2006年6月30日金曜日

新日吉神宮、智積院、豊国廟

えー、恒例の京都神社仏閣巡り、月末にもかかわらず、敢行してきました。
押し迫った29日、なぜか昼間に6時間ほど、ぽっかりと時間が空いたんですよね。というか、ワールドカップ観たさに、仕事をセーブした結果が、これ。。
こんなんでいいんやろうか(笑)

タイトルの数字は、今回、初めて数えてみました。
オレのは7年前に買った、京都市観光協会が定価100円で発行している、神社仏閣・美術館博物館等々のスポットが載っている地図。こいつをスタンプラリーしてるわけどす。
んで、数えたことなかったんですが、どんだけあって、どんだけ行ってるのかがちょっと知りたくなって、今回、数えてみました。
そしたら、行かなあかんスポットは合計492ヶ所。昨日までの時点で、オレンジでマーキングされた踏破したスポットは、229ヶ所…。忙しい合間を縫っての年平均30ヶ所強の計算になるから、なかなかのペースやと思うんですが、それでもまだ半分も行ってへんのかいな! …ちょっと、茫然としました(笑) 今のペースを維持しても、あと9年かかるやん! …先は長いです。。

んで、今回は、東山七条を攻めました。有名な三十三間堂があるところですが、この周辺、いくつか神社仏閣さんがあって、それも大駒中駒と役者は揃ってるんですが、なんせオレの地図には、三十三間堂だけがポツンとオレンジに塗られている状態で、ちょっと気持ち悪かったので、この一帯をすべて塗りつぶすためにも、今回はここです(笑)

それとですな、ここにはマイミクさんのプレジンさんの宗派でもありお勧めのお寺さんでもある智積院があります。せっかくなので、今回はそこをメインに。

行ったのは、この3つです。本当は5ヶ所まわる予定やったんですが、それぞれが結構なてんこ盛りでして、今回は3つで打ち止め。

新日吉神宮(しんひよしじんぐう、じゃなくて、いまひえじんぐう、と読みます)

智積院

豊国廟


まず、新日吉神宮から。
まず、読みかたがややこしいです。新日吉というからには日吉神宮があるはずですが、そっちは、比叡山の延暦寺の近所に。そこの神社の神様を迎えて祀られたんで、新日吉。んで、日吉は、読みかたを変えると「ひえ」と読めるんですが、これがまた比叡山と音がおなじなので、そのままこの読みかたが採用されたんじゃないですかね。新は、「いま」の意味を含みますから、そのふたつをくっつけて、「いまひえ」。などと、オレはボーッと思っとります。
入口の鳥居門から、お稲荷さん、お猿さん、狛犬と、使いの神さんが賑やかに3種もいはります。猿は鬼門に祀られる神さんの使いですが、この神社は御所の鬼門にあたる比叡山の方角にはありません。ありませんがが、比叡山の神さんを祀ってるんで、その縁でお猿さんがいてはるんでしょうかね?
ま、そんな蘊蓄は、後日調べるとして…(笑)
神社をぐるりと取り囲むようにしてある京都女子大、高の婦女子さんたちを横目でチラリ、その度毎に相方さんに蹴りを入れられして、境内のなかに入っていくとですな、そこそこの大きさのある気持ちのいい神社ですよ。ただし、境内のど真ん中に見慣れんもんが。
菖蒲のような草を直径15センチほどの太さに束ねて、それを継ぎ足して、注連縄風にひとつの大きな輪っかにしたものが、境内のど真ん中に、デンと建てられてるんですわ。輪っかの直径約2メートルってところですよ。
なんのオブジェ?と思いながらそろそろ近づいていったんですが、もちろん近づいたところでわかるわけがありません。輪っかなんでくぐってみたいのはやまやまなんですが、はたしてくぐってもいいものやら…。
そしたら、近くに神社の関係者らしきオッサンを発見。これは訊くしかないですね。
あの巨大な注連縄みたいなのは、なんですか?
あれは、注連縄じゃなくて、茅の輪くぐりですよ。
くぐるんですか〜?
そうですよ、くぐるんです。年末の大晦日の真反対の6月30日に、茅の輪をくぐって、厄落としするんです。日本最古の宗教儀礼で、正確に6月30日じゃなくてもいいんですけど、今時分、全国どこの神社でもやってますよ。8の字を描くようにして、3度まわってくださいね。
そうなんですか〜。知らなかったです〜。んで、茅の輪ってなにで出来てるんですか〜? 菖蒲〜?
菖蒲じゃないです。茅(かや)です。
茅葺きの茅ですか〜?
そうです。
茅葺きの茅の枯れた茶色のしか知らなかったです。あたりまえだけど、本当はこんなに青いんですね〜。
あたりまえです。茅ヶ崎って地名があるでしょ。「ちがや」っていう植物です。
わかりました〜。ありがとうございます〜。
そんなかんじで思わず詳しいことを教わってですな、くぐってきました。これで、数々の悪行が染みついた身体も清められるわけですから、ラッキーですね。これからまた締切を破っても、たぶん大丈夫です(笑)

それにしても暑かったですが、次は、プレジンさん所縁の智積院へ。ファイルNo.230(笑)
新日吉神宮から歩いてすぐです。
山門のまえに辿り着いて、びっくりですよ。まず、デカい。想像していたより、かなりデカいです。山の麓とはいえ、こんな街中によくもまあこんなにデカい敷地があるな、ってくらいです。伽藍も20ほどあります。
んで、デカいだけじゃなくて、風格がね、すごいんです。
個人的には、本能寺の風格、きりっとした厳しく端正なたたずまいが好きなんですが、それに通じるものがあります。
見ればすぐに禅寺だとわかるほどに渋いんですが、空海建立の、真言宗智山派総本山です。風格があるはずです。京都五山のひとつ、東福寺とタメを張れるんじゃないですかね。
プレジンさんにこのお寺さんを進められたのは、「雨の日にお勧めの京都のスポット」というマニアックなランキング紹介の日記を書いたときなんですが、ここ、雨の日にいいかも。長い石畳の左右が、渋い植え込みの垣根になってるんですね。この風景がね、雨が降ってるときだと、より一層映えそうです。
真言宗なので、ご本尊は大日如来さんのはずなんですが、お不動さんを安置している明王殿があったり、行動に安置されていたのは菩薩さんだったりしました。どうしてなのかはわからないんですが、まあ、仏像は結構いろんなところに動きますからね。
ここ、名勝庭園と宝物館以外だと、拝観料を取りません。良心的ですね。いや、良心的というよりも、今も熱心な信者さんがたくさんいて、寄付でまかなえてるのかな。ハイヤーが何台も停まってました(笑)
宝物館には、国宝指定されている、長谷川等伯の障壁画がありました。楓、桜、松、葵とありましたが、どれも狩野派とはべつの意味での華やかさとダイナミックさがあって、しばらく見入ってしまいましたよ。
ところで、オレがお寺さんに参る最大の楽しみは、庭園を眺めながら縁側で昼寝することにあるんですが、ここは、とにかくデカくて、なかなか庭園まで辿り着けません(笑) 暑いなかを、新日吉神社からずっと歩きっ放し、早く寝っ転がりたいです!
で、ここの庭園。ちょっと変わってます。中国の廬山を模した、土地の高低を利用した築山・泉水庭なんですが、築山の右半分を占める刈り込みが、見事な流線型を描いていて、ちょっと見たことない風景です。巨大なまな板を斜めにして、表面を軽くねじったような…。この刈り込みを見るだけでも値打ちはあるかも。それとですね、縁側の下にまで池が張り出している点。庭を眺める書院が釣り殿みたいになってます。これも、珍しい。ここでやっと、少しだけだけど、念願のお昼寝をしちゃいました。至福のときですな。これがあるから、お寺さん巡りはやめられないわけで。

さて、今日は本当は都合5軒まわる予定だったんですが、ここまででかなりの時間を使ってしまい、残すところ、あと1軒しか行けません。んで、思案した結果、車をあずけた駐車場に一番近い豊国廟へ。
が、しかーし、ここで、豊国廟を選んだがために、えらいめに…。
あのね、京女大学の正門まで来たら、鳥居はすぐそこにあるんです。だから、これは、パッと見てパッと退散出来るなあ、ってかんじで。
豊国廟って豊国って名前がついてるくらいやから、明治以降の、軍神を祀ったりしてる神社やと思うよ、なんて、エラそうに蘊蓄を相方に語ってたんです。いや、その蘊蓄は、語った直後に出現した由緒書きに、豊臣秀吉を祀っている、という一文を発見して、お粗末な推測やということがバレてしまったんですが、それはまあ、どうでもよろし。
かなり山に入り込んでるんで、少〜し、イヤな予感はしてたんですけどね。
やっぱり、ですわ。
鳥居をくぐった瞬間に出現した、天にも昇る階段…。えっ!って思わず口から漏れて、目が点になるような、過去最大級の階段。これ、上るの? 直線距離で300mくらいありそうな…。山を削ってつくった石段が、直線距離で約300m程度ですからね…。すでに、炎天下のなかを歩きまわって、汗だくだくなんですけどね。
はい、上りましたよ。エンヤトットエンヤトット言いながら、相方の手を引っぱり引っぱられ、途中で休憩も入れて。ちなみのオレ、草履ですわ。鼻緒が擦れて、親指の付け根、皮が剥けました。
ほいでですな、最後の一段を上り切ったところで、やっと辿り着いた思いきや…、詐欺ですよ! 平坦な道が続いて、その先にまた、長大な石段が! しかも、今度の石段は角度が急! しかもしかも、そこから先、拝観料をとりやがる! 神社で拝観料を取るんじゃないですよ。国家予算でまかなってよ。
もうね、最後は膝が笑いました。ブラジル戦を闘ったあとの日本代表みたいに、ヒデみたいに、頂上で大の字になって寝ましたね(笑)
しかもしかも、こんな高いところまで上ってきたのに、山の樹々に邪魔されて、下界の景色なんてまったく見えやしない。んで、頂上にあるのは、秀吉のバカでかい墓のみ…。
これ見せるだけなんやったら、もっと低い場所につくってよ! お門違いのグチまで吐いてしまいましたよ。
ひとしきり寝て、あとは転げ落ちるように、下界へ。
明日、絶対に筋肉痛です(笑)

2006年6月29日木曜日

岡林信康の今





最近、仕事で音楽DVDを見まくってるんですが、今日は、岡林信康を観ました。

今や、ほとんどの人が知らんだろうな。
まあ、オレも、主な音源は聴いてるけど、リアルタイムでは知りません。(あ、オレのマイミクさんではごくごく一部の人がご存知です。笑)

フォーク・ブーム全盛の時代、「神」とまで呼ばれた男ですわ。
60年代の後半から70年代の初頭にかけて、『友よ』『山谷ブルース』『手紙』『チューリップのアップリケ』『それで自由になったのかい』ほか、いくつもの名作や問題作を発表し、数多くの追従者を出しながら、短い期間のうちに寒村へ引きこもった男です。その隠遁は数々の憶測を呼び、しだいに彼は生きる伝説となっていった人です。

そんな彼は今、『エンヤトット』を歌う。
オレがリアルタイムで知ってるのは、このころからですね。逆に、「神」と呼ばれていた当時に聴きまくっていた人は、彼の『エンヤトット』の活動をほとんどご存知ない。ファンの年齢層が、完全に分断している、珍しいパターンの人です。

彼は、今、といっても80年代以降からですが、エンヤトット、エンヤトット…、という、日本の、アジアの、田舎くさいリズムを、自分の新たな出発点だと考えているようです。
日本の祭り歌に朝鮮半島の音色が盛り込まれたそのリズム。バックには津軽三味線とサンバのパーカッションが加わって…、祭りも伝統もかたちばかりになったような時代に、かつての「神」は、人と祭りのつながりを歌っています。

DVDは、そんな彼が久しぶりに東京に出てきてライブをやった模様です。

小奇麗なライブハウスが、ほぼ満杯になったころ、岡林信康はメンバーを連れ立ってステージに現れました。ジーンズの上下に黒のシャツ、黒のスニーカー。
なんの前触れもなしに、歌いはじめます。ギター、アフリカン・パーカッションのジンベ、それに、黒人風のコーラスを付ける3人の女性。むかしからすれば、ずいぶんと音楽的なったもんで。
むかしのフォーク・ジャンボリーでの演奏の映像を見たことがありますが、それとはかなり趣が違う。音のボリュームを低く抑え、ゆったりとした調子で全体のリズムをまとめようとする気負いのない姿です。

3曲が終わったところで、岡林は奇妙なことを言い出しました。

歌を歌うようになってから35年間、今夜、初めてステージが楽しいと思える、と。こんな気分は自分自身にとっても大きな変化ではないかと、彼は言うのです。

そして歌い出したのが『山谷ブルース』であり『チューリップのアップリケ』だった。
これが、ちょっとビックリでしたね。

60年代後半、音楽が政治と濃厚に結びついていたあの時代、反体制派にとっての象徴的な1曲が『山谷ブルース』です。最下層の労働者が住む日雇いのマチ、山谷。岡林は、このマチの人々の感情をこの歌を通じて訴えかけました。
もうひとつの『チューリップのアップリケ』は、貧困と部落差別をテーマとする名バラードです。今でも泉谷しげるや美輪明宏さんが歌ってますが、ともに、日本のフォークの記念碑とも言うべき名作なのだが、時代背景も違うために、今、これを歌う意味を見出すのは、とても難しい曲です。特に、岡林本人がこれを歌うというのは、ノスタルジー以外のなにものでない、と、とられかねない歌です。

そんな曲が、さらりとしたかたちで、再び舞台に乗せられたのでした。
ただ、その優しい歌い口には、牙はありませんでした。あるのは、疲れた身体に染み込む、一服の緑茶のような安定感です。気負いがまったくなく、ただの歌だ、というかんじです。本人のなかで、なにかを超越しちゃったんでしょうね。だからこそ、観ているオレも、気負うことなく身体にしみました。

岡林は以前、美しいものは例外なくシンプルである、と、言ったことがあります。
自分の作風も、こねくりまわすことなく、歌のありかたは、つとめて単純にしているのだと。
ノド越しのいい讃岐うどんのようなメロディ・ラインも、ゆっくりと落ちついて人の感情を高揚へまで辿りつかせるリズムにしても、すべては、岡林の、シンプルな美しさに基づいています。
しかし、詩に関しては、この人は、トピカルすぎました。だからこそ、時代を超えて生き残っていかない。
それもまた詩ですから、この人は詩の人であって、少なくとも音楽の人ではない、と、オレはずっと思ってきました。大幅に譲歩しても、歌の人です。

エンヤトットでやっていることは、和洋のエッセンスを丸モチのように練り込み、西欧音階のカドを取り除いたリズムをベースに祭を現出させるもくろみです。
べつに、今さら珍しい手法じゃない。
それでも、肩の力が抜けているせいか、結構、しみるんですよね。
かつて「神」と呼ばれた男は、今も、なんだかんだで酸いも甘いも噛み分けて、ナマの人の生を歌ってます。

篠笛が、じつにキレイでした。




岡林信康 / 『山谷ブルース』




ワールドカップ日記:
ブラジルvsガーナ=3-0
今回のアフリカ勢はチュニジアを除いてすべてが初出場。その初出場組がカメルーンやナイジェリアを押しのけてドイツに駒を進めたわけは、ディフェンスが組織だって整備されていることに尽きると思います。かつて、アフリカと言えば身体能力はすごいけど、組織が確立されていない、というのが定説でした。でも、今回のアフリカ新興組は、どこも組織ディフェンスが確立されてます。アフリカは新時代を迎えてるみたいですね。
ガーナは、それに加えて、中盤のパスワークが素晴らしく、ショートパスで狭いスペースを突いてくるあたり、まさにアフリカのブラジルの名に相応しいではないですか。
もっとも、狭いスペースを突いて崩すだけではやはり本家ブラジルに分があるわけで、今後はもっと広い視野でフィールドを見た攻めが課題になってくるでしょうね。両チームの現時点での実力が、そのまま得点に反映されたように思います。

フランスvsスペイン=3-1
名前だけを見ると、ベスト16で実現するにはちょっと惜しいカードですが、戦前、ジダン頼みのフランスはこのあたりで負けるのが順調だと、オレは思っていました。一方、スペインはかつてないほどの好調。
でも、結果は、スペインの完全な負け。特に後半、スペインは無惨なほどディフェンスラインを下げてました。交替選手も効果的な活躍は出来なかった。なんででしょうかね? フィジカルの差、若さ、そのあたりでフランスのほうが一枚上手だったのかも。。イマイチ、よくわからんゲームでしたが、なにはともあれ、フランスが勝ちました。フランス、これで波に乗れるのかなぁ? フランスは意外と全員が調子を上げてきたし、右サイドのヴィエラがものすごく効果的に動いてます。
次のブラジル戦、案外…。

2006年6月28日水曜日

なぜ、フルメイクなんですか?





