2007年11月8日木曜日

セレブなお庭

今、相方さんのおやすみは火曜日が多いので、毎週火曜日にどっか行くことが多いのですが、ここのところ、火曜日のみ、ピンポイントで雨です(笑)
さすが、雨女、というか嵐を呼ぶ女☆ 存分に本領を発揮してはりますわ~。

んなわけで、こないだの火曜日は、世界遺産でもある醍醐のお寺さんを巡ろうと考えていたのですが、山を延々と歩かないとダメだし、雨んなかをそんなところ歩くのはイヤだし…、ってことで、京都市中の、渉成園ってところに行ったのでした。上手い具合に雨はやんでくれましたが(笑)

真宗大谷派の本山・東本願寺の飛び地でして、ここにはお寺さんはありません。純然たる庭園ですわ。オレ自身は、2度目の来訪。

真宗大谷派とは、親鸞が開いた浄土真宗がルーツになっているのですが、なかなかやんちゃな宗派でして、本願寺はむかしっからよく揉めるのですよ。戦国時代に織田信長とケンカして、そのケンカを収める方法を巡って教団が対立してですな、西と東にわかれちゃいました。
真宗大谷派は東本願寺ですね。
真宗は日本で一番でっかい宗派ですから、信徒も多く、勢力もあります。

仏教は、そもそもが、個人が解脱して悟りの世界を開くためのメカニズムを体得するための宗教でね。
でもそのなかには慈悲の心があって、そいつを拡大解釈したのが、いわゆる大乗仏教です。それに対して個人が解脱するためのメカニズムを教えとする元来の仏教は、便宜上、小乗仏教と呼ばれます。
天台宗だとか真言宗だとかの、平安末期に空海や最澄が日本に持ち込んだ禅宗は小乗仏教ですが、飛鳥時代に日本に最初に輸入され、以後、現在に至るまで連綿と盛力を保っているのは、大乗仏教です。
真宗(浄土真宗)は、その、大乗仏教の、日本における最大勢力ですね。

んで、人々の救済を目的とする大乗仏教は、だからこそ、俗世に入り込んでいき、教えを説きますわな。橋を架けたりなんていう土木工事もやれば、学校をつくって教育もやります。政治にも首を突っ込んでいきますね。
ですから、現在、仏教系で政党を持ったり学校を経営しているところは、新興宗教系を除くと、すべて、大乗仏教系の真宗だと考えて間違いありません。
あと、お葬式ですね。仏教はお葬式という死者を弔うセレモニーとは無縁の宗教だったのですが、大乗仏教系がこのセレモニーを発明しました。そこに日本独自の檀家制度が整備されて、お寺さんが経営というか自立出来るシステムが出来上がってます。

そういう、すべての分野で最大勢力を保っているのが、真宗大谷派の東本願寺、通称、お東さんです。
だから、この宗派は、おカネを持ってるんですよね、今もむかしも。信徒をたーくさん抱えてますからね。
お東さんも、めちゃくちゃでっかいですよ。

そのお東さんが持っているのが、渉成園です。
とにかく、でっかいです☆ 普通に歩いて1周するのに1時間は優にかかるような広さです。
なんか、東京ドームとかがまるまる1個分は入りそうな、庭。
御所と二条城を除いて、京都の市中にこれだけでっかい空間があること自体、驚きですわ。

維持費だけでも大変だと思うのですが、ここは、昨年末までは無料で見学出来ました。
それでもやっていけるだけのカネを持っているのが真宗大谷派だし、全国から信徒が見学に来て、寄付をたくさんしていきますからね。
でも、どうやら財政的に厳しくなってきたみたいで、今年から500円の入園料がとられることになったんですが、500円払うと、普通のお寺さんの拝観では考えられないような豪華なパンフがもれなくついてきます。

この庭園の成り立ちですが、パンフから抜き出すとですな…、

この地は、もともと平安時代初期、嵯峨天皇の皇子左大臣源融(みなもとのとおる)が、奥州塩釜の景を移して難波から海水を運ばせた六条河原院苑池(という人工池があったらしい)の遺蹟です、と。
その後、時代は江戸に下って、徳川家光によってその遺蹟の一部を含む現在の地が真宗大谷派に寄進され、さらに、第13代・宣如上人(真宗大谷派のトップですね)によって、石川丈山がここに庭園を作庭した、と。

石川丈山といえば、大阪夏の陣で一番乗りで大将を討ち取った猛将ですが、その功績がかえって周囲の反発を招いて、武士を引退、仏門に入って、今では京都の人気スポットである詩仙堂を建てた人です。
粋人で、歌も詠めば絵も描く作庭もする、と、晩年はマルチ・アーティストとしてご活躍。一休さんが晩年を過ごした一休寺の庭も、後に石川丈山が作庭してはります。

渉成園とはそういう人がつくったそういう庭なのですが、といって、オレは、真宗の教義については詳しくないので、庭のそれぞれ施された意匠の意味がよくわからんのですね。
池の周りをまわるので、池泉回遊式の庭園だということはわかるし、その庭園が浄土(天国)を表現しているのだということもわかるのですが、池のかたちの意味だとか石組みが表現しているものがなんなのかとか、さっぱりわかりません(笑)

眺望台とおぼしき、釜飯を想起させる変な建物があります。
池を見下ろす小山のてっぺんには茶室があります。禅寺でもないのになんで茶室があるのかといえば、千利休と当時のトップが仲よしだったからで、政治の産物ですな(笑)
池をしたがえた建物がいくつもありまして、ここでメシ食ったり昼寝したりしたら気持ちいいだろうな、と。入れませんでしたけれども。
梅、椿、桜、睡蓮、ツツジ、菖蒲、カラタチ、萩、クチナシ、紫式部、銀杏、楠なんかがわんさと植えられているのですが、ま、この時期咲いているものは知れてます。

なので、キレイなあ!すごいなあ!でっかいなあ!くらいの感想しかないのですが(笑)
まあ、相方さんと2人で散策して、雨にもやられず、ゆっくりしておりました~。
ザ・日本庭園☆ってかんじの庭。
オレが普段観にいくのは、お寺さんのお庭ですから、仏教観がそこには表現されているのですが、ここのお庭は、そういうことではなくて、純粋にきれいな景色を楽しむためのお庭のようです。
なんとなく、セレブっぽい香りのする庭ですわ。なんとなく、ですけど(笑)
市川ひろみとかが和服を着て歩いていそうなかんじです~。















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