2007年6月8日金曜日

京都神社仏閣巡り番外編 動物園の巻

水曜は久々のオフ。しかも、オレと相方さんの両方がオフ。
んで、どっか行こか、と相成ったわけですが、たまにはお寺さん以外のところに行こうかということになり(考えたら、長いこと、お寺さん以外のところに2人で行ってません。笑)、動物園に行くことになったわけです。

京都市動物園、こんなところです。

南禅寺の近くにありまして、全然おっきくないんですよね(笑)
ほいで、旭山動物園みたいに見せかたに特段の工夫があるわけでもなく、珍しい動物がいるわけでもなく、なんの変哲もない、ふっつーの動物園ですわ。

でも、ちょっと遊びにいくのに、ちょうどいいサイズの動物園でした。
ちょうど2年前に、相方さんと天王寺動物園に行ったんですが、あそこは広すぎましてね。朝から、今日は動物園で遊ぶぞ!って気合いを入れていかないとしんどい場所です。
でも、京都市動物園は、朝、モーニングを食べながら、どこ行く~?って話になって、ほな動物園でも!ってかんじで、すごくお気楽に行ける、お気軽な場所ですわ。

さて、南禅寺の端っこにはインクラインなるものがあります。
動物園のまえに、インクラインのことを書いてみますかな。これは、なかなか壮大な事業です。

京都と琵琶湖を結ぶ水路の琵琶湖疎水というのがありまして、水道用水の確保と、船での交通の充実を図るために明治時代に建設されたのですが、インクラインは、船が上がれない急な坂を貨車を使って引っ張り上げるための線路の跡ですわ。

しかし、山にトンネルを開けて琵琶湖の水を引っぱってくる…。エラいことをやったものです。
今ならどうということもなく、自然破壊はよろしくないという意見との対応のほうが大変なんでしょうが、琵琶湖疎水は明治18年(1885年)の着工。近代日本がちゃんとやっていけるのかどうか、じつに心細いときの決断だったのでした。

京都には、鴨川があります。口の悪い江戸っ子の滝沢馬琴も、「京都でよいのは女、寺社、そして加茂川の水だ」と褒めたくらいです。茶道が発達したのも、地下水が悪くなかった、という側面もあります。
でも、水利の総体としては、必ずしもよいとはいえなかったんだと思うのですよ。北山の雨が一定量をわずかでもオーバーすれば鴨川は洪水となったとのことだし、低地の市内からは何日も水が引かない。疫病伝染の悪循環になる…。

琵琶湖の水を引いてこようというプランそのものは古くからあったらしいのです。平清盛も考えた形跡があるし、幕末には本格的な設計図さえつくられています。
琵琶湖の水が京都に勢いをつけるに違いないと、多くの人が思っていたのですね。

もちろん、資本や技術がなかったせいもあるでしょうが、踏み切るチャンスがなかったんじゃないかな。

でも、元治元年(1864年)の戦争で市内の半分が焼け、復興もままならぬうちに維新の政変、政府を東京に持っていかれてしまう。朝廷とかかわりつつやってきた伝統産業の行方は真っ暗、というところで、琵琶湖疎水の計画が装いも新たに登場しました。ピンチをチャンスに変える、典型的な例ですな。

さて、琵琶湖の水を引いてきて、どうするのか。

第1の目的は水運です。国道1号線の日ノ岡から蹴上のあいだ、これは今でも交通渋滞の難所ですが、当時は坂も急で、舗装もなく、ひと雨でヌルヌルになってしまう。水運は、これを解決します。
その次に、農業用水。3番目が動力です。その他に上下水道、防火、衛生など。
大変な工事だったらしいですね。工費の不足分が戸別に徴収され、反対論が再燃するトラブルも起きた、と。府庁の職員がポケットマネーを出して反対論を鎮めた、なんてエピソードもあります。

第1疎流が明治23年 (1890年) に完成。大津取水口から蹴上までの全長8.7kmのうち、トンネル部分がなんと3.4kmです。
完成間近のころに、世界的な電気ブームが持ち上がり、水車動力はもう古い、ぜひとも水力発電でいこう!ということになって、知事が技術者を伴って渡米、コロラド州へ水力発電所を見学にいったのでした。
で、京都でもやれる!と。
帰国した知事が関係方面を説得し、完成間近にして計画変更、水車発電から水力発電方式に切り替えたんです。最初に計画を発表したらなにがあっても絶対に曲げない今の役所とは、大違いです。

仕組みは、こうです。
琵琶湖からの船はトンネルを潜って蹴上に出る。台車に乗せられてインクラインを下り、台車から降ろされて疎水に浮かぶ。戻り船はこの逆をいくが、乗降の動力とブレーキは近くの発電所の電力を使う、というシステム。
琵琶湖と京都市内とでは水位に約40メートルの落差があり、それは発電にはうってつけの落差なのですが、船を通すのには大きな障害となります。それを上手く解決したのが、インクライン方式ですな。

時代はくだって、運輸のメインは鉄道にとって代わられ、水運は衰退。インクラインも、明治の終わりには役目を終えました。
現在、そこは草が生い茂り、夏草や強者どもが夢のあと、という風情で。

ま、往時を偲んで、相方さんが、なぜか線路をまたいで土俵入りしてましたが(笑)


えーっと、行ったのは動物園なのですが(笑)、動物園へ行く道中、インクラインの跡地を歩いたので、つい、そっちを書いてしまいました(笑)

動物園はですね、なんの変哲もない動物園なんですが、それでも、いろんな動物を見るってのは、いいですね。

ミミズクは凛々しいし、ペンギンは立ったまま寝てるし、サルは集団催眠にでもかかったかのように全匹眠ってるし、シマウマのたてがみはかっこいいし、ホロホロチョウはビックリするくらいキレイだし…。

この動物園のいいところは、触れ合い広場なる場所がありまして、そこで、動物と実際に戯れることが出来るのですね。
相方さん、放し飼いにされたヤギを追っかけたり、羊の毛並みをチェックしにいったり(笑)

オレも、相方さんのサイトをつくったときに羊の種類を覚えたので、飼育員さんに、この羊はサフォークですね!などと言ってみました(笑)
すると、飼育員さん、
いや~、サフォークを注文したんですけど、騙されましたわ。額の毛が白いので、純粋なサフォークじゃなくて、雑種ですね、こいつは。
なんじゃそら!ってかんじです(笑)
ちなみに、相方さんは、この羊の毛質はなかなかいいよ~、と、のたまってましたが…。

あと、テンジクウサギ(なんのことはない、モルモットのことです)を抱かせてもらったり、アヒルを追っかけたり…。

爬虫類館では、幼稚園児に混じって、カエルやらヘビやらを観察したり…。

〆て、入場料、2人で1000円。のどかな一日。2、3時間はたっぷりここで遊べます☆
































おまけ。
動物園で遊んだあと、パスタを完食してガッツポーズの相方さん。


インクラインで一本土俵入りの相方さん。



Great 3の高桑圭のソロ・プロジェクト、Curly Giraffeがいいですな☆ ジャック・ジョンソンを彷彿とさせる瑞々しいポップ・サウンド!

Curly Giraffe / Water On

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