昨日の深夜、例によってワールドカップを観ていたわけです。
イタリアvsオーストラリア戦
この試合がねえ、それはそれは…、あ、これについてはいつものごとく、日記下段のワールドカップ日記にまわします。

んで、試合が終了した直後、速報が飛び込んできました。
渋谷の池田ゆう子クリニックの娘さんの誘拐事件の犯人が捕まったって速報でしたね。

報道協定敷いてたから、初耳のいきなり話で、ほえ〜ってなったんですが、まあ、テレビに出まくってカネ持ってるのアピールしまくってた母子ですから、そら狙われるわなぁ、などと、まったくの他人事のように、その速報を聞いておりましたです。

そんなことより、そのあとのウクライナvsスイス戦のほうに頭は行ってるし…、あ、これについても、日記下段のワールドカップ日記で。

連日連夜、ワールドカップで朝の6時、7時ですよ。
そっから、寝ぼけ眼で「特ダネ」とか見て…、

早速、やってましたね、誘拐事件のニュース。
すでに、母子で会見やってるじゃないですか。
会見といっても、渋谷署のまえで立ったままの囲み取材。

んで、この娘さん、26日の正午すぎに拉致されて、27日の未明に無事に保護されて、犯人も逮捕されて、んで、朝の8時には母子揃って会見。

たぶん、保護されてから、なにか差し入れでももらって、ひと息ついて、警察からは事情聴取も受けて、出てきたところを記者に囲まれて会見、だったと思うんですよ。
そのわりには、結構、しっかりしたメイクしてましたね。表情はさすがに暗かったけれども、ばっちりフルメイクじゃないですか。女子大生でしょ? なんのプロなんだ?(笑)
保護されてから、それだけ心に余裕が出来てきてたってこと? それとも、有名美容医師の母の助言か?
こうでないとカネは儲からんのだな、と、妙な関心をしてしまったのでした。

知り合いの宴会コンパニオンさんがいるんですが、彼女、プライベートで飲んでて、どんだけ酔っぱらってても、ある時間、すっくと席を立って、トイレに行って、メイクを直してました。本人は、そのことをまったく覚えていないというから、無意識の所為。

それもそれで、すごいな、と。

近ごろオレの周辺は、気がつけば、メイクに関心のない婦女子さんが増えてきているような気がするんですが、最近、どーなんでしょうね?







ワールドカップ日記:
イタリアvsオーストラリア=1-0
いやー、イタリアのイタリアによるイタリアのためのサッカーを見せつけられました。世界のどこにも真似の出来ない、イタリアとしか言いようのないサッカーでしたね。
イタリアって、1-0という最少得点(最小限の労力)で勝つことに美学を見出すチームなんですが、それにしても…。
オースオラリアのヒディンクという監督は、劣勢になってから、守備を犠牲にして攻撃的な選手を投入し、圧倒的な攻撃力の勢いで持って最後には勝ってしまう、というサッカーをしてくる監督です。日本も、それにまんまとやられました。
イタリアは、そのことを踏まえたうえで試合をしてましたね。
オーストラリアに攻めさせるんだけど、とにかく守る。絶えず集中を切らさず、粘っこくひつこく丁寧に、守る。だから、前・後半通じて、スコアはまったく動かずの、0-0のまま。こうなると、延長を視野に入れないとダメなので、ヒディンクは得意の攻撃カードを切りづらいですね。ここでイタリアが先制点でも入れようものなら、とにかく勝つしかないのがトーナメントなので、ヒディンクは、迷わず攻撃カードを切ったでしょう。でも、試合は動かないし、延長のことも考えないとダメだから、カードはまだ切れない。
イタリアが、勝負に出たのは、後半のロスタイムに入ってからですよ。こんとき、初めて、チーム全体が連動して、チーム一丸で点をとりにいく!という動きになりました。それで、ものの見事にPKを誘って、きっちり決めて、ロスタイムも3分過ぎた後半48分、先制点。ヒディンクにカードを切らせるタイミングを、わたしませんでしたね。
普通、どんなチームでも、早い時間帯に先制点をほしい。早い時間に先制点を取ったほうが圧倒的に有利なのが、現代サッカーですから。もちろん、イタリアだって、早い時間帯に先制点はほしい。でも、それをすると自分たちのペースで試合を進められないから、我慢して我慢して、最後の最後に、ゴールのチャンスをつくったんです。こんな芸当、どこのチームも出来ませんよ。ほんと、とんでもない試合でした。
ヒディンクには申し訳ないが、こればっかりは、オーストラリアは負けるべくして負けましたね。

ウクライナvsスイス=0-0(PK)
ウクライナは、グループリーグの初戦を見たときに、いくらシェフチェンコがいてるといっても、決勝トーナメントに行けるチームじゃないなと思ってました。それが、あれよあれよという間に決勝トーナメント進出。それでも、この試合は、スイスの堅守に阻まれるだろうと思ってました。スイスは守備がいいし、カウンターもダイナミックなので、ビッグネームのいない地味なチームだけど、いいところまで行くと思ってました。で、順調に、その特長を発揮して勝ち進んできました。
でも、この試合は、お互いがお互いの長所を消しあう試合になってしまって、まあ、退屈と言えば退屈な試合でしたね。延長に入っても、消耗戦以上のことにはならなかったし。
で、今大会初のPK戦。いやー、まさかスイスの選手が3人もPK外すなんてね。PKの練習をやってなかったんじゃないかとすら思いました。
それにしても…、スイスは、結局、グループリーグから通じて、全試合で無失点ですよ。無失点かつ、負けなし(PK戦は、引き分けと記録されます。 PK戦の勝者は、試合の勝者ではなくて、トーナメントの次に進める資格を得ただけの存在になります)で、ドイツを去ることになってしまいましたよ。長いことワールドカップを観てきたけれども、こんなの初めて。スイスは悔しいでしょうね。でも、仕方がない。これがサッカーです。

2006年6月27日火曜日

「しんどい」を言わない





近所の行きつけの豆腐屋のオバァ、たぶん、70歳前後。まだ、現役ですわ。

こないだ、深夜4時過ぎに仕事から帰ってきて、豆腐屋のまえを通ったら、仕込みしてました。そりゃ、豆腐屋さんだからその時間に仕込みしてるんはあたりまえなんでしょうけど、あらためてその現場に出くわすと、やっぱ、すごいな! と。声も出ません。

夜中に仕込みやって、朝も昼も夜も店先で豆腐売って、いったい、いつ寝てるのよ?

翌日だったか翌々日だったか、豆腐を買いにいったときに、そんな話をしました。
「普段はおとーちゃんが仕込みするんやけどね、風邪で寝込んだんよ。だから、ウチがやってるの。あの人も、夏に風邪で寝込むて、年とったわ〜」

いやいや、年寄りが年寄りをつかまえて、年とったもなにもないでしょうが(笑)

まあ、そういう会話をして、チャンプルーをつくるのに木綿を一丁買ったんですが、このオバァの会話で、みなさん、どう感じました?

夜も仕事するハメになって、「しんどいわ〜」、の、ひとことが、ないんです。
オレ、そのことに、ふと気がついてね、そら恐ろしくなりました。

オレなら、間違いなく、しんどいわ〜、って、言ってます。
だから代わってくれというわけでもなく、同情を引きたいわけでもなく、言ったところでどうにもならんことももちろんわかってますが、オレは、間違いなく、言ってますね。
mixiでも、しんどい! 疲れた! ヘロヘロ! 忙しい! しょっちゅう言ってます。

でも、オバァは、言わない。
それを言わない強さを、ものすごく感じました。

なんでこんな話をしているのかというと、こないだのワールドカップの日本vsブラジル戦、ゲームセットのあとに、中田英寿がピッチに倒れこんで、10分くらい、その場で寝込んでましたね。

オバァも、そのことは知ってました。さすがにリアルタイムでゲームは見てないし、もともとがサッカーなんてよく知らないと思うんですが、一応、ヒデがピッチに倒れこんで寝ていたのは知っていたみたいで(笑)

んで、オバァ。
「あれはアカンねぇ。他の人がお客さんのところに挨拶に行ってるのに、しんどいのか悔しいのか知らないけど、ひとりだけあんなところで寝てたらアカンわぁ〜」
はぁ、おっしゃるとおりです。おっしゃるとおりなんだけど、いろいろと去来するものだとか、込み上げてくるものがあったんじゃないの?
「そうかもしらんけど、でも、男の子があんなんしてたら、みっともないわ。最近の男の子って、みんなあんなんか?」
みっともないと本人も思ったから、タオルを顔にかけて、泣いてるところを見せなかったし、あとの会見は笑顔でやったんだと思うよ。
「そんなんしらんけど、いろんな小細工しても、バレてるわぁ。丸わかりやん」

オバァが持ってる恥の文化と、オレが持ってる恥の文化が、違うんですね。
ヒデのことはさておき、この店の豆腐が美味いのは、オバァのこういうところと地続きで繋がってるんだなと、思いました。
じゃ、オレの仕事は? …まだまだです。

2006年6月26日月曜日

懐かしのジャーマン・プログレを堪能後、爆睡(超マニアック)





マニュエル・ゴッチングが4月に行なった富士山麓でのレイブの模様を収めたDVDを鑑賞。いやー、行きたかったな。

ジャーマン・プログレの話です。
えー、誰もついて来れんと思われるほどマニアックな話になるので、覚悟してください(笑)

マニュエル・ゴッチング。
プログレ・マニアにはお馴染みのギタリストでして、東京タワーの蝋人形館には、なぜかこの人の等身大蝋人形が展示されております。はっきり言って、非っ常ーにマニアックなところでしか名を知られてないんですけど…(笑)

そのお方がですね、今年の4月に9年ぶりに来日してですね、富士山の麓にひろがるふもとっぱらというキャンプ場で野外レイブを行なったんですわ。

一応、プログレに馴染みのない人に説明するとですな…、
ゴッチングは、1970年、3人編成のアシュ・ラ・テンベルというバンドを結成。当時としてはとびっきりサイケデリックな演奏劇を繰り広げていたバンドでして…、いや、オレだってリアルタイムじゃ知らないですけどね。でも、若いころは、脳みそがとろっとろになるまでアルバムを聴きまくってました。

73年に発表されたアルバム『ジョイン・イン』では、LSD研究の第一人者であったディモシー・リアリーを迎え、メンバー全員がLSDを服用してスタジオに入り、アシッド・セッションを敢行。結果、アルバムは壮絶かつフリー・インプロイゼーションなサイケ・ロックになったんですが、セッション後、メンバーのヘルムート・エンゲが発狂→再起不能になってバンドを脱退してしまったというエピソードを持つバンドです(笑)
まあ、こういう逸話を生むくらいに無謀な探究心に彼らの活動が支えられていたってことです。日本で彼らと張り合えるのは、ボア一味とヤン富田くらいじゃないですかね。とにかく、壮絶なアシッド・トリップです。

70年前後に活躍したアーティストって、もう、LSD全盛ですよね。闇雲にLSDを信じていた節すらあります。
ジャニス・ジョプリンはライナーノーツの紙にサッカリンを染み込ませたアルバムを発表するし、ビートルズは「ストロベリー・フィールズ」だし、ストーンズもドアーズもオノ・ヨーコも、みんなLSDとなんらかのかかわりがあったんじゃないですかね。

ゴッチング自身は、今もまだまだ現役で活動を続けてるし、84年発表の『E2-E4』なんて、その筋のサンプリングやカヴァーの草狩り場みたいになってますね。つまり、それだけリスペクトされてるってこと。
ただ、なかなか来日してくれない。まあ、来日したくても、そんなに需要もないんでしょうけれども(笑)

でも、ふもとっぱらでのレイブは、DVDで観るだけでも、至福の体験が堪能出来るレイブだったみたいで。本当に行きたかったなぁ。いや、来日してたことすら知らなかったんですけどね(笑)

21時過ぎにはじまったレイブでは、ノートPC、キーボード、ギターという形態で、頭の曲は珠玉の『サン・レイン』。天上まで一気に持っていく彼岸系フレーズが延々と反復するこの曲で、数小節鳴り響いた時点で、若いオーディエンスが絶叫していました。異常です(笑) その後は、枯山水のようなプログレ的世界に引きずり込むゴッチングと、はやるオーディエンスとのあいだの駆け引きが約2時間。途中から、オレは寝てしまいました(笑)

今度、バンド形態で来日するようなことがあれば、絶対に行きます☆




マニュエル・ゴッチング / 『E2-E4』





ワールドカップ日記:
ドイツvsスウェーデン=2-0
ドイツのサッカーもブンデスリーガも普段から特に注目して見ているわけではないので、バラックもクローゼも、今大会で久しぶりに観てます。どっちも、前回大会よりも数段パワーアップしてますね。前回大会ではひ弱が目立ったんですけど、4年経って、そういうところは払拭されてるかんじ。日本が成長するよりももっと速いスピードで、サッカー先進国は成長しているような気がします。スウェーデンは、ラーションはともかくとしても、イブラヒモビッチの体調不良がやっぱ響いたんですかね。輝きを放ったシーンが、1、2回程度しかなかったです。ドイツに勝ってほしいとはあまり思わないんですけど、なんか、調子を上げてきましたね。ホスト国だし、ホスト国に相応しいすごい応援だし、ドイツ、案外といいところまで行きそうな予感を感じましたわ。

メキシコvsアルゼンチン=2-1
コンフェデのときもそうだったけれども、メキシコは今、要注目のチームですね。そのメキシコが、あのアルゼンチン相手にどこまでのゲームが出来るかが、このゲームの見どころでした。そして、このゲーム、主導権はわずかにメキシコが握っていたように思います。それだけでも驚きです。あのアルゼンチン相手に、互角、あるいはそれ以上だったですね。お互いが長所を消しあう展開で、盛り上がりに欠けるゲームではありましたが、それでも見応えのあるゲームでした。最後にはアルゼンチンが勝ち越しを決めたけど、それがサッカーだ!としか言いようのない結果。
それにしても、両チームのパスの精度、スピード、トラップの精度、瞬間の判断の速さ、最後まで走りきれる体力…、こういうのを見ていると、日本はまだまだだなあと思わずにはいられませんでしたね。

2006年6月25日日曜日

ナミィのオバァに逢いたい!





調べてみたら87年だったので、今から19年前のことです。

その年の夏、沖縄でジェームス・ブラウンの来日ライブがあって、それを観るためだけに、沖縄に行ったのでした。それが、オレの初沖縄。
このライブが、今思い出すだけでもゾクゾクするほど、素晴らしいものでしね。ジェームス・ブラウンのコンディションは上々、そして米軍基地の黒人兵が大挙して聴きに来るという、時代も場所も最高のセッティングだったんです。

本チャンのライブだけじゃなくて、そのあとも素晴らしかった。

ライブ終了後、コザ市内のクラブ『なんた浜』に、嘉手苅林昌の琉歌を聴きに出かけたのでした。当時、まだまだ本土では無名だった沖縄民謡を精力的に紹介していた竹中労が音頭をとって、ジェームス・ブラウンに負けるな!ってかんじで、こっちでもライブ。店内は、ジェームス・ブラウンのライブから流れたお客さんでいっぱいでした。

このとき、オレは、嘉手苅林昌の歌う八重山民謡を初めて聴きました。晩年のじゃなくて、全盛期だった時代の嘉手苅の琉歌を聴くことが出来た幸福も今となっては噛みしめずにはいられないんですが、とにかく、このライブがまたてんこ盛りでして。

嘉手苅が八重山の民謡「とぅばらーま」を歌ったとき、客席から、つんださや、つんだーさー、と、名調子の合いの手がかかって、なんと、山里勇吉なんですよ。んで、気づいて周囲を見てみると、いるわいるわ、照屋林助、国吉源次、登川誠仁など、琉歌の大御所各氏が。皆、ジェームス・ブラウンのコンサートから流れてきていたのでした。

沖縄の最重要無形文化財が大集合でした。

琉歌とジェームス・ブラウン、関係がないようだけれども、琉歌の各氏は、ブラックの真髄のようなライブに感動し、対抗意識を燃やしたものと見えました。そして、各氏を交えた琉歌ジャム・セッションは、夜が白むまで続いたのだった。

このときの歌の多くは、八重山民謡でした。

今から考えると、ジェームス・ブラウンのソウルに対抗しての八重山民謡だったに違いないですね。八重山の音楽は、民謡と流行歌が未だ分化していない「原・うた」というような状態にあり、唄本来が持っている情感や躍動感を失ってはいません。だからこそ、ジェームス・ブラウンに対抗して、各氏が直感的に八重山民謡を選んで歌ったのだと考えたい。

ブラックと八重山民謡が互いに触発しあったかのようなこの夜の出来事は、今振り返ってみても、空前絶後の体験だったかもしれません。

ほいで、夜明け前くらいだったから、たぶん、4時だか5時だかだと思うんですが、場が落ち着いてきたころに登場したのが、新城浪オバァ。通称、ナミィのオバァ。

ナミィのオバァは、お座敷芸者。いわゆる、ステージに立って独演会をする歌手とは違います。活躍の場所は、あくまでお座敷。
八重山民謡だけじゃなくて、流行歌、流行歌の替え歌、自作の笑い歌…、とにかくね、笑わせまくってくれました。勢い余ってちょっと疲れが出はじめていた会場を、爆笑の渦に巻き込んでくれたのを覚えています。

それ以後、沖縄民謡が続々と本土に紹介されはじめ、安室奈美恵やSPEEDら沖縄アクターズ・スクール組のブレイク、コッコや元ちとせら才能のある若手の登場、知名定男や喜納昌吉ら再評価、登川誠仁ら大御所の登場と、沖縄の音楽は常に本土に刺激を与え続けてきましたが、ナミィのオバァの名前を聞くことはずーっとありませんでした。

オバァ、もともとがお座敷芸者だし、ステージに立つ歌手じゃないから、メディアに乗ることがなかったんでしょうね。
それが、ですよ! 2003年、突如、CDデビュー。民家のお座敷で録音されたオバァの歌は、その場にいた参加者のおはやしなども聞こえ、楽しい歌や語りの様子が臨場感たっぷりに収められていて、かなりかなり愛聴してました。というよりも、まだ生きてくれていたか!ってかんじで。

なんせ、オバァ、大正10年生まれですからね。今、いくつ? わかりません(笑)
9歳のときに辻町(当時の沖縄最大の色町)の料亭に身売りされて、それから芸者人生一本ですよ。
それから石垣、沖縄本島、サイパン、台湾、宮古と島から島をわたり歩いた芸者人生。壮絶なんだかお気楽なんだか知らないけれども、どっちにしても、オバァの行くところ、笑いの渦です。
お座敷にやってくるすべての旅人、客人たちの歌を聞き覚えて半世紀。島唄はもちろん、明治、大正、昭和、平成の流行り唄もレパートリーに入っていて、歌の大百科事典、人間ジューク・ボックスですからね。レパートリー、何万曲あるんだろうか?

