2006年6月15日木曜日

言われたとおりにやってるだけでは…

茨城県つくば市内の19の小中学校に、昨年夏、風車が23基設置されたそうです。
発電した電力を電力会社へ売った収益で地域通貨を発行、環境イベントなどに参加した市民にこれを配布し、買いものをしてもらう…、つくば市が立案実施しているプロジェクトで、環境省の循環型社会モデル事業にも選ばれてるらしいですな。

ところが、この風車が、思ったほどまわらない(笑)

昨年11月〜今年4月までの発電状況は、もっとも多い風車で、197キロワット。少ないところでは18キロワット。23基すべてを合わせても、1,587キロワット。
計画では、年間の総発電量に180,000キロワットを予定していて、この時点でその半分は発電しているはずだったのに、現実には1%にも満たない発電量。

どんな皮算用なんだか(笑)

んで、つくば市は、この風車の開発を請け負った早稲田大学とメーカーを相手取って、約3億円の損害賠償訴訟を起こしたんですと。

市の言いぶんは、「わずかな風でもまわる筒型風車と、発電効率が高いリング型風車を組み合わせた新機種、という早大の説明を信用した」
早大の言いぶんは、「市の要請通りに設置しただけ。風況のよくない場所で大きな発電量を得ようとするなど、市の計画自体にずさんさがあった」

市は、事前に風況調査を行わずして、風車設置場所を決めたそうです。
風車の機種を選ぶ委員会は、委員長を選任せずに、機種選定の決定を出したそうです。
さらに、
つくばの地は、年間の平均風速が弱く、風車にはあまり適していない場所なんだそうです。それなのに、そんな条件でもまわる風車を探して、早大が開発した風車に辿り着いて、契約。

公共団体の仕事のユルさは毎度のことなので、もうこれ以上は言及しません。
どっちみち、大阪市に住むオレにとっては、つくば市の税金がどこでどのように使われようと、あんまり関係ないし。ま、相変わらずアホやのぉ、大阪市も似たようなもんやけど…、くらいの感想しかありません。

それよりも、早大の対応が気になります。
市の要請通りに設置しただけ、だと?

裁判になってるから、相手の落ち度を見つけてそこに責任を被せるような物言いをしなければならないのは、わからないでもないですけど、これ、プロとしての発言じゃないですね。

たとえば、
オレは、広告の仕事をたくさんします。パンフもつくるし、DMもリーフレットもチラシもつくるし、商品パッケージもつくれば、カタログもつくります。Webもつくります。
んで、発注されてくるお客さんは、広告に関しては、素人さんですね。
なるほど、売り出したい商品の知識については、発注されるお客さんが、誰よりもよくご存知です。
でも、その商品が持っている特性のどの部分がユーザーに一番訴求力を持っているのか、それを効果的に伝えるのにはどういう手法がいいのか、なんてことは、広告屋こそが持っているノウハウを駆使していく作業です。

もちろん、発注されるお客さんにはお客さんなりの考えがあります。訴えたいのはこういうことなんだ、このポイントだけは外してほしくない…。的確に、わかりやすいリクエストを出してくださる方もいらっしゃいます。
あるいは、ここは写真をドーンと大きく!とか、金髪モデルのおねーちゃんを使って!とか、ご本人にはこだわりがあるのかもしれないけれども、明らかにピントがずれているリクエストを出してこられる方もいらっしゃいます。
そりゃ、素人さんなのだから、ピント外れのリクエストを出されても、仕方ないってもんです。
でも、こっちはプロなんだから、それをあげつらったりしてはイケナイし、それも加味したうえで、最上の仕事が出来るようにしなければなりません。

相手が素人さんだというのは、わかりきってる。
だから、その方たちのリクエストを、「お客さんの要望だから」といって、丸呑みしてはイケナイんです。
そのリクエストが逆効果をもたらすものでしかないということがわかっていて、それでも、「お客さんの要望」だからといって丸呑みして、結果、案の定、効果が上げられなかったとします。
そのときになって、「そちらがリクエストした通りのことをしただけです」と言っても、通用しません。下手をすると、お客さんは、自分がそんなことをリクエストしたことすら、忘れています。「プロなんだから、こっちの言うことをそのまま使うんじゃなくて、ちゃんと意図を汲んでくれなきゃ」なんて言ってくれるのは、全然マシです。

オレは、
おまえはいつも元気よく「ハイ!」って返事してくれるけど、なんだかんだ言って、オレの要望を聞いてくれたことなんてひとっつもなかったよな。結局、上手い具合におまえのやりたい放題にやられたような気がするわ。でも、そのおかげで、この仕事が成功して、オレの社内での株が上がったんだから、悔しいけど感謝する(笑)

って言われたコトがあります。仕事をしていて「ヨッシャー!」と思えるのは、こんなときです。

結局のところ、こういうことは商売人のセンスだと思うので、早大の開発チームには、商売人の感覚を持った人がいなかったから、こういうことになってるんだと思います。
信用を第一に考える商売人なら、この仕事がつくば市から来た時点で、「うちの風車を使った風力発電では効果的な成果をあげられないので、べつの方法を考えましょう」と切り返すはずです。

つくば市と早大のあいだに、コーディネーターのような役割の人がいればよかったんですけどね。



プロといえば…、
本日の1枚:
『彩』
スティーリー・ダン



ワールドカップ日記:
ブラジルvsクロアチア=1-0
いやー、クロアチアのディフェンスは固いですね。わずかにサイドが上がったときの裏が使えそうだけど、そのまえにサイド勝負で日本が勝てるかどうかが問題。日本戦を考えたとき、このクロアチアはそれ以外に参考になる点はないですね。このゲームでは守ってカウンターのサッカーに徹してたけれども、勝ち点をとりにくる日本戦では攻めてくるだろうから、まったく違ったチームになってると思います。
ブラジルは…、ロナウドが大笑いしてしまうほど太ってて、あきらかにコンディションに難がありますね。決勝トーナメントに入ってから爆発するのかな?

スペインvsウクライナ=4-0
このゲームを見るかぎり、結局のところ、ウクライナはシェフチェンコひとりでどうにかなるほどのチームではないということですね。ウクライナのディフェンスがむごすぎたので、スペインの調子がイマイチ掴めませんでした。まさか、初戦にコンディションのピークを持ってきてるとは思えないし、この大勝が、スペインをかえって狂わせやしないかと心配していまいました。スペインは新星セクス・ファブリガスがどんなプレーをするのか、引き続き注目していきたいです。

サウジアラビアvsチュニジア=1-1
チュニジアみたいな楽勝なチームとやれてサウジはいいなあ、なんて戦前は思ってたんですが、結果はドロー。どうしても外せない仕事があったので、この試合は見てないです。録画してあるけど、たぶん、見ないままで終わりそうです(笑) でも、このグループは混沌としてきたし、スペイン以外にどの国が勝ち抜くのか、わからなくなってきました。

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