
いろんな雑誌で特集されていたので覚えておられる方も多いかもしれませんが、昨年は、ロック生誕50周年でした。
一応、映画『暴力教室』の主題歌、ビル・ヘイリーの『ロック・アラウンド・ザ・クロック』がそのはじまりとされているのでね。
このあたり、諸説いろいろあるのですが、ま、この曲をラジオで流したDJが「ロックンロール!」と叫んだので、それを起源としよう、と。
50年も経つと、10代の専売特許だったロックにも、大御所なる人たちが出現するようになります。
有名どころでは、ローリング・ストーンズやエリック・クラプトン、ボブ・ディランなんかがそうですね。
まだまだ現役を張る大御所たちの進む方向には、2パターンがあると思われます。
ひとつは、過去の栄光やヒット曲で食いつなぐ人たち。ベンチャーズなんかが、この部類ですね。最近流行りのグループ・サウンズ再結成なんてのも、ここですね。あと、オレに言わせれば、エリック・クラプトンもここに入ります。
で、もうひとつが、まだまだ新しいことにチャレンジし続ける連中。
還暦過ぎてロックをやってるっていうのもすごい話ですが、還暦過ぎてなお新しいことにチャレンジしている人たちもいます。もっとすごいです。
まず、最近になって車のCMに使われている『2人のシーズン』を歌っているゾンビーズ。日本ではザ・カーナビーツ(追悼、アイ高野氏)の『好きさ好きさ好きさ』の原曲の『アイ・ラブ・ユー』を歌っていたバンドとして有名です。
べつに新しいことにチャレンジしてるわけじゃないんですが、肩の力が抜けて、いいかんじ枯れてます。リズムも若干緩めになっていて、それはそれで味になってるし。。この人は、明確に、老いというものをロックという表現のなかに取り込もうとしていますね。未踏の荒野を歩いています。
もいっこ。
『朝日のあたる家』でおなじみの、アニマルズのエリック・バートンです。
デビュー以来40年以上も変化を繰り返しつつ生きてきた強者です。御年65歳にもかかわらず、昨年、新譜を発表しました。
ニューオリンズ直系のブルーズが中心になっていて、原点回帰的な作品になってます。ただ、驚くのは、力強い声ですよ。アニマルズ時代と変わらぬ、衰えをまったく感じさせない声です。驚きのひとこと。一体全体、なにを食ってるんでしょうかね。彼もまた、老い、というものと格闘しているのだと思います。
ところで、アニマルズのエリック・バートンは新譜をつくり続けているわけですが、ギターのヒルトン・ヴァレンタインとドラムのジョン・スティールは、過去の遺産で食う懐メロバンドで活躍しています。
その名も「アニマルズ2」。。
アニマルズというバンド名の権利がエリック・バートンにあるために、苦しいネーミングになったのですが、ちょっと身も蓋もないネーミングですね。新しいことには絶対にチャレンジしない!という気概すら感じさせるネーミングです(笑)
これはもはやロックではありません。表現ではありません。芸能ですね。
The Animals / 『朝日のあたる家』
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