最近目にしたオバァのインタビューで、
「人を喜ばせて生きてきた」というひとことが、とても心に残ってます。
たぶんね、
キレイごとじゃないと思いますよ。お座敷芸者はお客さんを喜ばせることが出来なければ失格で、お客さんを喜ばせられなかったら生きていけないです。ナミィのオバァにとって、人を喜ばすことは、生きるための手段ですよね。身体でつかみとった、生きていく知恵だったはずです。

さてさて、この、ナミィのオバァが、ついに映画デビューまでしちゃいました☆
題して、『ナミィと歌えば』。オレの知らぬ間に、大阪での上映が終わってしまってます…。

んで、気がつけば、いくつかの本も出てる。。
ノーチェックでした。
これからしばらく、ナミィのオバァ関連を攻めてみます。

2006年6月24日土曜日

悔しいですね





日本のワールドカップが終わってしまい、まだ放心しているオレ。
今日は、気持ちの整理がつかないまま、ボーッと仕事をしてました。

冷静に考えてみれば、
グループリーグの組み合わせが発表されたときから、厳しいグループに入ったと思っていたし、オーストラリアに2点差をつけられて敗れたときには、絶体絶命と思っていたけれども、
それでもなあ…、
あらためて、厳しい現実を突きつけられたかんじです。

たかだかサッカーの勝ち負けで仕事に影響を与えるほど感情を左右されるなよ、と、思う人は多いのかもしれません。
でもね、
サッカーっていうのは、そういう魔力があるんですよ。
とりつかれてしまうと、悪女につかまったような、不思議な魔力があるんです。

まだ、ボーッとしてます。
おかげで、他のゲームも、録画はしてあるけれども、まだ観れてません。

初出場だったフランス大会のときもそうだったけれども、今回も、かなりかなり悔しいです。
負けたから悔しいんじゃない。
限界まで力を出したと思えないから、悔しいんです。

オーストラリア戦で1点目を取られてからこっち、ブラジル戦で2点目を取られてからこっち、ディフェンスはパニックになり、集中が落ちましたね。やがて、足も止まりました。
技術はね、あります。まちがいなく、あります。
そりゃ、ブラジルと比べると粗が目立つけど、ブラジルの技術は世界でも群を抜いているので、そこと比べるとダメだけど、他とだったら、それほど劣っているわけじゃない。
でも、ミスが多い。
ミスが多いのは、集中していないからです。ひとつひとつのプレーをおろそかにしているからです。
そして、攻める勇気が足りない。
結局のところ、精神力です。
スポーツに根性だとか気合だとかを持ち出すのは好きじゃないけれども、最後の最後でモノを言うのは、根性だとか気合だとか覚悟だとか誇りだとか、そういうものであることもまた事実で。

今大会、
初出場だったアフリカ勢の多くは、やはりグループリーグでほとんどが敗退しました。
でも、観る人に、強烈なインパクトを与えました。コートジボワール、アンゴラ、ガーナ、中米のトリニダード・トバゴ…、どこも、負けたけれども、おっ!と思わせるゲームをしました。
逆に、日本、サウジアラビア、イラン、エクアドル、セルビア・モンテネグロは、まったくインパクトを与えることなく、ドイツを去ることになってしまいました。その国らしいサッカーを披露することもなく、可能性を感じさせることもなく、一点のシミも残さず、ドイツを去ることになってしまいました。
それが、なによりも悔しい。
日本は、世界にサプライズを与えるだけの実力があるだけに、それが出来なかったことが悔しいんです。負けたことよりもなによりも、それが悔しいです。

これ以上ない決定機でシュートを外してしまうのも、技術じゃなくて、精神力の問題です。
ディフェンスがパニックになるのも、後半で中盤の足が止まってしまうのも、負けているのに勝負に行かずに後ろでボールまわししてるのも、もしかしたらコンディションを万全に持ってこれないことも、どの角度から突き詰めてみても、結局は、メンタルなところに行き着いてしまいます。

南アフリカ大会に向けての次の4年間、日本の課題は、強い精神力を持つことが出来るかどうか、です。
この大会での惨敗を糧にしなければ、未来はありません。

2006年6月23日金曜日

終わりましたね…





まるでブラジル・サッカーのショウを観てるみたいでしたね。

パスの精度、スピード、トラップの精度、判断の速さ、ポジショニング…、あらゆるところで、ブラジルのほうが数段上でしたね。

今大会、まだエンジンのかかってなかったブラジルは、このゲームで本調子になっちゃいました。

ゲームが終わってから、ヒデ、ピッチに横たわったままで起き上がりませんでしたね。
泣いてました。
負けて悔しかったのか、味方の不甲斐なさが情けなかったのか…。

後半20分以降、ヒデだけが走ってた。スペースをつくろうとして、あいつだけが走ってました。
走らないと、サッカーは勝てないですからね。
ましてや、相手はブラジル。限界を超えて走らないと、勝ちは見えてこないですからね。

日本のワールドカップが終わって、課題がいっぱい見えてきました。
これが、将来の糧となりますように。。

2006年6月22日木曜日

もしブラジルに勝ったら○○をします





って宣言する芸能人が増えてきましたな。
あちこちで耳にします。
あんまりあちこちで耳にするんで、まとめてみました(笑)

そのまえに、川平慈英は、なんで丸坊主になってるんですか? いつから?
あれは、罰ゲームなのか? それとも願掛け?

もとい、
平原綾香「スクール水着を着てジュピターを歌います」
この人って、こんなキャラだったの?

青田典子「ドンキのまえでボディコン来て踊ります」
それは普段からやってそうなかんじじゃないですか。。

松任谷由実「Tフロントでサンバの衣装を着て、街じゅうを練り歩きます」
この人は、やるときはやりますからねっ!

おすぎ「丸坊主にします」
見たくないし…。

ピエール瀧「勝った瞬間に、ピッチに裸で飛び出します」
瀧、男ですな! 君の公約には日本代表への果てしない愛を感じます!

真鍋かをり「ビキニでカーニバルします」
やってください。

若槻千夏「写真集にサイン入りジャージをセットにしてプレゼントします」
あなたは誰ですか? それって、普通の営業活動じゃないの?

ゆず「リスナーの自宅から自分のラジオ番組を放送します」
イマイチ、おもしろくないです。

いしだ壱成「ブラジル代表の誰かとおなじ髪型にします」
えっ? まだ芸能界にいたの?

ボニーピンク「1週間、ボビー・ブルーに改名してプロモーション活動します」
あなたはもっとユーモアがあったはずです。

倖田來未「アソコの毛をツルツルに剃って、その毛をオークションに出します」
んまぁ、ご自分のキャラ立てがお上手だこと。それ、結局はアンタが儲かるんじゃ…。

真打ち、
伊武雅刀「あなたの書いた作文、手紙、ラブレターを朗読して、それをCDにして、1名様にプレゼントします」
このCDを、誰かオレにプレゼントしてください! オレでも萌えるっ☆


しかし、大半が罰ゲームっぽいのばっかりですな。勝つことを望んでるのに、勝ったら罰ゲームって…。。


フィンランドの政治家が、ドイツがワールドカップで優勝したら、ドイツ国旗をタトゥーするって公約しちゃったらしいですよ。
だいたい、今回はフィンランドが出てないじゃないの。ドイツ相手に、なんでここまで燃えるのかが知りたいです。

2006年6月21日水曜日

ロックバトン

マルミエ嬢からわたされたバトン。
バトンなんかやりたくないのに〜。ずっと断ってきたのに〜。

はい、やりますヨ。やりゃ、いいんでしょ…。

まわってきたバトンは、【○○】のなかにキーワードを入れて答えるというもので、オレに与えられたテーマは「ロック」。

●最近思う【ロック】
吾妻ひでおの『失踪日記』


●この【ロック】に感動
ロックを聴いて感動したことなんてない(笑)
全身の血が逆流してゾワッとなることはこれまでにもいっぱいあったし、それはいったいどういうことなんだろうか?とずいぶんと考えてきたし、そのことでこの極悪な人間であるはずのオレも少しはマシな人間になったような気もしないではないのだけれども、それは感動とは違うな。

それよりも、クロアチア戦でPKをとめた川口に感動した☆


●直感的【ロック】
北朝鮮のパンフレットの制作を受注したらどうしよう!と妄想したことがある。
誤字脱字はおろか、めっきり頭の薄くなった偉大なる我らの首領さまの頭を修正するのをうっかり忘れたら、強制収容所行きなのかな? それとも公開処刑? スリルとサスペンスに満ちた仕事になること間違いなし☆


●好きな【ロック】
この日記は帰宅してからアップするが、この日記のテキストを書いている今は、東京日帰りの新幹線のなか。んで、オレの隣に座っている妙齢の婦女子さんが、みやこ蝶々にそっくり(もしくは塩沢トキにも!)。声をかけるべきかどうか迷っている。


●こんな【ロック】はイヤだ!
ほら見ろ! こんなくだらない質問が紛れ込んでるだろ!


●この世に【ロック】がなかったら
べつになんともないな。行きつけの『プランタン』のモーニングがなくなったらかなり困るけれども、ロックがこの世になくても、全然だいじょーぶ☆


●最近、itunesでぐるぐるまわる【ロック】(←これは久モさんとこからのパクリ)
『2×4』Einsturzende Neubauten
『私のなかの無限』Marisa Monte
『私のまわりの宇宙』Marisa Monte
『無限大の宇宙』Plastic Ono Band
『kiko』Los Lobos
『amlux』Merzbow
『small circle of friends』Roger Nichols
『Sun Song』Sun Ra & His Arkestra
『ズィング・アロイと朝焼けの仮面ライダー』T.rex
『チャンガの復讐』Frank Zappa
『デラシネ・チンドン』ソウルフラワー・モノノケ・サミット
『フル・コンタクト』ドライ&ヘビー
『やりたい放題』アナル患者

…あかん、【ロック】に限定してリストアップしたら、久モさんみたいに、友だちがいない人が聴くリストみたいになってもた…(笑)

やりたい人は、【】内に適当な言葉を入れて、やってみてくださいませ。。。




本日の1枚:
ナンバーガールズ、もとい、ZAZENBOYSが、2006.5.28沖縄ライブ音源全編(2時間分!)を無料でダウンロード出来るようにしてます。GO!


ワールドカップ日記:
スイスvsトーゴ=2-0
試合そのものよりも外野の喧騒にどうしても目が行ってしまいますな。ボーナスの未払い問題がこじれにこじれて、あわや前代未聞の試合ボイコット…。アフリカのチームがずーっとむかしから抱えている問題点が、またもや噴出しました。ヨーロッパ組と国内組とでは収入に雲泥の差があるから、チームがなかなかまとまらないんですよね。で、ちょっとしたことで揉める。こうなった以上、チームは機能しないですね。案の定、トーゴは、生来のフィジカルのすごさを見せる以外には、なにもせずに負けました。

サウジアラビアvsウクライナ=0-4
前のゲームでスペインに4-0で敗れたウクライナが、今度はサウジ相手に4-0。えらい試合をしてます。シェフチェンコも待望のワールドカップ初ゴールを決めたし、この大勝で首の皮1枚繋がりました。それにしても、大味な試合でしたわ。これやったら、寝てたほうがよかったかも…。

スペインvsチュニジア=3-1
スペインが好調ですな。前のゲームも4点取って勝ってるし。でも、この試合、前半は中盤が機能してませんでした。バランスが悪くて、前線にボールが供給されないんですよね。でも後半、ラウル、セスク、ホアキンが効果的に動いて、前線のフェルナンド・トーレスにボールがわたるようになり、ゴールラッシュ。新旧バランスのとれたいいチームですね、スペイン。この試合ではセスクが大活躍。19歳のこの新星は、世界にサプライズをもたらす可能性が出てきました!

2006年6月20日火曜日

ちょっといい話を





最近は、サッカー日本代表コミュにちょくちょく顔を出してるんですが、おそらくは観戦歴5年前後くらいと思われる若い人たちが、なにをメディアに刷り込まれたのか知らないけれども、日本代表のダメなところばっかりあげつらってます。それが愛情だと言わんばかりに。完璧なチームなんてこの地球上のどこにも存在しないんだから、どの国のどんなチームにだってダメなところはあるんですけどね。だからこそ、サッカーは面白いんですけどね。

まあ、ワイワイと熱く語るのもワールドカップの楽しみのひとつではあるので、それはそれでいいんですが、あんなに自国チームのダメ出しばっかりしてて面白いのかしら。

それもちょっと辟易してきたので、
ワールドカップにまつわるいい話を書いてみます。

前回の日韓大会のとき、関西だと和歌山や淡路島がキャンプ地として参加国の誘致を行ない、淡路島ではイングランド、和歌山ではデンマークが開催期間中にキャンプを張ったんですね。
こういうのを見にいくのもワールドカップの楽しみで、というか自国開催ならではの楽しみなので、オレ、行きましたよ。合計で10日くらいは行った(笑) イングランドの淡路島はベッカム人気でどえらいことになりそうだから、和歌山へ。和歌山、知り合いも何人かいて、いざとなったら泊めてもらえるしね。

んで、和歌山のデンマークを見にいって、大正解☆

80年代以降、デンマーク代表は躍進しました。攻撃が大好きな国で、ワスワークありパワープレーありで、ダイナミックなサッカーを展開してました。ダニッシュ・ダイナマイトなんて呼ばれてました。

ただ、普通の人は、デンマークのサッカーなんて知らないじゃないですか。ラウドルップ兄弟やトマソンも有名っちゃ有名だけど、世間的にはそれほど有名じゃないし、Jリーグにも来たラウドルップ兄はまったく活躍出来ませんでしたから。だから、日本におけるデンマークのイメージって、なにも知らないかネガティブな印象しかない。いや、本当は、ヨーロッパでももっとも古いサッカーの歴史を誇る伝統国なんですけどね。でも、メチャクチャ強いわけじゃないから、まあ、普通の人は、ピンと来ない。

そういうチームがですね、和歌山にやって来たんですよ。
当時、商工会議所で偉いさんを務めていたオレの知り合いの社長さんも誘致活動を手伝っていたんですが、キャンプ地の誘致なんてもともとが村おこしの一環でやってるわけで、そんな無名のチームを呼んで大丈夫かいな?と。

これがね、最後にはデンマークに来てもらってよかった、ってなるんですよ。

デンマークは、練習を一度も非公開にしませんでした。
普通、この手のキャンプでは、一部あるいは全部を非公開にするチームがほとんどなんですが、デンマークは、すべて公開。
それだけじゃなくて、練習後には、見学に来てた地元のサッカー少年たちを招き入れて一緒にミニサッカーをやったりね。
とにかく、めちゃめちゃフレンドリーだったのが、デンマーク代表。
これが、地元和歌山の人たちのあいだで噂になって、キャンプ2日目から、押すな押すなの大盛況になったんです。連日、3000人前後の人たちが、キャンプ地を訪れていました。

