2007年9月9日日曜日

風の子血風録




のび太はしずかちゃんと、中学3年のときにおなじクラスで知り合い、仲よくなりました。
奇しくも2人はおなじ誕生日で、そのことは特に関係ないのですが、おなじ高校に進学し、進学と同時につきあいはじめたのでした。
しずかちゃんはエラいこと勉強が出来て、一方でのび太は授業はボイコットするわ、劇団の脚本書きにのめり込んでいくわ、おっかさんのためならエ~ンヤトットのノリでドカチンのバイト三昧の日々で、素行はまったくよろしくなく…。
それでも2人は仲よしで、上手くやっていました。
2人して大学に進んだのはいいものの、のび太は3ヶ月ほどで放校処分となり、そのままストリップ小屋のボウヤを経て、コピーライターに転身。華麗なんだかバカなんだかわからんようなキャリアを積みはじめるのですが、しずかちゃんは粛々と勉学に勤しみ、そのまま薬剤師さんの道へと。はい、頭の出来がのび太とはまるっきり違うんですね。
まあ、それでも、このころになると、この2人はゆくゆくは結婚するのだろうなと、周囲の誰もが思うほどの自然なおつきあいを続けていたのですが、のび太がいきなり旅に出ると言い出し、そっから雲行きが怪しくなります。
なんせ、旅に出たっきり約3年、たまに手紙を出すだけですからね。まだ、ネットもメールもスカイプもない時代だし。。
しかもだ! のび太、旅先で出会った婦女子さんと恋に落ちて、そのまま結婚してしまったのですね。のび太、風任せですからね~♪
それから帰国してですな、しずかちゃんのところに挨拶に行くわけですが、いうまでもなく、しずかちゃん、大激怒ですよ。
もうね、刃物はバンバン飛び交うわの、大スペクタル修羅場☆ のび太、平謝りまくりでして…。そんなことで許してもらえるようなもんでもないような気が、今にして思えばしないでもないんですが、まあ、2夜3夜続いた嵐もいつしか終息し、最後に別れの一発!って妙なことになり、その別れの一発!ってのが、これまたどえらい騒ぎのはじまりでして、えーっと、大アタリとなってしまいましてですな…。で、生む!と。
う、う、生みはるんですか????
こうして、のび太は、新婚早々から別宅にお子を持つハメになり…。

はい。何人かのマイミクさんには話したことがあるのですが、で、誰に話したのかもよく覚えてませんが、お察しの通り、のび太はオレですね。
その後、嫁さんは天に召され、オレは今の相方さんと出会い…、という話は一昨年の誕生日日記に書きましたから、ここでは繰り返しませんが。

ガキんちょの名前は、風太。
こんな子になってほしい!なんて親の思いを込めて名付けるのは気持ち悪いので、風の強い日に生まれたから、風太。(ちなみに、名前というのは姓と名と組み合わせたフルネームでちゃんと意味があるものにすべし、と、おおむかしの偉いさんは書いてますが、んなこと言われてもなあ…。)

そっから3年、オレは、嫁さんに隠れてですな、養育費を捻出し、子育てを手伝い、ときにはお子を背たろうて仕事に出かけ、育児ノイローゼにこそなりませんでしたが、どーにかこーにか、玉の男のお子を育ててきたわけですよ。
や、ガキなんて、ほったらかしにしておいても勝手に育つから、特になにもしてませんが…(笑)

生まれてから3年後に、しずかちゃんが結婚しまして、オレは養育から手を引いたんですが、その後も向こうの家族との交流は続いていきます。つか、一応、父親なので。

おまえは父親が2人もいてラッキーやな!と、オレは言ってます。
そのへん、上手いこと使い分けているみたいで、向こうに言えないような相談事をオレんところに持ってきたりしてますわ。
恋愛相談とか、性の悩みとか(笑)
んなもん、恋愛なんてのはオレだって現役なのだから、相談されても困るので、一緒になって悩むんですけどね。オレだって、自分の恋愛関係でいっぱいいっぱいなのに!

