屋としては、黙ってスルーするわけにはいきませんから(笑) ちょこちょことアドバイスめいたことを、頼まれもしないのに、ええかっこして書いたわけです。

この手の広告は、効果がまず期待出来ません。
大学の近所のカフェがそこに広告を出したところで、きっと大きな集客には繋がらないだろうし、また、費用対効果の面で納得させられるだけのデータも、持っていないでしょう。
ですから、売り手と買い手がハッピーになるビジネスではなくて、これは、一方的な取引のお願いになります。

お付き合い、寄付みたいなもんです。
ですから、マダム・マーさん(仮名。笑)の娘さんは、徒手空拳で、それこそなんの武器も持たずに、広告掲載のお願いにまわらねばならんわけですね。

こうなると、本人の人間性、やる気、誠意…、そんなもんだけしか、拠って立つところはないわけです。

なので、そうしたものを相手に見せる方策をアドバイスして差し上げたのですがね。

1)婦女子さんのお願いはそれだけで男よりもアドバンテージがあるけれども、念押しで、クッキーでも焼いて持っていくといいのでは。。。

2)営業先のお店や団体のことを事前に勉強して、広告を取りにきただけじゃなくて、そのお店や団体に興味があるところを示す。

3)断られても諦めずに、日を置いて、再度お願いにあがる。


ざくっと書くと、そんなところです。
この3つに共通しているところは、ご本人が汗をかきなさい!ということです。

クッキーなんか焼かなくてもいいし、事前に勉強しなくてもいいし、断られたところはそれで諦めても、誰も文句はいわないと思います。
広告とりにいったけど、ダメだったね~、で、終わりです。

でもそれだと、広告の枠が用意されていて、営業先のリストは代々からのものがあって、それらを手渡されて順番にまわってきな!って、言われたことをやってるだけ。
リストを上から順番にまわっただけのことで、言われたことをやっただけで、当人は、知恵も出してないし、汗もかいてないわけです。

それは、仕事でもなんでもなくて、ただの奴隷です。

言われてないけれども、なにかいい方法はないかと自分で考えて、自分が汗をかくことで出来ることがあるのなら、それをやってみる。そうじゃないと仕事なんて、おもしろくもなんともないです。
オレは自由を愛する人間だけれども、それが自由ってもんじゃないですか。言われたことしかしちゃいけないのなら、オレには無理だな(笑)

若い娘さんが汗をかいていたら、悪い気がする人はいないですよ。
少なくとも、好意を持ってもらえる可能性は高まります。そこからですね。そこが、スタート地点。
広告を出してもらう、人様からおカネをいただくというのは並大抵のことじゃないけれども、ましてや今回のケースは、寄付、お付き合いみたいなもんですから、その人の人間性にかかってるわけじゃないですか。

オレがアドバイスして差し上げたのは、汗をかくことというよりも、汗をかいていることを相手にアピールするための方策という、どちらかというと小手先のテクニックで、大前提として、汗をかかなければどうもならんわけです。

もちろん、世のなかというのは理不尽なことがたくさんあって、それで成り立っているのだから、汗をいっぱいかいてもダメなときはダメだし、心ないことも言われます。
学生さんだから、心ないことを言われたら、めげるでしょうね。そういう耐久性が身についていなくて当然の年代ですから、傷を負うこともあるかと思います。
でも、世のなかとはそういうものなのだよ、ということがその年代でわかればね、その傷も、あとで生きてきますから。


昨日、ご丁寧に、マダム・マーさん(仮名。笑)の娘さんからメッセが来まして、
おかげさまで広告がとれました!と。

こうしてご報告してくれるって、嬉しいですね。
最初に図々しくアドバイスして差し上げたときもお礼のコメントをいただいたし、きっと、マダム・マーさん(仮名。笑)の躾が素晴らしいんでしょうね。大きなお世話だ!って言われそうだけれども、そう思います。

これもまた汗をかくことですね。mixiででもリアルででもお付き合いのない娘さんが、こうしてご報告してくれる、汗をかいてくれることで、ご当人に対する好感度は上がっていきますし、ひいては、マダム・マーさん(仮名。笑)の株が上がるわけです。
いや、よく出来た娘さんですよ。これまた、大きなお世話だ!って言われそうだけれども(笑)

もうおわかりだと思うんですが、広告がとれたのは、オレのアドバイスがどうということではなくて、ご本人がちゃんと汗をかかれたからです。
きっと、ご苦労もいっぱいあっただろうけれども、そういうことは書かずに、広告がとれました!って報告で、オレを喜ばせてくれるんですね。嬉しかったなあ。

最近、そういう若い人が減ってきている印象をすごく感じるので、こういうことに触れてね、ちょっと心があったかくなりました。

いい話でしょ♪
いい娘さんでしょ♪

オレは、汗をかく人が、大好きです☆

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