練習を非公開にしたところで、自分たちの強さが変わるわけではないし、なによりもキャンプ地を提供してくれた和歌山の人たちが喜んでくれることはどんどんするべきだ。試合も大切だが、この交流も大切にしたい。

デンマーク代表のオルセン監督は言いました。
いい人ですね。大人ですね。わかってますね。

宿泊先のホテルの支配人と料理長は、食事の件で非常に気を揉んでいました。
ホストする立場としては、デンマーク代表に万全の状態で試合に臨んでもらいたいし、そのためにも、提供する食事は大切です。デンマークから食材を取り寄せることも考えたそうです。実際、そういうことを要求する国はあるし、日本代表だって、どこ行くにしても日本から食材を持っていって、栄養士も帯同させますからね。

そしたら、デンマークのオルセン監督、
料理は一切お任せします。そちらが用意される料理を、我々は喜んでごちそうになります、と。
あなたたちが精一杯ホストしてくれるのだから、我々がそれを感謝して受け入れなければならないのは当然のことです、と。
さらに、
和歌山の有名な食材がカツオであることを知ると、
ぜひ、美味しいカツオを我々に食べさせてください、と。
ここまで言われて、頑張らない料理人はいないでしょう。

それから、「いただきます」や「ごちそうさまでした」なんていう、日本で食事する際の風習も学んでね。

人生は長いわけで、なにもサッカーだけが人生というわけではありません。
それに、優れたサッカー選手になるためには、社会人としても優れていなくてはなりません。勝つだけでは、プロ・アスリートとしては成長しないんですね。勝つ以上のことを学んでいかないと、アスリートとしても人間としても、成長なんてありえない。
デンマーク代表は、そうしたことがわかっているからこそ、和歌山に来たからには和歌山のことを知ろうとするんです。知ると同時に、自分たちのことを和歌山の人たちに知ってもらおうとするんです。

どの国のサッカー協会でも、サッカーを通じて優れた人材を輩出し、社会に貢献する、ということを、規約の最初に掲げています。でも、本当にそれが出来ているのかな、そうする気があるのかな、と思うことがしばしばなのは、デンマーク代表のように振る舞う国が、ごく少数だからなんですね。
今回の日本代表だって、ドイツの在日大使館が歓迎レセプションを開いても、協会関係者だけが参加して、現場の人間、選手やコーチは参加しないし…。

ここからの話は、和歌山で語り草になっていた話で、オレも何度か聞いた話です。もしかしたら、メディアでも流れたかもしれません。

和歌山でキャンプを入っていたデンマーク代表は、練習後に、いつものごとく、サイン会を行なっていました。
主力選手であるトマソン選手(オランダのフェイエノルトで小野伸二選手とチームメイトでした)のまえに、ひと組の母子が立ちました。少年はモジモジしていて、母親が、息子である少年を促します。
意を決した少年は、ポケットから1枚の紙切れを取り出し、トマソン選手にわたしました。
それは、学校で英語の先生に書いてもらったものなのですが、

僕は小さいころに病気にかかって、耳と口が不自由です。耳は聞こえないし、話すことも出来ません。でも、サッカーが大好きで、ずっと見てきました。デンマークのサンド選手とトマソン選手が大好きです。頑張ってください。

そう書かれていたんですね。

そのとき、トマソン選手は、彼に、手話は出来ますか?と尋ねました。
そう通訳に言うと同時に、彼は手話で少年と話しはじめました。
結局、手話というものは言語とおなじで、国によって違うから、手話で少年とトマソンが会話を交わすということはありませんでいた。
手話での会話を諦めたトマソン選手は、少年と、紙を使って会話をすることになりました。通訳も介して。

君はサッカーが大好きですか?
はい、大好きです。
デンマークを応援してくださいね。
もちろんです。それから、あの、ひとつ聞いていいですか?
いいですよ、なんでも聞いてください。
トマソン選手はなぜ手話が出来るのですか?

トマソン選手には、病気で耳が聞こえなくなったおねえさんがいました。そのおねえさんのために、手話を覚えたんだ、と、トマソン選手は言いました。そして、トマソン選手が少年に言ったこと。

君の試練は君にとっても辛いことだと思いますが、君とおなじように君の家族も、その試練を共有しています。君は、ひとりぼっちじゃないということを理解していますか?

少年は、黙って頷いたそうです。

わかっているなら大丈夫。誰にだって辛いことはあります。君にも僕にも。そして君のお母さんにも辛いことはあるんです。それを乗り越える勇気を持ってください。
僕は、この大会で必ず1点取ります。その姿を見て、君がこれからの人生を頑張れるように、僕は祈っておきます。

少年の母親は、泣いていたそうです。

この後、トマソン選手は少年との約束を守り、1点どころか合計4得点をあげるという大活躍でした。
デンマーク代表は前回優勝国のフランスを破ってグループリーグを突破。最後は、決勝トーナメント1回戦でイングランドと激突して、敗れました。

トマソン選手も世界のスーパースターのひとりです。億単位の年俸を稼いでいるでしょう。プロ・スポーツ選手の役割ってなんだ?ということを考えるとき、オレは、トマソン選手のことを思い出します。
プロ・スポーツ選手が、プレーを通じて、見る人々を魅了し、勇気を与えるのが仕事だとしたら、トマソン選手は真の意味でのプロ・スポーツ選手ですね。
勝つだけでは、ダメなんですね。プレーを通じて、見る人々を魅了し、勇気を与えることが出来なければ、プロ・スポーツ選手ではないし、億単位の年俸を受け取ってはいけないんです。

デンマーク代表チームが和歌山を去る前日、お疲れさま会なるものが、宿泊先のホテルで行なわれました。2000人からの人が集まったとか。
件の少年と母親もその会場に駆けつけ、トマソン選手と再会を果たしました。

せっかく応援してくれたのに、負けてゴメンね。
お疲れさまでした。負けたけど、かっこよかったです。それに、約束通りに点をとってくれてすごく嬉しかったです。
トマソン選手が少年に言い、少年は、答えました。

ありがとう、と、トマソン選手は言い、最後の言葉を少年に贈りました。

僕から君に伝えることが出来る言葉は、これが最後です。よく聞いてください。
君は、まえにも言った通り、試練が与えられています。それは神さまが決めたことであり、今から変えられるものではありません。
神さまは君に試練を与えたけれども、君にも必ずゴールを決めるチャンスを、神さまはくれるはずです。君はそのチャンスを逃さず、ちゃんとゴールを決めてください。

少年は、満面の笑みで、ハイ、と。

和歌山では、今でも、デンマークの代表のファンが多いですね。
今回のワールドカップには出てこなかったけれども、またいつか出場することがあれば、きっと、応援するんでしょうね。
件の母子は、一生、デンマークを応援し続けるんじゃないかな。

翻って、日本代表に選ばれているメンバーに、トマソン選手のような対応が出来る選手が何人いるか、と考えてしまいました。勝つことに汲々として、勝つこと以上のことが出来る選手が、何人いるんだろうか。

具体的なこうしたストーリーはともかくとして、日本でワールドカップが行なわれたことで、目立ったところでは、大分の中津江村(李奈さん、今度はちゃんと大分!)がカメルーンと交流を結び、新潟の十日市町ではクロアチアとの交流が生まれました。
自国開催したからこそ、ですね。
ワールドカップで優勝する、いい成績を残すことも果てしなく大切なことには違いないんですが、こうした結びつきをたくさん持てていることは、日本がサッカーの先進国の仲間入りをしているひとつの証拠だと思います。
日韓大会での日本のホストぶりは、今でも世界中のサッカー関係者に好印象を残しています。
日本はまだまだサッカーの後進国から抜け出せていないと嘆く向きが多いんですが、そんなことない。ワールドカップを開催していない国は世界中にたくさんあって、そうした国ではこうした交流はないわけで、もっといえば、ワールドカップを開催した国であっても、サッカーを国家間の代理先頭ととらえる国では、こうした交流も生まれません。

どんな国のサッカー協会であっても、一番最初の規約には、サッカーを通じて優れた人材を輩出し、社会に貢献する、とあります。
試合に勝つだけではなく、勝つこと以上のことを、どこも目標に掲げています。

日本代表の成績が芳しくないこともあって、殺伐とした空気が流れていたので、こんな話を書いてみました。ちょっといい話でしょ。





ワールドカップ日記:
ブラジルvsオーストラリア=2-0
オーストラリアのヒディング監督は、やっぱり優れた監督ですな。あのブラジルのおそらくは唯一の弱点であるところはパワープレイに弱いところだと見抜き、徹底してその戦法で攻めてました。事実、ブラジルは何度かヒヤリとさせられてましたね。結局は負けちゃったけれども、この試合もヒディングの目の確かさがよくわかるゲームでした。

イタリアvsアメリカ=1-1
チェコ戦で大敗したかと思えば、イタリア相手にドローを演じる…、今回のアメリカは結構謎なチームです。アメリカの右サイドがトライアングルを形成して攻め上がることによって、あのイタリアの左サイドが完全に空洞化してました。あのイタリア相手に、それが出来るのがまず驚き。やっぱ、本来の実力を出せば、そこまでのことが出来るチームに、アメリカはなってきてるんですかね。

2006年6月19日月曜日

クロアチア戦、引き分け…

クロアチア戦、引き分けましたね。。。

予想通りの消耗戦になったし、消耗戦になったら勝機があると思ってたんですが、後半はクロアチアに押し込まれてましたね。
交代で入ったフレッシュな選手が、効果的に働けなかったのが痛かったです。

まあ、でも、ホスト国だった前回大会を除けば、初の勝ち点ゲット!
考えようによっちゃ、歴史的な試合となりました。
2大会前にクロアチアと当たったときは、引き分けにいって負けたわけだし、今回はリスクを冒して勝ちにいって、結果、スコアレスドロー。進歩してるんですよ、日本のサッカーは。

このあとのブラジルvsオーストラリアの結果にもよるけど、まだグループリーグを勝ち抜く可能性はあります。
まだまだ、ジェットコースターのように感情が揺さぶられる日が続くってことです。

幸せなことです。

2006年6月18日日曜日

アメリカで本が出るらしいです

なんか、本が出るらしいです、それもアメリカで。

いや、これだけではなんのことかわかりませんな。

ちょうど5年前に、『ぼくらの音楽の原風景』という本を書いていたのでした。
これは、オレがちっこい頃から多大なる影響を受けてきたアメリカの大衆音楽について書いたものです。

ロックンロールの歴史。
ロックンロールの源となった、カントリー&ウェスタンのそのまた源流のアパラチアン・マウンテン・ミュージック。
マウンテン・ミュージックの故郷であるアイリッシュ・トラッド。
ロックンロールのもうひとつの源流であるブルーズ。
ゴスペル。
ハワイイアン。
それぞれの音楽が生まれた背景にあるアメリカ社会の変遷。

こんな内容です。

ノンフィクションというか、エッセイというか、評論集というか、まあ、そういうものですね。

小説だと、ラクなんですけどね。
小説は、その内容が事実である必要はまったくなくて、どんな嘘を書いてもいいことになってますから。
もちろん、細部を省略したり、辻褄が合わないようなものは論外ですが、その嘘が、どんなに突拍子がなくても、もっともらしく、説得力を持っていれば、それは小説として成立します。
小説は、いうまでもなく虚構であり、つくりものですね。そして、つくりものを徹底させることで、現実をやっつける「真実」を出現させようと目論む行為です。

元来が妄想好きだし、自由度が高いから、オレは小説のほうが好きなんですが、これは、小説ではないもののフォルムで書かれています。
事実の積み重ねをベースに、書いてます。
小説のようにではなくて、厳然たる事実の積み重ねによって、真実に辿り着こうと目論んだ本です。
厳しく厳しく、事実を見つめながら書いた本です。

たとえば、いくつかの事実を歴史のなかからピックアップし、整然としたストーリーをつくろうとしたとき、その横には、想定したストーリーにそぐわない、べつの事実が、必ずといっていいほど、忽然と存在します。
それを例外事項として無視してしまうと、とてもラクなんですけどね。でも、事実なのだから、向き合わざるを得ません。事実を積み重ねて書くということは、そういうことです。

なんでアメリカの大衆音楽だったのかというと、それはもう、物心ついたときから浴びるようにして聴いてきて、今でこそそれ一辺倒ではなくなったとはいえ、相変わらず、浴びるように聴いてるわけですよ。ある時期、それがすべてだったこともあります。
そんななかで、オレは、ある種の価値観を、アメリカ音楽を聴くことによって、培ってきました。
それをね、きちんと考えて、相対的に捉えて、普遍的なものを抽出したいと思ったんですよね。
オレは、書くことによって物事を理解する種類の人間なので、書くことで、客体化し、考えを深化させ、理解したかったんです。

「正体」という言葉を、研究者の新英和辞典を引っぱり出して調べてみると、「coming from」とあります。
つまり、出自、あるいはどこからやって来たのか、ということが、どうやら、「正体」の言葉の意味であると、少なくとも英語文化圏ではなっているらしいのですよ。
そんなことを考えながら、オレがあれほど入れ込んできたアメリカの大衆音楽が、いつ、どこから、どのようなかたちでやって来て、どのように変化していったのかについて、探っていきました。
アメリカに何度も取材に行ったし、南太平洋にも行ったし、アイルランドにも行きました。

アメリカの大衆音楽の歴史は、そのまま、異文化の流入、混合、融合、離散の歴史でもあります。アメリカの歴史そのものですね。
見知らぬ者同士が出会う瞬間は、それが対立をもたらすものであれ、共存をもたらすものであれ、心臓が爆発するような、コミュニケーションの瞬間です。
コミュニケーションって、日本語でなんと翻訳したらいいのかわからないけれども、アメリカの音楽の歴史は、この、コミュニケーションの連続で、そこが、僕の心をとらえて離さないところでもあります。


じつは、このテキストを書いた5年前、日本の出版社に売り込みをかけて、いくつか乗ってくれるところがあったんです。

でも、オレは、これを全3巻で書きたかったんですよ。
上記のは第1巻で、それ以降、
・ニューオリンズを窓口としたアメリカとラテン音楽、地中海音楽の相互影響について、
・ジャマイカとナイジェリアを窓口とした、ブラックミュージックの変異について、
・60年代、70年代のアメリカの意識革命が音楽に与えた影響とそのフィードバックについて、
・グレイトフル・デッド、
・MTV、メガストアの出現と、流通の劇的な効率化がもたらしたものについて、
・エレクトロニック楽器とコンピュータとブラックミュージックの相性について、

これらをすべて網羅して、全3巻で完成する予定なんですが、まだ1巻しかいてない状況で(ちなみに、今現在もまだ書いてない…)、さすがに全3巻を出版しましょう!と言ってくれるところはなくて、売り込みをかけたのはオレなんですが、そのオレが、首を縦に振らないで今日に至っているというかんじで(笑)

さらに、英語に翻訳して、アメリカでも出版してくれなきゃイヤだとまで、駄々をこねまして(笑)
だって、アメリカ人にこそ、読んでもらいたいんですよ。おまえらが普段聴いてる音楽はこういうことなんだぞ、って、日本人のオレが言ってやりたかったんですよ。そこらへんのアメリカ人よりも、オレのほうがはるかに、アメリカの大衆音楽を聴き込んできましたからね。

んで、まあ、学術論文か!と言いたくなるほどにマニアックな本なので、それを全3巻、しかも翻訳してアメリカの出版社とも契約しろなんて話をすべて飲んでくれる出版社なんて、あたりまえの話ですがどこにも存在しなくて、今の今までペンディングになっていた状態で。

ところがですな、日本にオフィスを持っているアメリカの出版社がですな、日本語で書かれたオレのテキストを読んで、これをぜひアメリカで出したい!と、言ってきたんですよ☆

これは、ちょっとビックリしました。
まったく予想してなかったし、この本がアメリカで出るのは相当に嬉しいので、全3巻じゃなくてもオッケーしちゃいました(笑)

今から、英訳の作業に入るそうです。オレ、英文なんて校正出来ないんですけど、どうするのかな?
出版は、来年早々だそうです。。

ところで、印税契約にするかしないか、迷ってます。どーしたもんかな?