もうね、滅多に連絡なんてしてこなくなったけれども、してくるときはいっつも、ロクでもないややこしいことばっかりですよ。

たまに、向こうの親が言うこととオレの言うことが正反対で、どっちの言うことを聞いていいのかわからん!とか文句を言うんですが、んなもんね、みんないろんなことを言うのが世のなかなのだから、どの意見が自分にとって有益なのかは自分で判断しないと、こんだけ情報が溢れている社会では生きていけんよ、と。第一、世のなかには、正解が1個しかない問題なんて、ほとんどないのよ。

いつぞや、レコードを万引きして警察にパクられまして、そんとき、向こうの親が両方とも引き取りにいけない状況で、オレが代わりに身柄を引き取りにいったことがありました。
そういう点でも、父親が2人いて、ラッキー☆
まあ、見つかるようなどんくさい万引きはするな!と、オレにメチャクチャ怒られましたが。
万引きなんざ、するな!とわざわざ言わなくても、そんなもんは放っておいても年齢を重ねればしなくなりますから、そんなことはどうでもよくて、要領悪いことやってるほうが、はるかに問題で。
誰かが、万引きは悪いことだからするな!と教えたら、べつの誰かは、もっと要領いいことを考えろ!と教えておけばいいじゃないですか。

さて、その風太クン、来春に高校を卒業するんですが(卒業出来るのか?)、この夏ですな、めでたく就職が決まりましたですよ。
ハワイイの寿司屋さんに就職するんだって。

あ、ハワイとか言われているカタカナは、原文ではHawai'iと表記しますから、これはどう考えても、日本語表記するときは「ハワイイ」。ハワイイ文化に深く潜り込んでる池澤夏樹など、意識的な人はハワイイって書くし、オレも、頑にハワイイです。
このこだわりをご存知なのは、もはやともりんさんだけだと思うのですが(忘れてるかもしれないけれども…)、オレはこだわりますよ(笑) tomatoを「トメェイトォ」と書くのとは、わけが違いますから。メリケン粉をアメリカン粉と書くのとも、わけが違いますから。でも、Googleで「ハワイイ」と検索すると、いっぱい出てくるのは、ちょっと嬉しいです☆

ま、ハワイイの講釈はさておき…、
なんかね、家族旅行でハワイイに行って、オレはまったく知らんのですが、現地のわりと名の知れた寿司屋のオヤジと仲よくなって、ハワイイで寿司職人をやりたくなったんだとか。で、直談判して、就職内定。
道で、誰ぞと目があった瞬間に拳を出してるようなイケイケの突貫小僧なので直談判は得意なんだろうけれども、料理なんて出来たかな?
いや、就職するまえから出来なくてもいいけれども、そもそも料理に興味なんてあったのか?(笑)

きっと、寿司よりも、ハワイイに惹かれたんだろな。

まあ、オレから見ても、上出来の選択です。
日本の大学に行くと言えばオレは身体を張って止めたかもしれませんが(今、一番将来を見据えない選択は、日本の大学に進学することですね)、幸い、そんな惚けたことを言うこともなく、ハワイイで寿司職人☆
今からバイト三昧で渡航費用をつくるらしいですわ。

なんにしても、やりたいことを見つけて、とっととそれに向かってコトを進めるのはいいことですよ。
やりたいことをやってるうちは、顔に恥の色が出ないし、やりたいことやるのは、成功しても失敗しても、血にも肉にもなりますから。

両親は、寿司職人なら日本の寿司屋で修行するほうがいいんじゃないの?と言ったらしいんですが、日本の寿司屋とハワイイの寿司屋は違うよ~、ってオレが言ったら、断然、目が輝いちゃって(笑)
や、本当はハワイイにはオレは行ったことがないし、オレが知ってるのはアメリカ本土の寿司屋でして、そちらの寿司屋は、味がどうこうと言うよりも、板場ひとつとっても見せる工夫がしてあるような、演出のほうに重きを置いているのが、アメリカの寿司屋なので、ハワイイも似たようなもんやろうと(笑)

なんか、その寿司屋さんをオレの目で見てほしいって、両親に言われたんだけれども、両親とも見てるし、オレまで見る必要はないでしょ!ってことで、それは丁重にお断り。
第一、やつの人生なんで、どうなろうと、オレは知ったこっちゃありません。親が子にしてあげられることなんて、知れてます。オレは、18にもなった子になにかをしてあげられるほど自分がエラいとは、これっぽっちも思ってないですから。
2007年に18歳の人間のこれからの泳ぎかたをさ、感覚も常識もなにもかも違う2007年に40過ぎたオレが
ね、なにかを教えてあげられるわけなど、ないじゃないですか。

でも、一応は育ててやった恩があるはずなので、オレは、やつが働き出してからVIPとしてお店に招待していただくほうにまわります(笑)
そんときは、相方さんも一緒にね、ぜひ、招待してもらいたいもんですな。



そんなわけで、今日は極上のフラを☆
昨今、フラ教室が大流行りらしいですが、フラはもともと男だけが踊り、奏でるもんです。相撲と一緒で、女人禁制のもんです。こいつは、フラがフラだったころの、ライ・クーダーが鳥肌ミュージックと呼んだ、極上もんのネタです☆


本日の1枚:
『Cane Fire』
Peter Moon Band

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