2007年9月27日木曜日

なんの覚悟もないくせに!

鳩山邦夫クン、麻生太郎の総裁選対委員長をやったもんだから法務大臣の留任はないだろうと思って、ペラッと喋っちゃいましたな。

死刑執行のサインを法務大臣に一任するのではなく、自動的に執行出来るような仕組みが出来ないもんだろうか、と。あるいは乱数表を使って、だと?

もうね、こんな人間が閣僚にいるってことだけで、暗澹たる気持ちになります。

なんだって、こんなにも、人間の生命を軽々しく扱うことが出来るんでしょうかね。こんなね、人の命を左右する覚悟がない人間がね、法務大臣なんかになるんじゃないですよ! なんか知らん、めちゃくちゃ腹が立ちましたわ。

人が人を殺す、ということを、ちゃんと想像出来ないんでしょうね。バカですよ、バカ。
こんなやつがね、人の痛みを代弁する代議士をやってるんだから、ちゃんちゃらおかしいです。

死刑制度というのは、共同体を維持していくために設けられている、合法的な人殺しです。
民主的かつ厳粛な手続きを経て、こいつを生かしておいては共同体が激しく損なわれてしまう、という結論に達したときのみ、合法的に、殺してもいいという制度です。

人を殺す人間なんざ、いかなる場合であっても、死後は煉獄の炎に焼かれるしかないのだけれども、その覚悟がない人間がね、死刑執行命令書に署名するのかと思うと、ぞっとします。
国軍の最高責任者である総理大臣、死刑執行の最高責任者である法務大臣、このふたつの職に就く人間は、人殺しの汚名を着せられ、死後、煉獄の炎に焼かれることを覚悟しながらも、共同体のためにその職責を全うする、常人では背負いきれないような、その覚悟を背負ったね、崇高な人だけが就くことの出来る職のはずです。
それをね、自動処理だと? 乱数表だと? 覚悟もないのに、法務大臣なんて職に就くんじゃないよ!
自らの手が血で染まることを厭う人間なのだとしたら、即刻、辞任すべきです。

オレはね、死刑廃止論者です。

冤罪の可能性があった場合に取り返しがつかない、なんてことではなく。
人が人を殺す、という行為を職業として持つ人間が、自分の属する共同体に存在することを、許したくないからです。
自分が、その職に就きたくないからです。自分が倫理的にも生理的にも論理的にも就けないような職を、他人に就いてもらいたいとは、思わないからです。

それでもね、たとえば、山口県光市の母子殺人事件のような事件をつぶさに見ていると、こんなやつは死刑にするしかないじゃないか!とも、思います。
そうした事例に触れるにつけ、死刑は廃止すべきだと思う反面、廃止しちゃったら誰が遺族の無念を晴らすんだよ!と、割り切れない気分にもなります。
この事件のことが報道されるたび、オレは日記に書いてきましたが、そのたびごとにね、考えなんてまったくまとまらず、すっきりもせず、割り切れもせず、砂を噛むような気分になるんですよ。

死刑廃止論者だ!と言った尻から、その思いは揺らぎます。そんな簡単にどっちかに割り切れるようなものではない、と、砂を噛みつつ、それでもオレは、死刑は廃止すべきだ!と、かつがつ、言い続けています。

オレはね、殺しの命令書に署名する人間の気分が、せめて、砂を噛むような気分であってほしい、と、思っています。
そこから逃れて免罪符を得ようとするようななんの覚悟もないような人間は、法務大臣なんて職に就いてはいけません。
ベルトコンベアに乗せて、自動処理で殺しをやるなんて図は、合法であれ非合法であれ、地獄絵です。そんなものは、人間の所業には、あってはならんことです。

鳩山邦夫は、即刻辞任すべきです。



ったく、せっかくの観月日和なのに…。
せめて、観月気分の音楽だけでも。

本日の1枚:
『Harvest Moon』
Neil Young

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