ワールドカップ日記:
オランダvsコートジボワール=2-1
コートジボワール、立ち上がりが固かったせいで先制点を許しちゃったけれども、それ以外は、素晴らしかったですね。後半なんて、オランダが防戦一方だった。こんなオランダ、見たことないですよ。それでも、オランダの決定力のすごさというかなんというか、結局、シュート2本でゴール2点ですもんね。
今大会のアフリカ勢はすべて初出場だけど、どこも強いですわ。従来の個人技と身体能力に加えて、守備がしっかりしてる。アフリカは新時代に突入しましたな。

メキシコvsアンゴラ=0-0
メキシコは、ボルヘッティがいないだけで、こうも得点能力が落ちるとは。中盤のパスまわしは素晴らしいし、これこそ日本が目指す道だと思うのは今でも変わらないですが、やっぱ、メキシコのクラスでも、才能のあるFWがいるといないのとでは、チーム力に差が出ちゃうんですね。日本にFWが足りないと言われて久しいけれども、それも仕方がないのかな、と、この日のメキシコを見て思いました。

ポルトガルvsイラン2-0
イランがアジア勢で最初にワールドカップを去ることになってしまいました。悲しいわ。今んところ、勝ち点をとったのは韓国だけですからね。ポルトガルは、4度目の出場で、40年ぶりに決勝トーナメントに出場決定。4度目という少なさも、40年ぶりという長さにも驚いたけれども、ということは、フィーゴらの黄金世代が活躍する以前はエウゼビオまで遡るってことなの? そんな意外な印象を持たせるほど、近年のポルトガルは素晴らしい。C・ロナウドのような逸材も出てきたことだし、しばらくはポルトガルの美しいサッカーを楽しめそうです。

チェコvsガーナ=0-2
チェコ、よもやの敗戦。それも、完敗! これ、今大会一番のアップセットでしたね。チェコはポポルスキーの不調とコラーの負傷が響いたとはいえ、ベスト4には行けるだけの力があるチームだけに、まじ、ビックリしました。負の連鎖に陥ってしまったのは間違いないけれども、ガーナが、素晴らしすぎた。特にディフェンスの固さ、粘り強さは、従来のアフリカのイメージを完全に覆しましたね。このグループは、イタリア以下の2位争いが混沌としてきましたな。それにしてもチェコが敗れるとは…。

2006年6月17日土曜日

古くなった紅茶の使い途を教えてください





神戸の事務所を掃除していたら、大量の古くなった紅茶のティーバッグが!
賞味期限は、前世紀になってました(笑)

飲めないことはないだろうけれども、香りはまったくなくなってるし。。
かといって、100個以上あるので、捨てるのももったいないし…。

さあて、どうしますかね?

やっぱ、普通にお湯を注いで飲むって気にはなりません。。

・ティーバックを破いて、チャイをつくるのに使う。スパイスを一杯入れて、香りがなくなっているのをカバーする。
・ゆで豚つくるときに、水のなかに紅茶の葉をティーバッグごとしのばせる。
・鮭もしくはチーズでも買ってきて、スモークするときの材料に使う。
・古くなったTシャツを紅茶染めにするのに使う。
・茶香炉の材料に使う

これくらいしか思いつかないけれども、どのみち、大量100個以上を一気に消化出来そうにないし。

さあて、どうしますかね?

1999年で賞味期限が終わってるくせに、カビが生えてないから、まだいけそうに思えるんですよね。
だから、捨てるに捨てられない。往生際の悪い紅茶です(笑)





ワールドカップ日記:
イングランドvsトリニダード・トバゴ=2-0
トリニダード・トバゴ、負けちゃったけれども、初出場のこのチームの闘いっぷりは、称賛に値しますね。初戦では強豪スウェーデンとスコアレス・ドローを演じ、このイングランド戦でも、83分までは失点を0に抑えた。失点してからも、全然諦めてなかったですね。スコアだけを見れば、順当に負けてるけれども、ゲームを観てる人からすれば、かなり面白いと思いますよ。事実、試合終了後にはイングランドのサポーターからも拍手が起こってたし。トリニダード・トバゴ、すっかりファンになっちゃいました。
イングランドは、ついにルーニーが出てきましたな。あとは、ルーニーがいつゴールシーンを見せてくれるか。オーウェン以来のワンダーボーイの出現が待ち遠しいです。

スウェーデンvsパラグアイ=1-0
パラグアイのキーパーが当たりの日だったこともあって、なかなかゴールが奪えなかったけれども、スウェーデンはようやく本調子になってきたように思います。ラーション、イブラヒモビッチ、リュングベリの連携が悪くて、ずっと負の連鎖に陥ってたけれども、89分、アルバックの視野の広さが、やっと呪縛を解きました。スウェーデンのような強豪国でも簡単に負の連鎖に陥るのがサッカーの怖いところですが、さすがなのは、試合中に、そこから脱出するためにはなにが必要なのかを感じとれることですね。日本代表にもこの力があることを信じたいですわ。

アルゼンチンvsセルビア・モンテネグロ=6-0
確信した。アルゼンチンが優勝します。いくらケガ人がいるとはいえ、あのディフェンスの固いセルビア・モンテネグロをズタズタに引き裂いて6点も取ってしまうとは…。まさに、バケモンの集団です。そして、後半、ついにメッシが登場しましたね。いきなりの1ゴール1アシスト。伝説の幕が切って落とされたかんじです。この大会は、もしかしたら、メッシの大会になるかも。これから10年は世界のトップに君臨するであろう、メッシの黄金のストーリーのはじまりです。

2006年6月16日金曜日

クロアチアと新潟の十日市町





さっき、報道ステーションでやってました。

新潟の十日市町のみなさん、このワールドカップでは、クロアチアを応援してるらしいです。

そもそもの発端が…、
前回のワールドカップのとき、代表チームの合宿地誘致をして、クロアチアが十日市町で合宿を張りました。
その間、町民のみなさんとクロアチア代表チームとのあいだで、とてもフレンドリーな時間を過ごすことが出来て、両者は、今も当時のままの関係を維持しているんだそうです。

合宿中、クロアチア代表チームは町民の子供たちを相手にサッカー教室を開いたり、町民のみなさんはクロアチア代表チームのために千羽鶴を折ってプレゼントしたり。その千羽鶴は、試合のときのベンチにも飾られたそうです。

ワールドカップに出場する代表チームは、開催国のどこかに拠点を置いて、そこで合宿をやりながら調整していき、代表チームを迎えた地域は、ホストとして、その国がワールドカップでいい成績が残せるように、さまざまな配慮をするわけです。
そのなかで、いろんな交流が生まれる。

スポーツや文化の、国境を越えていく、こういう瞬間が、オレはとても好きです。

あの当時は、カメルーン代表チームを迎えた鹿児島の中津江村の様子がずいぶんとメディアで紹介されたように記憶してますが、新潟県の十日市町でも、こんなストーリーがあったんですね。

千羽鶴を贈ったこと以外に、十日市町のみなさんがどんなことをやったのかをオレは知らないんですけど、以降、クロアチアにとって、十日市町は特別な存在になっているようです。
「いろんな合宿地にお世話になったが、十日市町は特別だった」と、クロアチアのサッカー協会はコメントしてました。

新潟中越地震が起こったとき、クロアチアのサッカー協会は、十日市町に、いち早く安否を気遣うファックスを送ったらしいです。
クロアチアもつい数年前まではユーゴ内戦の主役だったわけですから、災害には敏感なんだと思います。だからということもあるんでしょうが、3年前に合宿で数週間を過ごしただけの地の災害に、ちゃんと心を配ってる。。
今回のワールドカップでも、十日市町のみなさんは再び千羽鶴を折って、ドイツにいるクロアチア代表チームに届けたそうです。そしてそれは、試合のときに、再びベンチに飾られるそうです。

でも、日本とクロアチアが、おなじグループに入って闘うことになってしまった。
十日市町のみなさんにとっては、皮肉なことですね。
しかも、それぞれの第1戦を受けて、今週日曜の両者の対決は、どちらにとっても絶対に負けられない一戦になってしまいました。
つくづく、運命はいたずらをしますね。

十日市町では、左半分が日本代表のユニフォーム右半分がクロアチア代表のユニフォーム、というユニフォームをつくったそうです。

本当は、日本とクロアチアの2チームがグループリーグを勝ち抜いてくれたら一番いい。
十日市町のみなさんは、当初からそう考えていたそうです。
そして、今週日曜の両者の対決では、悩みながらも、クロアチアを応援する、と。

日本代表が勝つことしか信じていないオレにとっては、十日市町のみなさんは敵以外の何者でもないんですが(笑)、こういう町が日本にもあること自体、なんだかとっても誇らしいことのようにも思えます。

ひさしぶりに、いいニュースに接しましたよ。




ワールドカップ日記:
ドイツvsポーランド=1-0
前回完璧に抑え込まれたポーランドのスモラレクが輝けるかどうかが、この試合のポイントだったと思います。ドイツのディフェンスが不安定なぶん、ポーランドに勝機があるとしたら、そこです。ドイツはディフェンス陣が頑張ったけれども、頑張りすぎて後半にガス欠。ところがポーランドまでがそれに合わせたかのように足が止まってしまい、結果、ドイツのノイビルが後半ロスタイムに身体を投げ出してボレーを決めて、なんとか薄氷の勝利。これでドイツはグループリーグ勝ち抜けが決まったけれども、まだまだ不安定要素を抱えてますね。

エクアドルvsコスタリカ=3-0
テノリオとデルガドの2トップが好調のエクアドルが、この試合でも活躍。エクアドルもグループリーグを突破しましたね。それにしても、このグループは、やっぱ、組み合わせに恵まれてます。エクアドルのレベルのチームが勝ち抜けるなんて、信じられませんよ。羨ましいかぎり…。

2006年6月15日木曜日

言われたとおりにやってるだけでは…

茨城県つくば市内の19の小中学校に、昨年夏、風車が23基設置されたそうです。
発電した電力を電力会社へ売った収益で地域通貨を発行、環境イベントなどに参加した市民にこれを配布し、買いものをしてもらう…、つくば市が立案実施しているプロジェクトで、環境省の循環型社会モデル事業にも選ばれてるらしいですな。

ところが、この風車が、思ったほどまわらない(笑)

昨年11月〜今年4月までの発電状況は、もっとも多い風車で、197キロワット。少ないところでは18キロワット。23基すべてを合わせても、1,587キロワット。
計画では、年間の総発電量に180,000キロワットを予定していて、この時点でその半分は発電しているはずだったのに、現実には1%にも満たない発電量。

どんな皮算用なんだか(笑)

んで、つくば市は、この風車の開発を請け負った早稲田大学とメーカーを相手取って、約3億円の損害賠償訴訟を起こしたんですと。

市の言いぶんは、「わずかな風でもまわる筒型風車と、発電効率が高いリング型風車を組み合わせた新機種、という早大の説明を信用した」
早大の言いぶんは、「市の要請通りに設置しただけ。風況のよくない場所で大きな発電量を得ようとするなど、市の計画自体にずさんさがあった」

市は、事前に風況調査を行わずして、風車設置場所を決めたそうです。
風車の機種を選ぶ委員会は、委員長を選任せずに、機種選定の決定を出したそうです。
さらに、
つくばの地は、年間の平均風速が弱く、風車にはあまり適していない場所なんだそうです。それなのに、そんな条件でもまわる風車を探して、早大が開発した風車に辿り着いて、契約。

公共団体の仕事のユルさは毎度のことなので、もうこれ以上は言及しません。
どっちみち、大阪市に住むオレにとっては、つくば市の税金がどこでどのように使われようと、あんまり関係ないし。ま、相変わらずアホやのぉ、大阪市も似たようなもんやけど…、くらいの感想しかありません。

それよりも、早大の対応が気になります。
市の要請通りに設置しただけ、だと?

裁判になってるから、相手の落ち度を見つけてそこに責任を被せるような物言いをしなければならないのは、わからないでもないですけど、これ、プロとしての発言じゃないですね。

たとえば、
オレは、広告の仕事をたくさんします。パンフもつくるし、DMもリーフレットもチラシもつくるし、商品パッケージもつくれば、カタログもつくります。Webもつくります。
んで、発注されてくるお客さんは、広告に関しては、素人さんですね。
なるほど、売り出したい商品の知識については、発注されるお客さんが、誰よりもよくご存知です。
でも、その商品が持っている特性のどの部分がユーザーに一番訴求力を持っているのか、それを効果的に伝えるのにはどういう手法がいいのか、なんてことは、広告屋こそが持っているノウハウを駆使していく作業です。

もちろん、発注されるお客さんにはお客さんなりの考えがあります。訴えたいのはこういうことなんだ、このポイントだけは外してほしくない…。的確に、わかりやすいリクエストを出してくださる方もいらっしゃいます。
あるいは、ここは写真をドーンと大きく!とか、金髪モデルのおねーちゃんを使って!とか、ご本人にはこだわりがあるのかもしれないけれども、明らかにピントがずれているリクエストを出してこられる方もいらっしゃいます。
そりゃ、素人さんなのだから、ピント外れのリクエストを出されても、仕方ないってもんです。
でも、こっちはプロなんだから、それをあげつらったりしてはイケナイし、それも加味したうえで、最上の仕事が出来るようにしなければなりません。

相手が素人さんだというのは、わかりきってる。
だから、その方たちのリクエストを、「お客さんの要望だから」といって、丸呑みしてはイケナイんです。
そのリクエストが逆効果をもたらすものでしかないということがわかっていて、それでも、「お客さんの要望」だからといって丸呑みして、結果、案の定、効果が上げられなかったとします。
そのときになって、「そちらがリクエストした通りのことをしただけです」と言っても、通用しません。下手をすると、お客さんは、自分がそんなことをリクエストしたことすら、忘れています。「プロなんだから、こっちの言うことをそのまま使うんじゃなくて、ちゃんと意図を汲んでくれなきゃ」なんて言ってくれるのは、全然マシです。

オレは、
おまえはいつも元気よく「ハイ!」って返事してくれるけど、なんだかんだ言って、オレの要望を聞いてくれたことなんてひとっつもなかったよな。結局、上手い具合におまえのやりたい放題にやられたような気がするわ。でも、そのおかげで、この仕事が成功して、オレの社内での株が上がったんだから、悔しいけど感謝する(笑)

って言われたコトがあります。仕事をしていて「ヨッシャー!」と思えるのは、こんなときです。

結局のところ、こういうことは商売人のセンスだと思うので、早大の開発チームには、商売人の感覚を持った人がいなかったから、こういうことになってるんだと思います。
信用を第一に考える商売人なら、この仕事がつくば市から来た時点で、「うちの風車を使った風力発電では効果的な成果をあげられないので、べつの方法を考えましょう」と切り返すはずです。

つくば市と早大のあいだに、コーディネーターのような役割の人がいればよかったんですけどね。



プロといえば…、
本日の1枚:
『彩』
スティーリー・ダン



ワールドカップ日記:
ブラジルvsクロアチア=1-0
いやー、クロアチアのディフェンスは固いですね。わずかにサイドが上がったときの裏が使えそうだけど、そのまえにサイド勝負で日本が勝てるかどうかが問題。日本戦を考えたとき、このクロアチアはそれ以外に参考になる点はないですね。このゲームでは守ってカウンターのサッカーに徹してたけれども、勝ち点をとりにくる日本戦では攻めてくるだろうから、まったく違ったチームになってると思います。
ブラジルは…、ロナウドが大笑いしてしまうほど太ってて、あきらかにコンディションに難がありますね。決勝トーナメントに入ってから爆発するのかな?

スペインvsウクライナ=4-0
このゲームを見るかぎり、結局のところ、ウクライナはシェフチェンコひとりでどうにかなるほどのチームではないということですね。ウクライナのディフェンスがむごすぎたので、スペインの調子がイマイチ掴めませんでした。まさか、初戦にコンディションのピークを持ってきてるとは思えないし、この大勝が、スペインをかえって狂わせやしないかと心配していまいました。スペインは新星セクス・ファブリガスがどんなプレーをするのか、引き続き注目していきたいです。

サウジアラビアvsチュニジア=1-1
チュニジアみたいな楽勝なチームとやれてサウジはいいなあ、なんて戦前は思ってたんですが、結果はドロー。どうしても外せない仕事があったので、この試合は見てないです。録画してあるけど、たぶん、見ないままで終わりそうです(笑) でも、このグループは混沌としてきたし、スペイン以外にどの国が勝ち抜くのか、わからなくなってきました。

2006年6月14日水曜日

戦争か? サッカーか?





