2007年11月18日日曜日

寧楊さんの「艶話」を聴きにいく







明日香ネタをずーっと書いていたので少し遅くなってしまったけれども、明日香から帰ってきたその夜、大阪は中崎町のcommon cafeで、寧楊さんのエロ本朗読会(笑)に、行ってきたのでした。

common cafeは、今年の夏まで、毎週金曜日に寧楊さんがパスタ・ランチのお店をされていて、オレの相方さんも手伝いにいっていたお店です〜。

当初、この日は寧楊さんのバイオリンの発表会が予定されていたのだけれども、いろいろあってそれが12月5日延期になり、でも箱は確保してることだし、一人芝居でもやったらいいんじゃないの?ってオレが言ったからかどうかはともかくとしてですな、急遽、朗読会をされることになったのでした。

タイトルが、艶話、なので、どーやらエロい物語を朗読する模様。
そーいえば、エロ小説でなにかお勧めのを教えてくれって連絡してきてたっけ。
ま、オレがお勧めしたのは、軽く却下されてましたが。

アメリカだと作家が書店をまわって自作の朗読会をするキャンペーンが盛んに行われてますけれども、日本でその手のキャンペーンはほとんど行なわれないし、それでいてオレは朗読会が好きなので、寧楊さんがこういうことをやってくれるのは、大変にありがたい☆

書かれた言葉は、口に出して耳に届いたとき、言霊が宿りますからな。

行ってみると、いつものcommon cafeではなくて、四方を幕で囲まれた、ひっそりとした空間になっておりました。
寧楊さんも、シックな出で立ちにスリットがグーンと入った黒のロングを穿いていて、心なしか、艶っぽい(笑)
これで、照明を完全に消して、ロウソク1本立ててくれると怪談話になってしまいそうですが、集中するのには、これくらいがいいってもんです。

寧楊さんの声って、すごく中性的な成分で出来ているので、その寧楊さんが官能小説を朗読したらどうなるんだろう!って、興味津々でした。

ステージは、15分から20分程度の小品を、インターバルを挟んで2本。
2本目からは、寧楊さんの盟友グッチさんのバイオリンが伴奏につきます。

とはいえ、1本目は、寧楊ひとり。
たったひとりで聴衆全員のエネルギーを受け止めなければならないのだから、それはそれはすごいことですよ。オレだったら、逃げるな。

1本目は、近未来のバーチャル・セックスというか、ハイテクをつかったオナニーのお話でしたな。ロボットを操作してセックスするのですが、ロボットについているセンサーがダイレクトに操作している自分に伝わってきて、あたかもセックスしている気分になり、最高のオナニーをしている、ってお話。
主人公は、18歳(だったかな?)の婦女子さん。
セックスレスが進んでオナニー全盛の今の時代に、ある意味、相応しいお話でしたな。

ひとつ、深呼吸をして、大切な宝箱の封を切るようにしてはじまった寧楊さんの朗読は、最初、BGMが邪魔で仕方なかったのですが、すぐに引き込まれていき、鳴っているはずのBGMもいつしか聴こえなくなるほどでしたよ。
喘ぎ声あり、18歳の婦女子さんになりきりの熱演ありの朗読でした。

終わってから、なるほど〜、こう来ましたかあ!ってかんじでしたな。
主人公の婦女子さんがひとりで語るモノローグで、もちろん、婦女子さんの視点で物語が進んでいく朗読。
よく考えてみたら、寧楊さんの朗読にはそれが一番相応しい。

ただね、婦女子さんの視点だから、だと思うのですが、個人的には、興奮することはなく(笑)
それは寧楊さんの喘ぎ声を聴いていてもおなじで、男の視点から見て、色っぽさというものも、イヤらしさというものも、ないのですね。このへん、聴衆の婦女子さんがどのように感じたのか、すごく気になります。

2本目は、1本目とうってかわって、時代劇らしき設定。
結婚した婦女子さんはダンナさんによって初めて婦女子さんとしての歓びを開発され、それはそれは幸せな毎日を送っていたのですが、お子が出来ない。なので、ダンナさんは若い婦女子さんに走り、主人公の婦女子さんは、一度知ってしまった歓びを我慢することが出来ず、今度はダンナさんのおとうさん、つまり主人公の婦女子さんの義理のおとうさんと肉の契りを結んでしまい…、最後は、永遠の歓び、つまり、死を選んでしまうという、なかなか恐いお話。

セックスはフランス語では、小さな死、と言いますから、小さな死を重ね、それを欲した結果暴走し、本当の死を選んでしまうわけですから、これはなかなかセックスの本質をついた深いお話だと思いましたな。

こちらはグッチさんのバイオリンとのコラボレーションで、話自体はモノクロームのはずなのに、少しだけカラフルな色がついて、こちらのほうが寧楊さんにはあってました。
上品で清楚な婦女子さんが人知れず狂っていくお話ですから、前提として品性が求められるわけで、寧楊さんなら、それが遺憾なく発揮出来ます。これは、ハマった!と思いましたですよ。


会場をあとにして…、
落語家じゃないから、男女を使い分けるような2役以上の朗読をやるのは、やっぱ、無理なのかな、と思いましたです。
婦女子さんの視点でモノローグをやられると、少なくとも男のオレは盛り上がらなくてですな(笑)
正直に告白すると、オレが求めていたもの(というほど明確なものを持ってはいなかったけれども)と、少し違った印象は、あるのですよね。
要するに、興奮しないの。
そこを求めてはいけないのかもしれないですけれどもね。

たとえば、男がこれをやると、艶話ではなく、猥談になると思うんですよね。
津川雅彦が映画でやったように、笑いが入ってくるはずです。
翻って、婦女子さんが艶話をやると、その特長として、なにが出せるんだろうか?と、考え込んでしまいました。
ま、余計なお世話ではありますがな(笑)

ああ、でも、久しぶりに寧楊さんの舞台が見れて、オレはよかったですよ。
演じているときの寧楊が発する言葉には、ちゃんと言霊が宿っていますからね。

寧楊さん、またやってね☆


今日は、なんとなくこれで。
これはこれで、エロいです☆


Cibo Matto / 『Suger Water』

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