2007年12月19日水曜日

ロンドン、パリ

右目がロンドン、左目がパリを見ている目の持ち主を、ロンパリと言いますな。
斜視というやつでして、よーするに、どこを見ているかわからん!というやつです。

オレは、斜視でしてね。ま、写真のようなかんじで、左目が外を向いてます。


中学のときに、
掃除せーよ! やなこった!
みたいなしょーもないケンカがもとで殴り合いになって、膝を左目にまともに食らいまして、眼底骨折、脳挫傷の一歩手前という、なかなかなやんちゃをしておったのですよ。7時間という、大手術でした。
んで、そんときに、左目がピョコっと外を向いてしまい、そんときから、斜視。

見るというメカニズムは、
目のまえにリンゴがあったとして、右目と左目とリンゴの3つの点を結ぶ二等辺三角形をつくって、その頂点で結ばれた情報を視神経を通じて脳に送り、脳内で像を結び、見るという行為が完結しているわけですが、斜視になるとね、右目と左目が同時にひとつのリンゴを見るということが出来ないのです。
つまり、右目と左目と対象物とで、三角形をつくることが出来んのですね。

右目と左目とで見ている場所が違うので、それぞれ違う情報が脳に送られてしまい、同時にふたつの違う景色を見ていることになってしまいます。
簡単にいうと、風景がダブって見える。ダブるといっても、乱視のように微妙にダブっているのではなくて、思いっきりダブってますから、輪郭がはっきりせんとかぼやけるとか、そういうのではなくて、思いっきり、めいっぱい、ダブってます。
下の図がそうです。
ダブらせへんためには、右目か左目かのどちらかだけで見れば、オッケーです。



常時こんなふうに見えると、ややこしくてかなわん!と思うかも知れませんけれども、人間の身体とは上手いこと出来てまして、そのうちにですな、片目をつぶらなくても、どっちかの景色が消えてくれるんですわ。意識したら両方の景色が出てきてダブるんですが、意識しなかったら、オレの場合、ケガした左目の景色は、消えてくれてます。

だから、通常、右目だけでモノを見ていることになり、そのぶん、右目は酷使、左目はまったく使わん、という状態になってますから、きっと、目にはよくないはずです。眼精疲労は、人一倍かもしれんのですが、視力は両目とも今もって1.5、遠視も近視も老眼もなく、眼精疲労の自覚症状もなく、特段の問題もないですねん(笑) まあ、頑丈に出来てるんでしょう。首から肩にかけては相変わらず電気は走ってますが、これはきっと違うところに原因があるだろうし。

ただし、片目で見てるので、遠近感は多少失ってるかも知れません。
でも、ボーリングだって平均スコア120以上は叩き出すし、卓球だって相方さんをこてんぱんにするし(まいった!とは、相方さんは絶対に言わんのですがね。笑)、ボールペンの蓋だってちゃんと被せられるし、これまた自覚症状はまったくなし(笑)

だから、生活に支障があるかといえば、特段、ないんですわ。
障害者手帳を持つか、と、言われたこともあるんですが、障害を本人が自覚していない以上、要らんでしょ。第一、こんなので障害者手帳なんて持たされたら、卓球でオレにこてんぱんにされている相方さんの立場がないではありませんか!
男前ランキングからは外れるかもしれんのですが、これ以上もてても困るしな(笑)

テリー伊藤が、同様に斜視でしたけれども、彼は最近、手術をして治しましたな。
オレもね、中学から高校にかけては、何度か手術をしたのですよ。やっぱ、親が必死になって治そうとしますからね。本人は、なんの支障もないんで、いたって気楽なもんですけど(笑)

黒目というのは、筋肉である白目が黒目を左右から引っ張ることで真ん中に来るようになってまして、目を右に動かすときは、白目の右の筋肉が頑張り、左に動かすときは、白目の左の筋肉が頑張っとります。
正面を見ているときは、白目が両サイドから均等に引っ張って、黒目が真ん中に来るようにしとります。
んで、斜視で、ニュートラルの状態のときに、黒目が左を向いているということは、白目の左側の筋肉が頑張りすぎてるんですわ。というか、白目の右側の筋肉の筋が何本か切れちゃってるから、黒目が左に寄ってしまうんですけど、それを是正するのには、白目の左側の頑張ってる筋肉の筋を何本か切ってやればいいわけです。原理は、至極簡単。