ワールドカップだアジア最終予選だと、勝敗如何で感情がジェットコースターのように一喜一憂するこの時期に、いつも夢想することがあります。

サッカーって、世界中で一番人気があるスポーツだし、国際試合ともなると、それこそ国家間の代理戦争とまで揶揄されますよね。
実際、サッカーのゲームがもとで現実に戦争をはじめてしまったケースがいくつもあるし。
サッカーで国民が団結するのを怖れ、サッカー禁止令なる法律を施行してしまった国もあります。

なんにせよ、サッカーという競技には、それだけの魅力があるということです。

手を使ってはいけない、という、もっとも大きな縛りをつくったことで、それ以外にほとんどルールをつくらなくてすんだ、という、競技の自由度の高さが魅力のひとつ。
もうひとつは、得点が滅多に入らないので(近年の流れは、ルール改善によって、より多くの得点が量産されるゲームにしようという方向になってますが)、思い通りにならないことがとても多い点。
この2点が、人々をサッカーに惹きつけてやまない点だと思っています。

そのサッカーをね、国家間の代理戦争だとまでいわれるのなら、現実にですな、国家間、地域間、民族間の武力衝突をですな、いっそのこと、サッカーに託してしまってはどうなんですかね?

2国間、あるいは複数の国のあいだで対立があり、軍事力に訴えなければならないような事態に発展したとき、その軍事力に、サッカーを導入することは、出来んのですかね?

ときどきね、そんなことを考えます。

戦争にだって、国際人道法、ベルサイユ条約、ハーグ陸戦条約というルールがあるじゃないですか。
宣戦布告をしなければならない。
捕虜は人道的に扱わなくてはならない。
白旗を掲げた相手に攻撃を加えてはならない。

詳しいことは調べていないんですが、南米のペルーがインカ帝国だった時代には、戦争には、現在の競技としての格闘技のような、明確なルールが規定されていたそうです。殺し合いではなく、ルールのある競技の結果に、双方がしたがう。

日本でだって、中世の戦争では、双方から腕に覚えのある武者がひとりずつ出てきて、名乗りあい、一対一の切り合いをして、その結果を全軍に適用させてました。もっとも、この場合は、殺すまでやりましたが。

ワールドカップにおけるサッカーとは、サッカーを軸とした国家間の総力戦でもあります。
まず、その国民が持っている国民性のようなものが、その国のサッカー観に反映します。
ショートパスを多用して相手を攪乱しながら攻め上がっていくスタイルを持つ国は、そういう戦術を国民が好きだから、としか言いようがありません。
守備を堅牢にして、1-0で勝つことを最上の美学とする文化が国民性のなかにあるからこそ、イタリアは、長年、そういうサッカーをやっています。

また、戦術は文法のようなもので、学ぶことが出来ます。
でも、発音にあたるボールタッチは、言語における発音がそうであるように、学んでいる意識などなくても、自然と身につくものです。
飛んでくるボールの落下点で待って、胸や足のトラップでボールの勢いを吸収して
、一発で止めてしまうやりかた。
落下点で立ち止まることなく、動きながら、身体のいろんなところにボールを当てて、徐々にボールの勢いを吸収しながらボールをコントロールするやりかた。
こうしたことは、教えて身につくというよりも、小さなころからみんなでボールを扱ううちに、自然と身につくものです。逆に言えば、自国語の発音にないボールタッチは、身につけるのにかなりの訓練を要する、ということです。

兵隊(代表選手)のスキルは、一朝一夕では、上達しません。若年層からの教育プログラムを充実させ、ソフトとハードの両面でサポートしながらになります。
日本代表だと、福島にJビレッジという素晴らしい施設があります。芝生のサッカーコートが何面もあり、宿泊施設もあり、ハード面ではバッチリです。それ以外にも、この10年で、全国に、年中青い芝生のコートがいたるところにあり、いつでもサッカーを楽しめる環境が整いつつあります。
ソフト面では、全国に共通の教育プログラムを導入し、日本の優位性を生かしたサッカーを、どの地域にいてもおなじプログラムで教わることが出来るようになっています。近年はじまったエリート教育では、チームを引っぱっていける、社会人としてもアスリートとしてもしっかりとした個の確立が出来る真のエリートを養成することがはじまっています。全寮制で、現在では近くの学校に通わせていますが、近い将来、これは、正式な教育機関の認定を受けて、すべての学校教育を含めた教育をそこで行なえるようにするとしています。

兵站業務(食糧、物資)の面では、チームには、プロ栄養士から専属コック、ホペイロ(用具係)まで、今の日本ではきめ細かなサポートが行なわれています。
兵站業務こそ、ワールドカップが国の総力戦といわれるわかりやすい例ですが、ピッチ上に置いている給水のための飲料の成分、温度、量などまでに気を配ることが出来る国、出来ない国をわけるのは、まさに、サッカーにおける国の総力の違いです。

心理学の専門家、カウンセラーがチームに帯同しているところもあります。そもそも、プロの監督ライセンスを取得(代表監督はプロのライセンスを持っていなくてもいい)するには、栄養学から心理学、経営学を学ぶことが、義務づけられています。

時差ぼけを解消するのには1日で1時間が限度、寒いところから暑いところに行ってトップコンディションを維持させるために汗腺を開かせるのには最低でも10日はかかる、といった科学的なデータに基づいたコンディショニング対策を立てることは、その国とその国のサッカー関係者が集めた科学技術の粋がベースになります。

サッカーという競技にかぎったことではないけれども、勝つためにありとあらゆることをやるということは、中長期的な戦略も短期的な戦略も、ゲームにおける戦術も、兵隊業務も、周辺の関連分野の人材も取り込んで、国の文化も、宗教も民族も、政治も取り込んでやっていくということにほかなりません。

サッカーは世界でも一番たくさんの人が熱中する競技だから、「勝つためにありとあらゆることをする」という点については、必然的に、他の競技を圧倒しています。

言葉を換えれば、どの競技にもまして命がけ、かぎりなく(ルールのある)戦争に近いのが、サッカーです。
スポーツが戦争の代理行為という側面を持つならば、世界で一番愛されているサッカーは、あらゆる競技のなかで、必然的に、戦争にかぎりなく一番近い競技でもあります。

ならね、それをね、戦争という現実の殺しあいにとって代えることは出来ないのかな? と、夢想するんですよ。

審判は国連から派遣。核は使ってはいけないというのは、手を使ってはいけないというサッカーの大原則に置き換える。戦争条項に違反する行為があればカードを切り、退場もある。。

アホなことかもしれないけれども、4年に1回のこの時期、そんなことをよく考えるんです。




ワールドカップ日記:
アメリカvsチェコ=0-3
アメリカ、ここ数年順調に強化が進んでいただけに、チェコ相手にどこまでやれるか期待していたんですが、まるでダメでしたね。そもそも、ホープだとかドノバンだとか、懐かしい顔ぶれが未だに中心選手で頑張っているあたり、世代交替が上手くいってないんですかね? チェコは、決勝まで進めるだけの力はあると思うし、楽しいサッカーをするから出来るだけ長く見たいけれども、コラーの負傷がどう影響するかが心配です。

イタリアvsガーナ=1-0
現在のところ、このゲームだけ観てません。録画はしてあるけど、まだ観てません。。。

韓国vsトーゴ=2-1
韓国は、ホスト国だった前回大会(ホスト国はなぜかグループリーグを突破しやすい組み合わせになるのが通例)を除いて、ワールドカップに5回も出場していながら1度として勝利を挙げたことがない国。その意味で、日本の先輩ですね。その韓国が、ついに1勝をもぎ取りました。快挙です。アジアのためにも喜ばしいことです。でも、それを素直に喜べない自分がいる(笑) はっきり言って、腹が立つ(笑) 日本の敗戦と韓国の勝利になんの因果関係もないのに、なぜか腹が立つ(笑) はい、まだまだ精神修行が足りません。。

フランスvsスイス=0-0
ヨーロッパ最終予選でホーム&アウェイの2試合をやって、ワールドカップ本戦でもまたまた当たってしまった両国。WBCのときの日韓みたいなもんです。もう、お互いの手の内を知り尽くしてますから、お互いの長所を消しあう、つまらないゲームになるのは目に見えています。そして、実際、そういうゲームになりました。ある意味、順当なスコアレス・ドローですね。ここが順当に引き分けたことで、韓国は厳しくなりました。まあ、見どころはジダン最後の勇姿だけど、う〜ん、往時の輝きがないからな。。アンリ、代表でいつになったら爆発するの? あとは、あのスタジアム、ゴールキーパーにマトモに陽の光が当たって、眩しそうにしてましたな。スタジアムには欠陥があるみたい。

2006年6月13日火曜日

だから、気持ちだけはな

昨夜の日本vsオーストラリア戦のショックからまだ完全には立ち直れていないルイスです。
アメリカ大会、フランス大会、日韓大会と3大会続けて現地観戦してきましたが、今大会はついにチケットがとれず、あちこちのスポーツバーでワイワイやりながら観戦しております。んで、昨日のゲームは、神戸ウイングスタジアムのパブリック・ビューイングで。もう、ゲームが終わってからは怒号が飛び交ってましたね。

ネットでも新聞でもジーコの采配に疑問が投げかけられ、そっからジーコ更迭論が噴出し、FWはA級戦犯に仕立て上げられ…。

ダメだったところを指摘することはなんぼでも出来るゲームではあったんですが、んなこと、今やっても仕方ないんです。早く、次のクロアチア戦に向けて、気持ちを切り替えるしかないんです。

ただね、日本代表なんだから、何万というプレイヤーのなかから選ばれた23人なんだし、何百万というサポーターが思いを託している23人なんだから、真剣に、闘ってほしいですね。

足がつるまで走る、集中してミスしない、自分がゴールを奪うという勇気を持つ。
この、気持ちの部分が感じられなかったら、どんなゲームでもピッチに立つ資格はないんですよ。
平々凡々なオレだって、誰だって、そうした気持ちを持って、それぞれのフィールドで仕事してるんだから、とんでもない競争率を勝ち抜いてきた代表の23人が、その気持ちを持てないはずがないんです。

だから、気持ちだけはな。

2006年6月12日月曜日

なにやってんだ…

決められるところで決めなきゃ、負けますよ。。

走らないと、負けますよ。。。




あーあ。


神戸ウイングスタジアムより。。。。

ギャルみこし





天神祭まであと1ヶ月半。今年もそんな季節になったんですねぇ。
どうりで暑いはずです。
どうりで梅雨に突入するはずです。

今、地元では、恒例のギャルみこしの募集がはじまってます。
オレのマイミクさんは応募せんのですかね?

1981年にはじまったギャルみこしも、去年だったか一昨年だったか、年齢制限の上限を取っ払ったおかげで、親子2代でみこしを担ぐ風景が見られました。

昨年までは、隠し芸が選考基準の重要な要素になっていましたが、今年は原点に立ち返って、明るさ自慢・元気自慢・体力自慢が重要な選考基準になるそうです。
選考会で実施されるのは、
「天秤棒を担いでの大声コンテスト」
「チームで綱引き」
「サバイバル縄跳び」
の3つ。

またまた元気な婦女子さん70名が大活躍する季節の到来です。

これからしばらくは、我が家の周囲でも練習の掛け声が連日聞こえる日々…、気分は否が応でも盛り上がってきます☆



ワールドカップ日記:
アルゼンチンvsコートジボワール=2-1
サビオラが本当の意味で復活弾でしたね。バルサで不遇を囲い、代表でもいつしか輝きを失っていた天才は、ペケルマン監督に見出されて完全復活したんじゃないかな。コートジボワールは、ドログバが相変わらずミラクルなプレーを見せてましたが、やっぱドログバだけではどうにもなりませんな。
今んところ、ドイツ、イングランド、アルゼンチンと優勝候補が順調に開幕戦をモノにしました。まだ、波乱がありません。。(スウェーデンがトリニダード相手にスコアレスドローに終わったのが、唯一の波乱らしい波乱かな)

オランダvsセルビア・モンテネグロ=1-0
どっちの国のサッカーも好きだし、どちらを応援していいのか非常に困る試合です。結果は、今の力関係をそのまま反映したような結果になりましたね。この試合で輝きまくってたロッペンvsセルビア・モンテネグロの中盤って図式ですが、ワクワクしながら見てました。セルビア・モンテネグロは、連合で出場するのはおそらくオレが最後の大会なので、ぜひ決勝トーナメントまで行ってほしいんですが、アルゼンチンも順当に勝ったしなあ。難しいかな。。

2006年6月11日日曜日

「集合住宅、本当は言いたい苦情ランキング」





今週の日経プラスワンの「なんでもランキング」は、「集合住宅、本当は言いたい苦情ランキング」。いつもながらマニアックなランキングですが、ほんとにまあ、よくこんなランキングを思いつきますよね。

調査方法は、20歳以上の男女各515人、計1030人を対象にインターネットで5月下旬に調査。実際に起きている近所でのトラブルなどを基につくった50項目の選択肢の中から、最大10個を選んでもらって集計だそうです。

1位)顔を合わせたらきちんと挨拶して
2位)駐車してはいけないスペースに車を停めないで
3位)子供の騒ぐ声やたてる物音がうるさい
4位)階段をのぼったり廊下を歩いたりする足音がうるさい
5位)自転車置き場の使いかたを守って
6位)自転車を放置しないで
7位)ゴミは決められた曜日、時間に出して
8位)ペットの飼い方に関する規則を守って
9位)ベランダでタバコを吸わないで
10位)ゴミはきちんと分別して出して
11位)玄関の前に自転車を止めないで
12位)物品販売などの勧誘に来ないで
13位)早朝や夜間は玄関の開け閉めを静かにして
14位)共用スペースで立ち話をしたり、子供を遊ばせたりしないで
15位)廊下や階段などの共用スペースにモノを置かないで
16位)引越の挨拶をしてほしい
17位)テレビや楽器の音がうるさい
18位)来客用の駐車場を独り占めしないで
19位)ベランダで水を使うときは気をつけて
20位)ペットの鳴き声がうるさい

ランク外に、
「我が家のことを近所に聞かないで」
「ゴミ袋を開封してチェックしないで」
「だらしない格好で歩かないで」
「料理のお裾分けを配りにこないで」

上位20よりも、ランク外が面白すぎるじゃないですか(笑)

オレんところはどうだろう?
1位については、そもそも顔見知りの人が3人しかいません。もちろん、この3人と会えば挨拶はしますけどね。3人しか知り合いがいないことのほうが問題なのかも(笑) あ、でも、エレベーターで乗り合わせたオバァとかは、顔見知りであろうがなかろうが、平気で話しかけてみます。相手しますけど、それっきり。それっきり顔を合わせることがない…。
2位、でっかい駐車場があるのでこの問題は発生しません。
3位、オレは子供嫌いだし、騒ぐ声も聞こえるけど、耳障りなほどではないです。
4位、階段を使う人がいないし、廊下を歩いてもそんなに音がしないので、これも関係なし。
5位6位、住人向けの自転車置き場は地下スペースを全面に使って余るほどあるので、住民のチャリは問題ないんですけどね。ただ、1階に市場があるせいで、市場にやって来る外部の人たちのチャリがすごいことになってます。土日なんて、大阪中のチャリが集合してるのか?ってくらいに。駅のチャリ置き場の代わりに使ってる人もいてます。この、チャリだけは腹立ちますね。道を塞いでるから。風が強い日にチャリがドミノ倒しみたいになってるのを見ると、胸がすっとします(笑)
7位、24時間いつでも出せるので、なんの問題もなし。
8位、ペットは飼えまへん。
9位、オレ、ときどきベランダに灰皿持っていってタバコ吸ってますけど、あかんのかな?
10位、軽く分別してます。
11位、見たところ、うちのマンションにはいてないような…。
12位、オートロックでも、入ってくる人はいてますよね。以前、なにかの勧誘のオッサンが玄関の呼び鈴を押しやがったので、マンション入口のオートロックでブザーを鳴らさずに直接玄関口に立つんやったら、不法侵入やで!と怒鳴りました。
13〜20位、すべて特に問題なし。

一応、最新の設備のマンションなので、このアンケート結果を平均とすると、うちはかなりマシです。

でもこれって、近所付き合いがちゃんと出来てたら、ほとんど解消する問題のような気がします。



ワールドカップ日記:
一応、毎回アップします。
ドイツvsコスタリカ=4-2
戦前のオレの予想は3-0でドイツだったんですが、意外に荒れたゲームになりましたね。ドイツはプレッシャーもあったんだろうけれど、ディフェンスの弱点がまったく改善されてないじゃないですか(笑) あいつらは日本戦でなにを学んだんだ(笑) コスタリカも最終ラインが3バックだからか、サイドをえぐられまくってましたね。おなじく3バックの日本も同様の憂き目に遭わないことを祈るばかり。。
コスタリカのワンチョベには脱帽です。2回のチャンスしかなかったのに、2回ともゴールに結びつけちゃう…。あの決定力が羨ましいです。。

エクアドルvsポーランド=2-0
エクアドルのカビエデス、まだ代表にいたんですね。ヒデと一緒にやっていた頃が懐かしいです。
この試合の見どころは、上川徹主審と広嶋禎数副審の日本人審判がデビューした点。誤審を防ぐためにも今回から審判団は人数が絞られて、ピッチに立つのは狭き門になってるだけに、この2人が開幕戦のピッチに立ったのは快挙でしたね。しっかりと試合をコントロールしていたし、審判によるストレスを感じさせない、いいゲームでした。

イングランドvsパラグアイ
優勝候補のダークホース、イングランドがベールを脱ぎます。ルーニーはさすがにこの試合には出ないだろうけれども、17歳で初選出のテオは見てみたいです☆ ここはイングランドが順当に勝つでしょ。

トリニダード・トバゴvsスウェーデン
スウェーデンのイブラヒモビッチが爆発するかどうか。見たいのはそこだけですが、まだ現役で代表にいるトリニダード・トバゴのドワイド・ヨークの姿を久しぶりに拝めるのも楽しみ☆ ま、スウェーデンの勝ちということで。

2006年6月10日土曜日

『ふたつの黒い雨』





『ピカドン・プロジェクト』から、CD絵本『ふたつの黒い雨』が出ました。
絵、黒田征太郎。音楽プロデュース、近藤等則。歌、都はるみ&古謝美佐子です。すごすぎるラインナップですな。 

どっから話をすればいいんだろうか。。
まず、古謝美佐子から。
5年前に『童神』で抜群の存在感を示した、沖縄のみならず現代日本最高のシンガー、古謝美佐子(元ねーねーず)の周辺が、最近、にわかに騒がしくなってきました。
昨年は、モンゴル800と共作して、子守唄『百々(もも)』を発表し、その続編として『黄金ん子(くがにんぐぁ)』も発表しました。
どっちも、シンガーとしてよりも先に、女性・母・祖母としての古謝美佐子という存在が赤ん坊に歌いかける印象で、生の人間が見える素晴らしい歌です。彼女の歌いっぷりはあまたの歌手のなかでも突き抜けてますが、その彼女が、ドロッとした生の部分を見せるのだから、誰も敵いません。この人は、本当に、どんな存在になっていくんだろうか。
んで、今年に入ってからだと思うんですが、次に発表したのが、『黒い雨』。
もともとが江州音頭の音頭取りである桜川唯丸が歌っていた反戦歌、戦争恨み節ですが、これも今では古謝美佐子の重要なレパートリーになってます。
嘉手納基地のそばで生まれ、基地のために父親を亡くし、今も基地のそばに暮らす古謝美佐子が、「沖縄ではまだ戦争は続いている」と歌うんです。どの歌も、命がテーマですね。
べつに、そんな背景を知らずとも、じゅうぶんに説得力のある歌いっぷりです。そこらへんが、古謝美佐子のすごいところでもあるんですが。

都はるみについては、過去日記で散々書いたので繰り返しませんが、今回は、ワールドミュージックに取り組む彼女の面目躍如ですね。

んで、ピカドン・プロジェクトなんですが、これは、言葉からも容易に想像出来る通り、広島・長崎の原爆投下をイメージさせ、反戦を訴えるプロジェクトです。
黒田征太郎、近藤等則、安藤忠雄、荒木経惟が発起人。というか、9.11の同時多発テロ以降、強力に反戦運動を押し進めている黒田征太郎が中心になってやってるプロジェクトですね。
そっから出たCD絵本が、『ふたつの黒い雨』です。
このアルバムで都はるみが歌う『こころの街』は、ジャズ・トランぺッターの近藤等則が、あえてド演歌風に仕上げて、かなり面白いです。この素晴らしいボーカリストの歌声は、優しそうに聞こえて、内実は怒りに震え、相当にドスがきいてますね。都はるみは、近年、発動の幅を広げてから、迫力も深みも格段に増したように思います。彼女の活動をメディアはもっととりあげるべきですよ。
そして、昨年から今年にかけての沖縄音楽の最重要作である、古謝美佐子が歌う『黒い雨』。

この2曲を聴きながら黒田の絵を見ていると、世界の憎しみの連鎖について考えさせられます。音楽がそれを断ち切ることに成功した例などないし、それは楽天的な妄想だということもオレはじゅうぶんに承知しているつもりなんですが、それでも、なにか、考えさせれてしまいますね。最近、悪いニュースばかり耳にするもんで。

でも、音楽なんだから、反戦だとか、そういう背景は関係なしに、じゅうぶんに楽しめます。
それだけの力のある音楽になってますよ、これは。

2006年6月9日金曜日

京都神社仏閣巡り・小ネタ編(笑)

城南宮
誕生寺
羅城門跡
西寺跡
吉祥院天満宮
新熊野神社

昨日行った、京都神社仏閣巡り、小ネタばっかりです(笑)
どこもショボイし、たいして面白くもない。
なら行かなければいいなじゃないか、というのもごもっともなんですが、ところが、そうはイカンのですよ。
なぜなら、
オレの京都神社仏閣巡りは、7年前にJR京都駅の観光案内所で100円で買った京都観光案内地図がベースになってまして、そこに載ってる神社仏閣をスタンプラリーしてるんです。行ったところはマーカーで塗りつぶして、ってかんじで。
300近くの神社仏閣が載ってるんですが、7年がかりで200ヶ所ほど行きました。
残、約100ヶ所。当然、ショボイところもたくさんあります。なんでこんなわけのわからん寺まで?ってところまで載ってます。上記、誕生寺なんて、まさにその典型で、ネットで調べても、まず出てきません。取り立ててなにがあるわけでもなく、かといって廃寺でもなく、なんとなくボンヤリと存在してるかんじ(笑)
でも、地図に載ってるんだから、行くしかないじゃないですか。行かなけりゃ、マーカーで塗りつぶせません(笑)

城南宮ってのは、不思議なところでした。平安時代に都鎮護のために建てられたらしいのですが、一応の見どころは、庭。いろんなタイプの庭を次々と造ってるみたいなんですが、どれもバッタもん臭くて、出来損ないのテーマパークみたいでした(笑) だって、神社のくせに、禅宗仕様の枯山水庭園までつくってるんですよ。白砂に奇岩をボン、ボン、ボンって置いてあるやつね。でも、白砂のところが、なぜか芝生! こんな庭あるか!ってかんじです。これで金をとるんだから、たいしたもんです。
羅城門跡、西寺跡にいたっては、石碑だけなので、車から外に出ることもなく、車窓から眺めただけ(笑)
だって、羅城門跡は周囲が児童公園になってしまっていて、すべり台とかブランコに囲まれて、ひっそりと石碑があるだけだし。西寺跡も似たようなもんで。ここも周囲が公園になってて、小高い丘のうえに石碑がポツンと。往時には東寺と勢力を二分したお寺だっただけに、なかなか寂しいかんじがします。まあ、雨乞い合戦で守敏僧都が空海に負けちゃったんだから、仕方ないんですけどね。
新熊野神社…、丸太町東大路の交差点にあるので、車を停めることも出来ず、駐禁取り締まりのポリさんもうようよしてたので、同行のatricotさんと、交替で車を降りて参拝(笑) でっかい楠を見上げて、ホーッと言って終わりました。所要時間、5分(笑)
吉祥院天満宮。ここで菅原道真公が生まれたらしく、ご生誕の証の品が収まってるらしいのですが、その看板、傷みが激しくて、肝心の、ご生誕の証の品がなんであるのかが、剥げてて読めません(笑)

こんなかんじで、もう、しょぼい小ネタばっかり。ほんと、なんでこんなところばっかりをシラミつぶしに行ってるのか。でも、仕方ないじゃないですか、地図に載ってるんだから。塗りつぶさないといけないんだから(笑)

逆のパターンもあります。
京都の真ん中に、庶民のためのお寺、六角堂というのがあるんですが、それと対をなすかたちで、近くに、革堂というお寺さんがあります。革堂も六角堂に負けず劣らず有名で、調べてみると、なかなか興味をそそられるお寺です。でも、なぜか件の地図には載っていない。載ってないから、行かない(笑)
すぐ近所にクライアントの事務所があるので、このお寺の前はしょっちゅう通ってるんですが、一回も立ち寄ったことがないです(笑)


今回は、結局のところ、最後に立ち寄った比叡山ふもとにあるエスニックカフェ『芽亜里』が一番収穫があったような…。
山んなかにこんな素敵なカフェがあるとはビックリでした☆
比叡山の山のなかに、いきなりバリのコテージが出現したようなかんじです。
グリーンカレーが、かなりおすすめ☆

2006年6月8日木曜日

日本語のなんと柔軟なことか!

ワールドカップ、もうすぐですね☆
サッカー馬鹿のオレはこれからの1ヶ月、すべてワールドカップ観戦記にしたいくらいですが、そんなことをすれば誰も読んでくれそうにないので、やめておきます(笑)

ところで、ですな。
まだ日本で一部の熱狂的な人たちしか観ていなかったころは、普通に「ワールドカップ」と表記されていたように思うんですが、今、「W杯」という表記が多いですね。いつからわかんないけど、そんなことになってますな。
んで、この場合の「W」はワールドと読み、「杯」はカップと読むわけで。よく考えてみるとムチャクチャなんですが、誰もが違和感なく、しかも迷うことなく、そう読んでます。
このあたりの日本語の柔軟性というか、節操のなさというか、懐の深さというか、改めて素晴らしいなと思いましたね。
だって、W+漢字の組み合わせでも、「W浅野」(古い!)だと、「ワールド浅野」って読む人はいなくて、誰もが「ダブル浅野」って読むわけで。
なんでこんな使い分けが、無意識に誰でもが出来ちゃうのか。どう考えても不思議です。

ワールドカップ絡みで、「独W杯」なんて書かれた日には、えらいことですね。
独=独逸=ドイツの当て字の省略形に、Wをワールドと読ませ、杯はカップと読ませる…。
冷静に考えると、すごすぎます。もっとすごいのは、誰もが違和感なく使ってることなんですけどね。

ついでに言うと、「五輪」は「オリンピック」。日本語を学ぶ外国人は絶対に読めないと思うけれども、ネイティブの日本人にはなんの違和感もなく読めてしまうんですよね。不思議☆

大体、漢字なんて普通でも何通りも読めるものがたくさんあるのにね。
行=「行(く)」「行(なう)」「くだり」「コウ」「ギョウ」「アン」

2006年6月7日水曜日

『ライフ・イズ・ビューティフル』





 仕事先で素敵なDVDがまわってきたので、仕事の手を止めて思わず見てしまいました。

 『ライフ・イズ・ビューティフル』。
 喜劇俳優ロベルト・ベニーニの監督・脚本による、言わずと知れた世界的大ヒット作ですね。欧米であまた量産され続ける「ナチスもの」のなかでも、極めて異彩を放つ戦争喜劇です。

 ざっとストーリーを要約するとですな、
 舞台は1937年、イタリア・トスカーナ地方の小さな町アレッツォ。陽気なユダヤ系イタリア人のオレフィッチ・グイド(ロベルト・ベニーニ)と美しい小学校教師ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ。ベニーニの公私にわたるパートナー)の運命的な出会いから物語ははじまります。いちいち思いもよらない滑稽な方法で自分の面前へ登場するグイドに、ドーラの心は奪われ、やがて2人はめでたく結ばれるんですけどね。
 が、しかし、ときはムッソリーニによるファシズム政権下。一粒種のジョズエ(ジョルジオ・カンタリーニ)に恵まれた幸せな生活も、ひたひたと迫り来るユダヤ人迫害の嵐に巻き込まれていきます。そしてジョズエの5歳の誕生日の日、一家はユダヤ人強制収容所に連行されてしまいます。
 絶望的な収容所の生活。しかし、ここからが本作の白眉なんですよ。
 グイドは、幼いジョズエに悲惨な現実を悟らせないために、この収容所生活は「ゲーム」なのだ!と、決死の嘘をつきます。とにかく、生き抜いて「得点」を稼げば戦車がもらえるのだと、グイドはジョズエに吹き込み続けるのです。
 「軍服を着た悪者に見つからないようにかくれんぼをするんだ。最後まで見つからなければ、ご褒美に本物の戦車がもらえるんだ。泣いたり、ママに会いたがったりしたら減点。いい子にしていれば点数がもらえて、千点たまったら勝ち。勝ったら、本物の戦車に乗ってお家に帰れるんだ」
 ガス室へと送り込まれ、所内から減ってゆくユダヤ人たち。連日の肉体労働と空腹。絶望の日々が続きます。でも、グイドは、ひたすら笑顔で明るく振る舞い、幼いジョズエにこれが「ゲーム」なのだと固く信じ込ませるのです……。

 ナチスによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を、ユーモアを交えながら告発する本作のベニーニのやりかたは、リアリズム追求の論点から、多くの批判を呼び寄せもしました。でも、弾圧迫害される側が、なにも想像せず、抵抗もせずに死んでいったわけじゃないではないですか。
 そこには、人間がいます。恋をし、季節を感じ、笑い、呑み、歌い、踊る、あまたの人間がいます。父親が強制収容所体験を持つベニーニは、ややもすればとっぴないと思われるシナリオをもってして、人間主義と国家権力を明瞭に対置させ、ひとつの物語を、観る者の心に深く刻み込ませる戦法をとったのでした。
 極限状態の絶望のなかで、何度でも再生される積極的人間性のありかは、まさに愛の人、ベニーニであるからこそ触れえる世界です。そしてなによりも、ベニーニ自身による演技が素晴らしい。ユーモアとペーソス、そして想像力が導く人間讃歌に乾杯したくなります。

 ベニーニは、インタビューでこんなことを言っていました。
「僕のようなコメディアン的な男が強制収容所という極限状況に置かれる。このアイデアには自分でもびっくり仰天した。クラクラしたよ。怖くなったぐらいさ。大量虐殺の現場にコメディアンがいるなんて、なんとも逆説的だ。だからといってひるむわけにはいかない。そんな映画をつくる勇気はない、なんて言いたくなかった。それほど魅了されたんだ」
 と。

 うん、いいものを観ました☆

2006年6月6日火曜日

四十独身男、料理三昧の日々





月初というのは、月末の反動もあってか、どーも集中して仕事をする気にならんですね。やることはなんぼでもあるんですが、切羽詰まってないために、ボチボチしかやりません。ボチボチでもやるだけマシなのかも、ってかんじです(笑)

のんびり出歩いたりして、いろんなものをインプットしたいんですが、どーも、出歩く先が、半径5分以内の市場に限定されてしまうのは、どうしたことですかね?(笑)
電車に乗ってミナミに行く気にすらならんです☆

そんなわけで、食材買い込んできて料理ばっかりしてます。
40男が暇にあかして料理三昧。。気持ち悪いな☆

今日は、美味そうなゴーヤがどーんと八百屋に並んでいたので、チャンプルーを。
材料は、ゴーヤ、車麩、ニラ、ポークランチョンミート、もやし、卵、牛乳、木綿豆腐。
1)ゴーヤを縦半分に切って、中の綿をスプーンで徹底的にこそげ落としてですな(でないと苦みが残るからね)、それからスライス。
2)サラダ用に少し取り分けて、そっちは水にさらしてから塩揉みして、そのまま冷蔵庫行きです。
3)車麩は手で適当な大きさに割って、牛乳に浸して戻す、と。水でもいいけど、牛乳で戻したほうが美味いですね。
ポークランチョンミート、ニラ、木綿豆腐を適当な大きさに切って、炒める、と。
ゴーヤも加え、牛乳で戻した車麩に溶き卵を絡めて炒め、ダシをふりかけて、塩コショウして、もやしと溶き卵を入れて、フライパンにフタして火を止めて、余熱を加えたら出来上がり。
ゴーヤの塩揉みと一緒に食すと、いいかんじですな。
調理時間合計15分くらい?

昨日は、トマト&チーズ・オムレツ。
材料は、缶詰のホールトマト、普通のトマト、アスパラガス、チェダーチーズ、コンソメスープ、牛乳、卵。
1)まず、固形のやつを鍋に放り込んで、コンソメスープをつくります。溶き卵に混ぜるやつは熱をとるために冷蔵庫に。残りは、缶詰のホールトマトを汁ごとボールに入れて、そこにコンソメスープをぶちこむ。んで、塩コショウ。
2)アスパラは、根もとの固いところは落として、適当な大きさに切って、網で焼きます。
3)卵はですね、コンソメスープ、牛乳、塩コショウを混ぜて空気を入れるように撹拌します。
4)トマトは、皮を湯引きしてサイコロ状にカット。
5)フライパンにバターをひいて、オムレツをつくります。
6)んで、オムレツの中に、チェダーチーズとサイコロ状にカットしたトマトを入れて、それらを包むようにしてオムレツをつくっていきます。
7)オムレツが出来たら大きい皿に入れて、ホールトマトとコンソメスープを併せたのをぶっかける。網で焼いたアスパラをてっぺんに載せて出来上がり。
空豆のポタージュを同時進行でつくって、一緒に食べるといいかんじです。
所要時間30分くらい。。

一昨日は、せせりを買ってきて、アスパラと一緒に炒めて塩コショウして食べてました。あと、ほうれん草のおひたし、大根の千切りの浅漬けもつくって。あ、イカの刺身も。

金曜の夜は、なに食べたっけな?
ああそうだ、フォーを食べました。
インスタントのフォーを買ってきて、本当だったら鶏の挽肉を炒めたのを乗せるんですが、それはあんまり好きじゃないので、揚子江ラーメンで排骨を買ってきて、それをレンジでチンして乗せて食べました。このほうが絶対に美味いもん☆ んで、atricotさんにミントをいただいたので、それをちぎって乗せて。
エビがあればベトナム風生春巻きでもつくるんですが、よさそうなエビがなかったので、今回はパス。やっぱり大根の千切りの浅漬けをつくって、汁ものメインなのに、なぜかみそ汁までつくって(笑) アオサをもらったので、アサリを具にしてアオサをみそ汁に大量に浮かべて食べたのでした。磯の香りがプ〜ンとしていいかんじ☆


なんか、ここ数日に作った料理のレシピを並べてみました(笑)
明日は、なにをつくるかな?