この手術をね、中学から高校にかけて3回やりましたな。
まずね、点眼の麻酔をします。これで目に対する痛みの感覚がなくなり、同時に、視界もぼやけます。
次に、本格的な麻酔を、白目にブチって注射するんですが、いくら視界がぼやけているとはいえ、なかなかの恐怖ですぜ、だんな(笑)
ほいで、麻酔が完了したところで、メスで、白目の筋を何本か切るんですが、これがね、めっちゃ適当なんですよ(笑)
これを何度か繰り返して、黒目が正しい位置に来るように、それこそ何度か手術をするんですが、いかんせん、目分量というか勘というか、とにかく適当なので、上手いこと決まらんのですわ(笑)
日帰りで出来る手術なんだけれども、手術したあと、麻酔が切れたらシクシクと痛いし、こんなん何度もするのはかなわん!ってことで、3回でやめちまいました。

担当医の名誉のために書いておくと、大阪大学医学部のなかなか評判の先生やったんですが(うちの母方の家系が、阪大病院医学部に絶大なコネを持ってますねん)、当時は、そんなもんやったらしいのですよ。
今は、いろんな検査と計算で、レーザーで白目の筋を的確に狙い撃ちして焼き切るらしいですから、テリー伊藤はそれで治したんやと思いますが、オレんときは20年以上もまえの話。

そんなわけで、オレは今もって、右目はロンドン、左目はパリを向いているという塩梅でして…。
んで、それでもまーったく問題はないのですが、ひとつだけ問題というか、ちょっとしたことがありましてですね。

誰かと相対するときにね、ときどき、オレの左目だけを見る人がいるんですよ。
オレの場合は、普段は右目でモノを見てますから、誰かと相対するときは、右目はその人を見ているけれども、左目は違うほうを向いているわけです。
左目をその人に向けると右目があさっての方向を向くことになるんですが、左目で見るのはかなわんので、普段は、右目だけが、対象物のほうに向いてます。
ですから、なにかの拍子に左目だけを見られるとね、相対している人は、自分を見ているとは思わんわけです。
少し離れたところから、その人に向けて、毎度〜!とか声をかけた場合、その人がオレの左目だけをたまたま見ていたとしたら、自分に声をかけられたとは思わなくて、自分の斜め後ろあたりにいる誰かにオレが声をかけたと思って、後ろを振り向くわけです。でも後ろには、それらしき人がいない。それで、その人の頭のなかには、?マークが飛び交う、と。
そういうときは、オレの目はね、と、説明してわかってもらうんですが、ときどきね、わかってくれへん人がいるのですよ。

最近、仕事の関係で足繁く通っている某大手企業には、今どき珍しく受付がありまして、受付嬢なる婦女子さんが鎮座してらっしゃいます。
そこへ毎度毎度、毎度〜!と声をかけて近寄っていくんですが、そのたんびに、斜め後ろを振り返る。
いや、あなたの後ろはいつもいつも、壁ですやん。人なんかが立ってられるような隙間すらない、壁ですやんか。
何度か説明してるんですけどね、で、オレの顔もとっくに見知っているはずなんですけどね、何度説明しても、初めて聞いたような顔をしはります…。

べつにいいんですけどね。
でもね、ちょっと凹みますねん(笑)
ブサイクやったらどーでもいいんですけど、ここの受付嬢の婦女子さん、なかなかの別嬪さんでしてね、だからか、余計とちょっと凹むんですわ(笑)

ま、それだけの話ですが。。。



パリといえば、こいつらがやっぱり好きなのです☆ レ・ネグレス・ヴェルテス☆

本日の1枚:
『BURMAN VICOMTE PARIS』
LES NEGRESSES VERTES


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