2006年6月5日月曜日

批評してください

批評してください


えーっと、半月ばかり前、キリ番10000hitのときですね、ちょうどマイミクのatricotさんのHPのオープンと重なって、しかもその atricotさんがキリ番を踏むというミラクルなことまで起こってしまってですね、ねぎらいのお言葉やらお祝いのお言葉やら、過分なお言葉をいっぱい頂戴しました。でも、そのせいで書きそびれてしまったことがあるんです。

atricotさんのHPは、オレがディレクションしてつくりました。

お店や企業のHPをつくることはあっても、atricotさんのHPのように、いわゆるアート関係のHPをつくることは初めてのことで、かなり手探りの状態でつくりました。さらに、近しい関係の人のHPなんで、仕事として取り組んでいない面もあります。
そんなわけで、半月が経った今、まだ客観視出来ていない面があり、かなりかなり不安です。

そこで、マイミクのみなさんにご高覧いただいて、批評していただきたく思っております。

htmlがおわかりの方は、ソースをご覧になっていただいてもかまいません。

お忙しい方ばっかりだし、んなもんに付き合ってられるか!って方も多いとは思うんですが、もし、暇で暇でしょーがなくて、まあ、付き合ってやってもいいかなと思われる奇特な方がいらっしゃいましたら、どうか、批評してやってください。

すべてを隅々まで見て…、なんてあつかましいことは言いません。すでに、あつかましいお願いをしておりますから。パッと見た印象でもなんでもいいんです。ちょっとしたことでも、いいんです。デザインのこと、文章のこと、写真のこと、ナビゲーションのこと、構成のこと、色使いのこと…、どんなことでも結構です。
出来ましたら、こりゃダメだ!と思うところを教えていただけたら、幸いです。

よろしくお願いします。


atricotさんのHP




そうそう、本当はBGMにデタミネーションズを流したかったんですが、もちろん著作権があるので、それは無理。



Determinations / Bayon!

2006年6月4日日曜日

アホですな

あの、和田ナントカという画家のオッサンは、なんですか?(笑)
安倍なつみでさえ、自分の盗作がバレたときには、一応は謝罪をしたってのに、このオッサンは66歳にもなってんのに、謝罪するどころか、わけのわかんないイイワケばっかしてますね。かなり、笑わせてくれます☆ 誰が見たって、盗作だろーが、あんなもん(笑) 往生際が悪いというか厚顔無恥にもほどがあるってもんです。

「これらの作品はスギ氏との共同制作です。コラボレーションです」
って、あーた、当のスギ氏が否定しているうえに、訴えないでくれって手紙まで出してんでしょ(笑)

「これは誰かが私をワナにはめようとしてるんです。誰かの陰謀です」
って、あーた、ゴルゴ13ですか?(笑)

安田火災東郷青児美術館大賞の作品も、スギ氏の作品のパクリだってことがバレちゃっいましたね。全体の構図から、ひとりひとりの人物から、色使いにいたるまで、まるで、コピー機でコピーしたみたいにソックリじゃないの(笑)
ま、安田火災といえば、バブル時代に無節操に絵画を買いまくって、オークションで鼻つまみ者にされてたところですよね。どこもかしこも、なに考えてるんでしょうか?(笑)

ほいでですな、こんな、誰が見ても盗作としか思えんような代物を、擁護してらっしゃる勇気ある方がいらっしゃる(笑)

作家の森村誠一。
「2人の作品を比べると、たしかに図柄なんかは似てますけどね、色彩とかですね、空間の取り方とかね、まったく違いますよね。これはね、盗作問題ではないですね」
って、あーた、それは無理がありすぎるでしょうが(笑)
まあ、でも、この盗作画家は森村誠一の著作の装丁や挿画なんかを手がけているから、擁護せざるを得ないんですかね。公式サイト(http://www.morimuraseiichi.com/)でも擁護してるし、ツーショットの写真が何枚も☆

ちょっと調べてみたら、いろいろありますよ☆

「何でも鑑定団」の永井画廊がHPに掲載して褒めまくっていた盗作画家の絵を撤去したとか、ね。
政治家の綿貫民輔の肖像画を描いてる、とか。

そもそも、なんでこんな盗作がまかり通るのか。なんで芸術奨励賞なんかが受賞出来ちゃうのか。理由は簡単。審査員はだいたい芸大の先輩です。そいつらがお互いに後輩を誉めあって賞をあげるんでしょ。そして権威づけしてあげるわけでしょ。そうすると絵画の値段が上がって、先輩に足向けられなくなる。一種の徒弟制度ですから、先輩が推薦した作品にいちゃもんなんかつけられないんでしょ。絵画の世界は実力の世界ではなく、徒弟の世界ですからね。

それはそうとですね、今、あちこちのニュースで言われてるのが、盗作とわかってしまった以上、価値が暴落するから買った人はたまりませんね、っての。
どっか狂ってますよね。
もう、完全に、市場原理の話になっちゃってる。絵画=投機の対象だってことが前提で話が進んでます。

芸術は、自分の感性に突き刺さってくるものを所有したいと思う人が買うものなのであって、持ってると将来値段が上がりそうだから買う、なんて考えで買った人は、値が上がる可能性があるなら下がる可能性もあるのだから、自業自得だと思ってください(笑) あるいは、自らの鑑定眼を恥じてください。

ここまで大胆に盗作するか?って話もありますが、もう、コピーしたのか!って言いたくなるような盗作って、結構あります。
オレはむかし、とんかつのKYKの会社案内パンフレットのコンペに参加して、見事に落選したんですが、後日、オレがコンペに持ち込んだ企画がそっくりそのままパンフレットになってました。そっくりそのままですよ。激怒して、裁判しましたけどね。もちろん、勝訴して、損害金せしめたことがあります。
風俗業には、無名のコピーライターが書いた素晴らしいコピーがあります。「脱がない、舐めない、触らせない」ってやつで、風俗嬢向けの求人広告に使われてるコピーなんですが、その手の雑誌を開いてみると、このコピー、あらゆるお店の求人広告に使われてますよ。盗作もへったくれも、そんな意識すらないです。
まだありますね。もう廃刊になっちゃいましたが、エルマガジン社から出ていた関西発の音楽雑誌『トーキン・ロック』は、『ロッキンオン・ジャパン』をモロにパクってましたね。レイアウトから書体から写真の撮りかたからインタビューの切り込みかたまで!もう、関西版ロッキンオン・ジャパンか?ってほどで。

みんな、プライドはないのか?
自分にしか出来ないオリジナルのものを生み出したいから、モノヅクリの人はみんな、モノヅクリをするんでしょうが。
それをね、おカネに負けてどーする!
いや、おカネとプライドは、本当はぶつからないんです。短期的な儲け話とプライドがぶるかるだけで、本当は、ロングのスパンで考えたら、プライドとおカネは仲よく共存出来るんです。
どーしてそれがわからんのか。。

2006年6月3日土曜日

高気圧にオレの名を!





ときどきしか見ないんですが、こないだ朝っぱらから「特ダネ」を見てましたらですね、ネーミングライツの話が。

あれですね、
横浜国際競技場が「日産スタジアム」になったり、西武ライオンズの2軍は「インボイス」でしたっけ?
命名権を買い取って宣伝に使うやつですね。

そーいえば、宣伝じゃないけれども、星なんかも、発見者の名前がついてましたね。
あ、イナバウアーも、競技者の名前でしたね。
このあたりになると、ネーミングライツとはちょっと違ってくるのかな。

んで、「特ダネ」で紹介してたのが、
ドイツの気象研究所では、予算確保のために、低気圧と高気圧にネーミングライツを公募してる、と。
いやー、発想がすごすぎます☆
低気圧とか高気圧にネーミングライツって、誰が考えたんだ?(笑)

天気図に記載されるんですよ! 新聞の天気予報欄にも載るんですよ!
「ルイスがもたらした大雨の影響で各地に甚大な被害が…」なんてね(笑)

低気圧が日本円で約28,000円、高気圧が約42,000円。高気圧と低気圧で値段が違う理由がわかりません(笑)ドイツでは、高気圧のほうに希少価値でもあるのか? そーいえば、今、ドイツは30年ぶりに季節外れの寒波が来てるらしいですが。

どっちかというとオレは高気圧に自分の名前を付けてもらいたいです。
んで、早速調べました。
そしたらですよ、いるんですね、日本人で、ドイツの低気圧のネーミングライツを買った人が。

オレも買います☆
新星を見つけることは生涯なさそうなので、せめてドイツの高気圧にでも自分の名前を残しておこうかと(笑)

命名権の公募は毎年10月に行なわれ、翌年の高気圧と低気圧の命名権を先着順に得ることが出来るそうです。
2006年の命名権公募は10月4日から。2006年は、高気圧が男性名、低気圧が女性名だそうです。

手続きを詳しく説明してくれているページを発見しました。


みなさんも、ひとくち乗りますか?(笑)
オレは、乗ります!(笑)

2006年6月2日金曜日

まだまだ青二才のルイスです

んにちわ、atricotさんのHPを制作したルイスです。

もともとが印刷物の制作主体でやって来ましたが、ここ数年は、web制作の仕事を断り切れなくなり、やむなく独学で覚えて仕事をこなしています。

発注者がある場合のお仕事(広告、販促物)では、自分のカラーなど邪魔なだけなので、職人仕事に徹しております。そういうスタンスで、仕事してます。
なので、どのようなデザインのものでも対応していきたいな、と。

そんなかんじで、日々、頑張っております。

が、
最近、オレも参加している某コミュが荒れまくっておりましてですね、荒れたついでこのようなサイトが紹介されたのですが、負けました☆

愛生会


これ、すごすぎます!(笑)
こんなの、どう逆立ちしてもつくれません(笑)
たとえ前金でギャラをもらっていても、返金してでも、逃げます。。
もちろん、この病院にだけは行きたくありません。それ以前に、病院そのものに行きたくないですが。

どのようなデザインでも、と言いながら、でも、このような仕事はさすがに無理!
まだまだ青二才のルイスです(笑)

そうそう、
atricot.jpのドメインを取得したつもりが、まちがってattricot.jpのドメインを取得してしまい、気付いたときにはwhois情報もすべて公開されてしまっておりました。ドメイン登録行者に入金も済ませ、レジストリに登録もされてしまっていたので、まったくどうにもならない状態に…(涙)
改めてドメインの取得し直しです。しかも、追加で(涙)

まだまだ青二才のルイスです(笑)

2006年6月1日木曜日

鴨川の源流に行く





昨日まで月末仕事パンパンで、まじ、寝る暇なかったです。mixiやってる暇なんて、1秒たりともない状態(笑) 久しぶりに、マックスで忙しかったですわ。マイミクのみなさん、日記の巡回、全然行けてないです。すんません。。
なんせ、月刊誌130ページ弱の新雑誌創刊業務を1人で編集するなどという、地獄の鬼も逃げ出しそうな狂気の沙汰。。。数年に1回あるかないかみたいな体験をしてますですよ。

でも、なんとか月末を乗り切りですね、日付の変わるまえにベッドに入り、寝ようかなと思った矢先。翌6月1日は晴天。しかも予想最高気温30℃。終日寝ていようかとも思ったんですが、この天気なら雨女の相方を連れ出して出かけない手はありません☆
んで、急遽、鴨川ドライブ&神社仏閣巡り実施。

夜の遅い時間に決めたのでお弁当をつくってもらう時間もなく、当日は、オフィス街にてビジネスマン昼食向けのワゴン弁当屋さんを物色して、お弁当を購入。

オレは、京都の魅力は鴨川に負うところが大きいと思っているので、今回は、今までに行ったことのない鴨川を上流まで遡ってみたいと思ってました。
地図でみると、鴨川が山に入ったあたりで、雲ヶ畑という地名があります。どっかで聞いたことがある程度でまったく思い出せないけれども、まあ、山だし、北山杉でも拝んで、澄んだ美味しい空気も吸えるだろう、と。

ところで、オレがかれこれ10年近く愛用してボロボロになっている、京都市観光協会発行の京都観光案内地図なるものがあります。縮尺とか細かい道だとかがかなりいい加減な地図なんですが、神社仏閣がこれでもかというくらい載っていて、オレの神社仏閣スタンプラリーには欠かせないアイテムになってるんです。行ったところはマーカーで塗りつぶしていって、そろそろ200軒くらいは塗りつぶしてるんですが、それでもまだ3分の1程度は未踏のスポットが残っているような、詳細な地図。
この地図を広げてですな、雲ヶ畑なる場所あたりを見てみると、なんと、今までまったく気付かなかったのですが、志明院なるお寺がポツンと太平洋の離れ小島みたいにして、記載されているではないですか。
当初は、鴨川上流ドライブをやったあとに適当な場所でお弁当を食べて、それから市中に戻ってどっかの寺を攻めようかと思っていたのですが、方針変更。鴨川上流を攻めつつ、この、志明院を目指す、と。

途中、案の定、とても京都市中から車で30分足らずとは思えないような山のなかを走り、ところどころに大きな穴のあいているアスファルト道をガタガタ言わせながら走り、ほんまにこの道で正解なんかいな?と不安を募らせ、志明院に到着。

いや、いいお寺でしたよ~。これ、大ヒット☆
山にあるお寺といえば、京都では、有名どころだと鞍馬寺、ちょいマニアックだと、鳥獣戯画のある高山寺。どっちも素敵なお寺さんですが、この、志明院、そこに負けず劣らず、とってもいいです。人がいないぶん、こっちのほうが断然いいと断言してもいいです。

険しいところにある山寺でね。30℃の夏日でしたが、車から降りた途端、すっごく気持ちいい程度に空気がひんやりしてて、しかも濃厚に緑の匂いがする…。
生き返るというか、パワーをもらうというか、そういうかんじです。

鄙びた、いいお寺さんです。
岩屋山不動教の本山で、650年に役行者が草創し、829年に空海が淳和天皇の勅願により再興したのだとか。天保年間に本尊と山門以外のほとんどが焼失したんですが、なかなか由緒あるお寺さん。続日本記にも、ちゃんと記録が載っているそうです。

空海開眼のお不動さんや、菅原道真作のお不動さんなんかもあるんですが、そんなものよりもなによりも、本堂裏手の山を登っていくと、大きな岩に隠れるようにして、浅い洞窟があるんです。
で、なんと、そこが、鴨川の水源。その洞窟から湧き出した水が、鴨川となって京都市中を流れているんです!
もちろん、鴨川上流はいろんなところに分岐しているので、これが源流であるとひとつに特定することは出来ないので、この洞窟の湧き水は、源流のひとつです。しかし、この洞窟の湧き水を空海が神聖視し、水神を祀り、皇室が崇敬しています。
ただ、そうした由緒を知るまでもなく、ここに来れば、一発で、この場所が聖地であることがわかります。大きく迫り出した岩とその陰にある洞窟は、すごい迫力です。ましてや、そこが鴨川の源流のひとつなら、空海ならずとも、この場所を聖地とし、祀りたくなります。

古びた山門をくぐると、社務所にいる初老のご婦人が迎えてくれました。このご婦人、下駄にもんぺ姿なんですが、すごく美人で品がありました。
流行りのスローライフもロハスも関係ない、べき論でもなんでもなく、自然体でそれを実践している素敵な素敵なご婦人が、お寺の由緒や見どころを説明してくれました。

石楠花がすでに散ってたけど、おそらく紅葉のシーズンはすごくキレイだろうけれど、でも、天気がよくて、気温がちょうどよくて、緑が濃厚で、絶対に一番いい季節に行ったんだと思います。

このお寺さんはかなり気に入りました。
また絶対に行きたいな、と、思った、数少ないお寺さんでした。


そのあと、鴨川でお昼寝。2人して、本気で熟睡してしまいました(笑)
そして、久しぶりに、ヴァン・モリソンが聴きたくなりました。




Van Morrison / It's All Over Now Baby Blue